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ちょっくらシルクロード横断してきます〜中東・アジア旅行記ep40〜

第五章 シリア ダマスカス編
三十路センチメンタルジャーニー
ep40、モスクで覚醒( ´∀` ) 2006

 意図したわけではなかったのだが、中に入るとちょうどムスリムたちがいっせいにメッカに向かい礼拝中だった。本当はこの時間観光客は避けるべきらしいのだが、全く意図せず内部に入っていしまった。

 中に入ると一人のおじいちゃんがパイプ椅子に陣取っている。どうも内部を管理していると思われるおじいちゃんはこちらに向かって何かを言っているのだが、当然アラビア語を理解する事もできず、ただただ苦笑い。

 するとおじいちゃんは曲がった腰で椅子から立ち上がり、僕を杖で突っついて、中央の方に進ませる。僕はいやいや、真ん中はまずいでしょとあえて端っこの方にいたのだが、容赦ないおじいの杖に突っつかれながら中央に進む。絨毯が敷き詰められた内部中央あたりまで来たところで、座り込んだ。おじいがもう突っついて来ないところを見ると、正解の位置なのだろう。

 座り込んで彼らの祈りの言葉を聞いていると不思議なことに、どんどん気持ちが深い所に沈んでいった。以前、日本のお坊さんの修行をしている人にアフリカで会ったことがある。その時彼が聞かせてくれたのは、純度99%クリスタルで出来た鐘の音だった。

 不思議なもので純度が高いその鐘の音は、響き渡る余韻がいつまでも終わらない。そうしてるうちに何故か自分の内側の深いところまで入っていく感じを体験したことがあったが、今回はそれが鐘ではなく、大勢のムスリムによる祈りの声だった。彼らが一斉に『アッラーは偉大なり』と祈りを声にしているのにもかかわらず、目の前の光景はまるで無音のように感じる。

 上手く言葉で表せられないが、人が持つ5感とかプラスのシックスセンスとかなのだろうか?仏教で言うところの「八識」、中でも「阿頼耶識」というやつなのだろうか?そういえば昔バリ島に行った時、バリのガムランは心の深くに響き、それによって踊り子たちは覚醒すると聞いたことがある。

 まあ、大分話がスピリチュアルになってきたところで、とにかくあのリビドーの心理学者フロイトも「無意識」と言ったような感覚なのだと思うが、それら全てが飽和状態になって完全に飛んでしまった。そして、またもやおじいちゃんに杖で突っつかれ、我にかえった。

読んでくれた人へ
 今後、定期的にシルクロード横断日記や行きたいけど行けないという悶々とした気持ちで書いた、脳内妄想旅行の計画などをアップする予定です。お暇なときにでも、そちらも読んでやってください。ありがとうございました。スキをしてくれると僕のテンションが上がります。ファローしてくれたらうれション状態です。よろしくお願いします。人生の無駄遣い万歳^_^

HPやってます。いろいろな旅行関連記事を書いているのでよかったら寄ってみてください(^^)


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