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帰省の季節 落ち着かない故郷と戦場東京【心は全裸で #13】

皆さんごきげんうるわしゅう。
カイキエンというお笑いコンビで活動しているイチジョウコウタです。ひとつよしなに。

私は東北地方宮城県仙台市出身の田舎者だ。
そんな私も大学進学を機に上京して6年が経つ。

思えば、上京したてのイチジョウはスーパーとんがっていた。


周りの大学生がやれ新歓だやれサークルだのと色めきだっている中、イチジョウはひとつの考えのもと自発的に孤立していた。

その考えとは、、

【東京の奴おもんない】



そう、当時のとんがりコーンイチジョウはガンギマっていたのだ。友達もろくに作らずバイトもせず、八王子の四角い六畳間の隅で膝を抱えていた。
唯一東京で出来た新しい友達はオリジン弁当。

お前は何しに東京来たんだ。

おもんないやつとは絡まんと息巻いた結果、泣きそうな顔で知らない街を徘徊するたれ目になっていた。

ほんっと。
憎めないとこあるよね!

その2年後くらい、とあるゼミに入って大学生の楽しさに気づくのはまた別のお話。


そんな畜生道を邁進しながらも、
私は季節の中で故郷仙台に帰省してきた。


仙台に帰っても私の帰りを喜んでくれるのは家族くらいのものだが、帰りを待ってくれている人がいるだけでも幸せだと実感している。


ええ、心もあります。


両親は私が帰ると美味しいご飯を沢山食べさせてくれる。まぁこれは帰省あるあるやね。

量もさる事ながら、質も相当なご飯だ。


いつも東京で水準の低い食事を嗜んでいる私に、それはまぁ豪勢な食事をさせてくれる。


例えるなら、水質の悪い都会の川に生息している魚が、突然水質の良い澄み切った山奥の渓流に放された様な。場違いな水を得た魚。


そして数日後にまた水質の悪い川に戻る。




故郷で過ごす時間は、とてもリラックスできる。


一方で、どこか落ち着かない瞬間もある。


何故か。


それはふとした瞬間に、過ぎた時間やたゆたう思い出に潰されそうになるからだろう。


あれこれ考えながら歩いた近所の道、そしてチビだったコウタがいた自宅。
そこに25歳の自分がストンッと落とされたような。


その両者の差に生じる不思議な渦の引力に、悲しい様な不安な様な感情が掻き立てられるのだ。


どうしようもなく不安になりリビングに向かうと、母親と犬が深夜のニュースを眺めていたりする。


思えば子供の頃からこの光景に助けられてきたなと思い出す。遊戯王の勝ち確BGMくらい安心する。


つまり、私は故郷で過ごすと過去の自分と現在の自分が見えてしまうから落ち着かないのだ。




かといってクリエイティブに過ごそうと思おうが、美味し過ぎるご馳走が肩を組んでくるから難しい。



そして案の定東京に帰ってくると、あれもこれも頑張ろうとか、あんな奴に負けたくないとかめらめらやる気が湧いてくるのだ。




私にとって東京は戦う場所。
帰省をする度、私はまたHPを満タンにして戦場に戻ってくる。


さて、今回の帰省はどんなご馳走が食べれるかな。



震えて待ってろよ、東京。



◆執筆中に聴いていたグッドミュージック◆
tokyo(feat. 鈴木真海子, Skaai) /  
yonawo,Skaai,鈴木真海子

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