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大回りでの名古屋旅

※この記事は以下の記事の行き帰りの記事です、ご興味ありましたら下記記事もどうぞ。

旅は放浪癖に誘われて

手元の応募券で応募できるのは1公演のみ、6月の神奈川公演と7月の愛知公演を選ばなければならない…

迷うことなく愛知公演を応募した。チケットの当選確率が関東より高いかもしれない、新曲に期待できる可能性がより高い、そういった理由ももちろんあるが乗り物好きともなるとせっかくライブに行けるならついでにライブ以外のあれやこれやも楽しみたいというものだ。

そんなわけでチケットの当選もまだだったが早速旅程を考える、当選したらすぐ予約できるように。
名古屋ということは仙台から太平洋フェリーに乗れるんじゃないか? ここから今回の旅程づくりが始まる。仙台に行くなら一番最初に考えるのは常磐線特急での北上だ、東北新幹線は最後まで取っておく。しかし太平洋フェリーの仙台出港は12時50分で、ひたち3号ですら間に合わない。そうなると常磐線利用は断念せざるを得ず、他の手段を探す。そういえば山形新幹線はどうだろう? 調べてみると始発のつばさ121号であれば仙山線乗継で十分余裕をもって仙台に向かうことができる。E3系乗り納めというのも乙なものだなと思っていたが、チェックしてみたらなんとE8系運用…これは是非乗りたいものだ。
一方で帰りはだいぶシンプルに決まる、「帰りはJALのA350で」半年くらいご無沙汰していたしここで乗りたくなってきた。新千歳発でも福岡発でも問題無いが便数と展望デッキで福岡をチョイス、最初は新幹線で向かうことも考えたのだがこれも昨年以来のFDAを利用することに。

ここまで決まったあたりでお待ちかねのチケット当選通知が来た、山形新幹線の新型車両で北に向かってフェリー旅を堪能し、ライブを楽しんだらFDAのフライトで福岡に飛び、福岡空港を楽しんでからA350で帰るというなんとも自分好みの最初から最後まで全て「旅行のお目当て」となるような旅程が組み上がった。

新しい一日、新しい顔で

気温はそんなでもないが湿度が高い、遅く始まった梅雨だがどうしようもないような暑さを抑えてはくれたようだ。東武野田線の始発電車の座席は既に半分以上が埋まっており、筆者もそんな中の一人として大宮に向かう。

早朝の発車表示器

6時を少し過ぎた頃の大宮駅新幹線ホーム、いよいよ旅に出るのだと気が引き締まる空間だ。号数の末尾一桁がきれいに1で揃っているのもこの時間ならではのものか、30分ばかしの間に各方面への始発列車が次々と発車していくことがよくわかる。上り線はこの時間だと営業列車はないものの、田端や那須塩原の車両基地から続々回送列車が向かっている…新幹線システムやそれを支える人々に畏敬の念を感じずにはいられない。

回送のE2系
まだ人の少ないホーム

回送のE2系が東京方面に向かっていく、E5系およびE7系は着々と数を増やしてきており北陸(当時は長野)新幹線や東北新幹線のヌシだったE2系はもう東北新幹線の全通時に投入された編成しか残っていない。設備や乗り心地という点では新型車両の優越は明らかで、どの便もE5,7系というのは魅力的なのだがそれでも幼少期のエースが消えゆくということには一抹の寂しさを禁じ得ない。引退までにもう一度位は乗ってみたいがさてどうだろうか…

E8系到着!

感傷に浸り続ける余裕もなくあっという間にお目当ての、こちらは最新鋭であるE8系つばさが滑り込んできた。2024年春のダイヤ改正でデビューし山形新幹線は全車両がこのE8系に代わる。時折しも福島駅上りアプローチ線も建設中であり最高速度300km/hの速達性と上りアプローチ線による柔軟性というのがこれからの山形新幹線のキーポイントになるということだろう、板谷峠のトンネルはこの車両が現役のうちに造られるだろうか。
単純に新型車両を投入するだけならE6系という選択肢もあったのだろうがこれも気付けば10年選手、しかも山形新幹線に入れたとて320km/hの最高速度をフルに発揮できるのは宇都宮から福島の短距離で、更に途中には停車駅もある。それなら最高速度を少し妥協し定員増に振るのもサービスとして良い選択…ということだったのだろう。いくら速い列車でも座れなければ体験価値としては大幅に下がってしまう、全席指定にもなったし増やせる座席は増やしたほうがいいというのは納得だ。

新旧の並び
グリーン車の車内

今回は初めての乗車ということでせっかくならグリーン車…なのだが考えてみるとミニ新幹線のグリーン車自体初めてだった。えきねっとトクだ値なのでこれでも普通車の正規料金とだいたい同じ値段。といってもシートのハードウェアとしてはそこまで大きな違いは無く、周囲の環境などに価値を見出すものと見るのが妥当だろう。このつばさ121号はE8系専用ではないので300km/h運転は行っていなかったので真価はまだ見えずということにはなるのだが、揺れや音についてはやはり新型車両ならではというような心地よさに感じられた。
しばらくうたた寝する間に奥羽本線区間に入っており、いわゆる山形線区間を北上していく。時間があれば米沢駅で「牛肉どまん中」など頂きたいところではあるが色々「この後」がある旅でもありまたの機会に。

E8系は更に北に

定刻通りに山形駅に到着、流麗な新幹線車両に乗るのはここまでとなりここからは仙山線で山を越えて仙台に向かう。短い時間だったがしばらく撮影時間が取れた。

左沢線キハ101
奥羽本線719系
仙山線E721系

4両編成の普通列車、土曜日の朝ということで出掛けるような様子の人も多い。驚いたのは山寺駅で自分の仙台行きに乗り込む人はあまりいなかったが仙台からの6両編成は満員だったところから一気に乗客を吐き出す。いささか暑いとはいえ行楽には悪くない天気、しかも道路だとアクセスがあまり良くはないので鉄道が強いところになる。

仙山線の車内

仙台に着いたら更に乗換え、仙石線で中野栄駅に向かう。仙台港に向かうバスはここから発車する。仙台駅前からのバスもあるのでピンポイントに仙台駅から向かう場合直通のバスの方が良さそうだ。仙石線はなかなかの混雑だった…

中野栄駅前

10分ほど遅れたバスで仙台港に、交通系ICカードが使えるのはやはり便利だ。商業施設などで段々と降りていき、遂には大きな白い船体が見えるフェリーターミナルに。
ここから約22時間をともに過ごすのは太平洋フェリー「きそ」号、この船だが先々週ぶりの再会である。先日の北海道旅行2日目に苫小牧で見た船こそが他でもない「きそ」、そのときには「再来週はよろしく」と念を送り(?)再会を誓ったのだった。

太平洋フェリー「きそ」
宮城交通バス
東日本大震災での津波はこの高さに

事前に予約を済ませていたこともあり乗船手続きは実にスムーズ、乗船まで十数分あったが乗船者の結構多くは何かのツアー客だったようだ。確かに観光バスらしき車も積み込まれている。そういった様子をしばらく伺っていると12時になり、少し遅れて乗船開始となる。この太平洋フェリーは「フェリー・オブ・ザ・イヤー」31年連続受賞という経歴がありサービスは折り紙付き、しかも嬉しいことに乗船開始と同時にレストランでは昼食の提供が始まる。あれやこれやと船内探検したいところではあるがそれもそこそこに寝台に荷物を置き早速レストランに向かう。

今日の寝床、S寝台
仙台港のボーディングブリッジ
船内レストラン「タヒチ」(夕食後に撮影)

レストランは3食ともバイキング形式で、仙台→名古屋を利用する際の最初の食事となる昼食はカレーを主軸に据えたもの。主食はナンやターメリックライスも選ぶことができて、温野菜や素揚げのかぼちゃや玉ねぎなども選ぶことができるのは嬉しいところ。カレーも辛さや具などで複数から選ぶことが出来て大満足の船出となった。食事中に船出となったので外の景色が移り始めたところを見ながらのランチとなったのである。

エントランスの吹き抜け
港にはトレーラーが並ぶ

ちなみに3食ともバイキングレストランは重すぎるというような場合にはスタンドがあり、軽食をここで摂ることができる。更に選択肢が欲しい場合は売店でカップラーメンなどもあるので食事に困ることはないだろう。
フェリー旅の背徳の夜食としてカップラーメンを啜ってもみたいのだが、朝食や朝風呂を考えるとそういえばやったことがない…

太平洋を南に向かう

港を出ると段々と速度を上げていく。なかなか加速しないようで気が付いたら20ノットを超えているというフェリーの加速感は独特な気がするが、普段は2*33.7tの出力のジェットエンジンで瞬く間に大空に飛び上がっているか56基の誘導電動機=合計出力約16,000kWで300km/h出しているとこういったゆっくりとした変化にはあまりにも鈍感になってしまうようだ。

仙台港から少し南に行くと何があるか、仙台空港だ。Flightrader24片手にちょうど何か来ないかと探していると新千歳空港からのピーチ機が着陸態勢に入っていた。スマホのカメラではさすがに写せるような距離ではなかったが、なんだか得をした気分である。
そこからさほど間を置かずに船旅の一大イベントである姉妹船の反航が見える時間になる。前日の夜、この「きそ」が苫小牧を出たのと同じ頃に名古屋を出航した「いしかり」だ。

太平洋フェリー「いしかり」
だんだん後ろに消えていく

この「いしかり」はあと2時間後に仙台港に到着し、3時間後の19時40分に苫小牧に向けて出航、そして我らが「きそ」が名古屋に到着した少し後に苫小牧に到着する。そして8時間後にはそれぞれもと来た道を戻るのである。
今回思ったこととしては約20ノットの船同士だと反航時のシャッターチャンスが思っていたよりだいぶ多かった、なにしろ筆者にとっての長距離フェリー反航の基準は東京九州フェリーだ。あの速さに改めて驚かされつつ船室に向かい、本を持ち出してパブリックスペースでしばし読書を楽しむ。この辺りにもなるともう電波はあまり届かない。

S寝台の枕元側
自販機コーナー
インフォメーション付近
売店入口
エントランスにて

ここでこの「きそ」について…2005年に就航した船でコンセプトは「南太平洋のしらべ」、色鮮やかなインテリアが特徴の船で就航年から2010年まで5年連続でフェリー・オブ・ザ・イヤーを受賞した栄光ある船だ。1室のみのロイヤルスイートルームからいわゆる「雑魚寝」の2等和室まで多様な客室を備えており、シアターラウンジにカラオケ、ゲームコーナーと船内の娯楽施設も充実している。
そして夕食を控えたこのタイミングで入浴とする、展望大浴場でアメリカまで続く太平洋を見渡すことができる。船はちょうど茨城県沖を航行している頃だ。この少し前はある程度スマホの電波も通じていたが、茨城県沖では陸地が遠いせいかほとんど圏外だった。

もう関東沖

身体を乾かして夕食に、レストランではだいぶ賑わっており自分が入ってしばらくで入場制限が掛かっていた、危なかった…メニューは豊富で野菜類なども多く選ぶのも一苦労。鶏飯やカツオなど就航地にとらわれないレパートリーとなっていたが、ともあれ大満足の夕食となった。

MarineTrafficアプリにて

夕食を終えてしばらくの頃合いで船は犬吠埼の沖を越えていく、家から気軽に出かけることができる範囲の銚子を船で望むのも不思議な気分だ。もしかして街灯りなどが見えやしないかとデッキに出ようとしたがあいにく雨が降っていて慌てて撤退。しばらく消化が進むまで本を読んでいよう…野島崎灯台通過が0時半過ぎなので、千葉県沖で入眠ということになる。

熱い潮風に吹かれ

上がり始めた朝日と

7月の静岡県沖、朝早い時間とはいえなかなかの蒸し暑さだ。潮の香りを纏った熱い風が起き抜けの肺を満たす。海の上で迎える朝はそれでも爽やかな気分にしてくれる、物理的には不愉快なのでしばらく写真を撮ったりしたら朝風呂決定ではあるのだが。

太陽に照らされた波

昨晩の雨のためだろう、デッキは濡れていて滑りやしないかと若干気を付けつつ歩く。気が付いたらスマホの電波が入ってきていたので早速MarineTrafficアプリを開き、この船の居場所を確認する。もうだいぶ名古屋が近づいてきたなと感じるとともに沖合に別のフェリーを見つけるが…?

そろそろ浜松沖
東京九州フェリー「はまゆう」

半年前はあの場所にいたということか、東京九州フェリー「はまゆう」が27kt近い速度で西に向かっている。これから伊勢湾に入って名古屋に入港するこちらの「きそ」に対して巡航速度を維持したまま紀伊半島を回り西に行くのでだいぶ南のように見える。この距離では肉眼では見られないだろう。

デッキと海と空の青
朝日差し込むエントランス

朝風呂を済ませて朝食を待つ、レストラン営業開始の少し前に着くと席は足りるのかと不安になるような列が出来ていた。結論十分に席はありめでたくバイキングの列に、さて今日は何をいただこうか…

紀伊半島(多分)の山を眺め

朝食を終えて歯を磨くと下船の時間が近付いてくる、こんな素敵な時間が間もなく終わるというのは寂しいもの。寝台であれこれと広げていたような荷物を畳んでいき忘れ物なく旅立てるようにする。おいおい自分の今回の主題は下船したあとにあるだろうという話だが、しかしこの長い時間を過ごした乗り物から離れがたい気持ちはなぜ起こるのだろうか。

最後のひととき、コーヒーと共に

名古屋港が近付いてきていよいよクライマックス、中部国際空港が見えてくる。離陸していくANA Wingsのダッシュ8や大韓航空のA330を船から見つつこの後の乗継などを確認、コンテナターミナルを眺めながら伊勢湾岸道の橋をくぐったら名古屋港着岸だ。

まるで東海道新幹線
長旅を終えた「きそ」

まるで東海道新幹線の700系のような色のボーディングブリッジを渡って名古屋上陸、自分は仙台港からだったが船としては苫小牧から1,300kmの旅路を全うした瞬間である。日本の定期フェリー航路として最長のこのルート、北半分の仙台から苫小牧も北海道旅行の選択肢として魅力的と改めて感じた。

名古屋港フェリーターミナル
藤が丘駅

猛暑に灼かれてバスを待ち、満員のバスで地下鉄の駅に向かう。ここからは地下鉄に何度か乗る予定だったため迷わずドニチエコきっぷを購入して移動に備える。ドニチエコきっぷは620円で、距離によっては1往復するだけで概ね元が取れてしまう。名港線と東山線を乗り継いで終点の藤が丘駅、ここが名古屋での最初の目的地だ。
ここからは9年ぶりのリニモに乗車する、現在日本国内で一般の旅客営業に供される唯一の浮上式リニアモーターカーだ。とはいえこの称号はJR東海のリニアが品川から名古屋まで開業すると同時に返上することになる、四半世紀程度持ち続けたタイトルはいよいよ終わりが見えてきたようだ。

リニモ車両(八草駅にて撮影)
車内はクロスシート主体

元々東山線の延伸計画として長久手方面への構想があったのだがこれを具体化したのがこのリニモということになる。モノレールやAGTも候補に上がったのだが丘陵地を通るため勾配がかなり急なものになることとシステムの先進性から常電導吸引型リニアHSSTが採用された。先の比較検討にも出てきたようなモノレールやAGTに並ぶ中量交通機関ではあるが、HSSTの強みは勾配に強く速いということ。事実このリニモの最高速度は100km/hで概ね70km/h程度のAGTに比べて速く、更に低騒音で摩耗する部品も少ないのでランニングコストも低いとされる。
都市交通としてのHSSTの不幸はなんと言っても登場時期が遅すぎたことだろう、既にモノレールやAGTによって市場になり得る回廊は開拓され尽くしてしまった。

新交通システムのような展望

八草駅に着いて、藤が丘への帰りは前面展望にありつけた。行き帰りとも各車両に乗客は数人といったところ、だいぶのんびりした空気の中を走っていく。車輪の音がしないのにVVVFの動作音が流れて景色が後ろに流れていくのはこのリニモならではの独特の体験だ。
そんなリニモだが、このシステムを開発したのはなんと日本航空だ。開発が始まったのは成田空港建設中の時代、都心部から空港までの空港アクセスとして西ドイツ(当時)でトランスラピッドの対抗馬として開発されていた技術を導入して開発されたもの。筑波万博等で実演走行がなされたものの1989年に名鉄や愛知県でそして日本航空など出資の中部HSST開発が開発を主導するようになる。2000年に日本航空は撤退していき、中部HSST開発も今はリニモを運営する愛知高速交通に吸収合併された。これ以上の新規導入は期待しづらく、なんとも惜しいところだ。

車内の見通し
前面展望は2席

このスムーズな乗り心地は他のモノレールやAGTでは味わえない独特のもの、名古屋にはゆとりーとラインを始めとした個性の強い乗り物が目立つがこのリニモはその中でも特に個性が強いもの。来たるべき中央新幹線の「予習」としても訪問をおすすめしたい。

313系の転換クロスシート

途中で名城線に乗り換えて大曽根駅から中央本線で名古屋駅に移動し、そろそろチェックインが始まる今日の宿に。名古屋から岐阜は想像以上に近い距離なので名古屋でライブに参加する際にも一旦チェックインして身軽になってから出ることができる。荷物を置くだけならコインロッカーは更に手軽かもしれないが、コインロッカーにシャワーは無いししばらくベッドで寝そべることも出来ない。それと筆者みたいなタイプの人間の場合そもそも帰りをどんなルートにするか自分自身全く予想が付かないので帰りたいルートの経路上にそのコインロッカーが無いと悲惨だ。
ちなみにそもそもなぜ岐阜か、これは単純で去年栄のドーミーインは既に泊まったので今度は岐阜に行ってみたかったに尽きる。

中央本線(名古屋ー中津川)が原則315系に統一され、311系の置換え用に313系が東海道本線に転用されたので今の東海道本線は313系のバリエーションが実に豊か。生え抜きの基本番台やフラッグシップたる5000番台、そして中央本線から移ってきた1x00番台から今度の電車はどのタイプかと見るだけでも楽しい。今回は基本番台だった。

ドーミーイン岐阜駅前

15時にチェックイン、ライブに向けて出なければならないわけで補給のためにいられる時間は1時間あるかないか。早々にライブに行くための準備を整えてシャワーを浴び、ウェルカムスイーツをいただく。朝フェリーを降りて以来多くの時間は乗り鉄で空調の効いた箇所にいたと言ってもここで一旦汗を流せるというのはこの季節実に有り難いもの。Tシャツも変えてある程度時間に余裕を残し一旦部屋を出てフロントに鍵を預け、駅に向かう。

岐阜駅

つい1時間ばかり前に来た道を再び戻って名古屋駅到着、ここでライブ前に朝食以来の食事としよう。名古屋駅地下のレストラン街でカレーライス、夕食の時間にはいささか早いだけにスムーズに美味しいカレーを堪能できた。いよいよ満員の東山線で愛知県芸術劇場に向かう。楽しいライブの時間だ、こっそり新曲に期待しているのだが、さてどうなるか…?

テレビ塔

ライブ後、再び名城線や鶴舞線としばし地下鉄に揺られる。ライブの興奮を覚ますためかあるいは単に乗り鉄の血がうずいたか。大急ぎでホテルに戻ったとて夜鳴きそばは21時からだからそれまでは色々乗っていたいというのが大きい気もするが。

今度は元中央本線

名古屋駅に戻ってきて今日最後の電車は東海道本線でホテルに戻る、車端部がロングシートの元中央本線車両だ。もうここまで来るとフェリーを降りて12時間もないうちにここまで濃厚な1日を過ごしていたのは何かの幻だったかのよう。ちなみにドニチエコきっぷが無かったら地下鉄代はゆうに1,000円を超えていた。
ホテルに着いたら早速夜鳴きそば、そして大浴場でここまでの疲れを癒す。これがあるからライブ遠征はまずドーミーインを使えないかと探してしまうのだ。

福岡経由での帰り

慌ただしい月曜の朝、トレインビューのレストランでラッシュど真ん中の8両編成が行き交う様子を眺めつつゆったりと朝食をいただき、チェックアウトしたら名古屋行きの快速電車に乗り込む。名古屋に向けた通勤ラッシュの時間はとうに去っており無理なく座ることができた。岐阜駅では315系の4両編成を発見。

315系3000番台

名古屋に着いたら空港行きのバスの時間までしばらく列車を眺める。敦賀行きのしらさぎはなんと681系量産車のトップナンバー! 今はなき量産先行車が居たことは忘れられない思い出だが、やはりハイフンの後に1とだけ書かれた車番を見ると特別な気分になる。

特急「しらさぎ」
クロ681-1
モハ681-1
サハ680-1
貫通型の顔から

更にここでも315系、東海道本線では武豊線直通等で主に使われているので狙わないとあまり出会う機会は無いが、今後は静岡地区中心に存在感も高まっていくだろう。

315系区間快速
313系

ここからはあおい交通のバスで県営名古屋空港に向かう。事故渋滞で若干遅れたものの大きな問題にはならず、10ヶ月ぶりの県営名古屋空港にしてここからの出発は初めてだ。チェックインを済ませて保安検査を通る前に展望デッキで色とりどりの飛行機を眺める。駐機している機体を一望出来るこの空港の構造と1機1機異なるカラーリングのFDAの組合せは最高で、見るたびに異なる眺めを楽しめる。

この日の駐機場全体
金銀のJA09FJ,JA10FJ
ティーグリーンJA08FJとネイビーJA13FJ

DEP:NKM/RJNA
RWY34
ARR:FUK/RJFF
RWY16
FDA JH305
(JL4405)
Planned:1120-1245
Actual:1126-1237
Fuji Dream Airlines
Embraer ERJ170-200(ERJ-175STD)
JA09FJ 17000464
(Gold "Golden Country Iwate" livery)

航空自衛隊の機体であるC-130やKC-767を見ながら離陸、一気に高度を上げていきながら小牧山城を見下ろしていく、更に上昇していくと岐阜駅が下に見えてくる…となると2時間程度前まで滞在していたドーミーインも下に見えてくる。

小牧山城を眺め
岐阜駅などの中心街

このあたりから機体は雲の上に上がりどのあたりを飛んでいるのかなかなか分からなくなってくる、ちょうど機内サービスも始まり梨恵夢と静岡茶をオーダーする。FDAといえばな静岡茶、やはり何度頼んでも機内で温かい緑茶を飲める安心感はやめられない。

梨恵夢と緑茶

飛行機は高度を下げていき福岡に近付いてきた。既に山口県上空に到達しており、長門市や仙崎のあたりが見えてきた。そこから少し日本海に出て博多湾から降りていけば福岡空港だ。飛行機を降りた瞬間、うっ蒸し暑い…

長門市付近
海の中道から西戸崎

ここで撮影でも出来ればと時間をかなり長く取っているとはいえ、行程で言えば後はもうここから羽田に飛んで帰るだけ、さて展望デッキに向かって撮影の時間だ。

JTA ボーイング737-846 JA348J
ANA ボーイング777-281ER JA741A
JAL エアバスA350-941 JA09XJ
ANA ボーイング787-10 JA982A
JAL ボーイング767-346ER JA614J

序盤からJALのA350とANAのB787-10という両社の国内線フラッグシップの共演を楽しめる。どちらも国内線で使われてきたボーイング777の置換えで投入された機材で全席に個人用モニタとコンセントを備えた充実した設備を持っている。
またこの間に搭乗便の状況をJALアプリから確認する、特に問題はなさそうだ。ん?当日アップグレードとな?これまでこの手のものを使おうとして空席が残っていたためしもそうそうないので半信半疑だが、予約していたのが普通席後部だったのでまあまずないとは思うけどクラスJの窓際でもあったら取ってあげないことも……あった、取っちゃった。予約時点ではじゃあ普通席で良いですというような値段だったのですごくオトクな買い物となった。

JAL エアバスA350-941 JA08XJ
ANA ボーイング777-281 JA713A
JAL エアバスA350-941 JA05XJ
JAL ボーイング767-346ER JA622J
J-AIR エンブラエルE170 JA220J
JAL エアバスA350-941 JA07XJ

あれこれと眺めているうちに帰りの飛行機がスポットインする時間になった。朝食を調子に乗って食べ過ぎた代償(?)は重く、この間に摂った夕食は単品のチャーシューとご飯だけ。体調自体はすこぶる良好なのだが、これだけで済ませるのも珍しい…ともあれこれから旅の最後のお楽しみ、JALのA350が待っている。しかも先程アップグレードしたクラスJだ、ますますうきうきの気分で保安検査を受ける。

折返し待ちの機体

DEP:FUK/RJFF
RWY16
ARR:HND/RJTT
RWY22
JAL JL328
(HA5161,QR6840)
Planned:1855-2040
Actual:1914-2038
Japan Airlines
Airbus A350-941 A359
JA07XJ 451

TrentXWBの快い音に身を委ねてぐんぐん上昇していく、残念ながら太宰府天満宮は見逃してしまったが西鉄二日市駅等を見下ろして東に進路を変えていく。しばらくして外を見ると関門海峡が見えてきた。

関門海峡付近、手前は中津か

そうしているとドリンクサービスが始まる、空港で買ったお菓子を何気なく置いておくとCAさんがスカイタイムを渡す際におしぼりも添えてくれる。このように少しでもより快適に過ごせるよう気を遣ってくれるのも有り難いところ。飛行機は1,000km/h近い速度で東京に向け、四国上空を飛んでいく。写り込みが激しく写真などは撮れなかったが、関西の街並みや伊勢湾付近も見ることができた。

機内でのひととき

羽田空港に着陸ターミナルに着いたら、クラスJの中でも最前列だったので降機も本当にスムーズ。このJALのA350のクラスJに限った話ではないが、改めて今回の旅も「これを選んで良かった」と思う機会が多い良い旅になってくれた。

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