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曇る北海道をめぐり(前編)

久しぶりの早朝、地元の2番電車で旅立つ。6月の都心は既に蒸し暑く、嫌な季節になってしまったと少し辟易しながらモノレール乗継階段へ…運良く最前部が取れたためかぶりつきを堪能しつつ羽田空港のターミナル1に余裕を持って到着できた。

JAL ボーイング737-846 JA319J
JAL ボーイング777-346ER JA735J

長距離国際線にA350-1000が投入されて以来国内線でも運用されるようになったボーイング777-300ERを見ることができた、国内線運用に就いている様は2月に福岡空港で見たが羽田空港では初だ。北ウイングでこの日は伊丹空港まで3往復だったとのこと、昔は成田空港への国際線乗継便などで使われていたが退役が近付いてきたであろうこのタイミングで使用されることになるとは。
現在のJALの777-300ERはW84コンフィグレーションで総座席数244となっている、一方でこの路線の主力である国内線用ボーイング787-8で291席、次いで多く運用されているボーイング767-300ERだと252席(ファーストクラス付きのA25)。羽田から福岡や札幌に向かう路線の主力を担うエアバスA350-900だと369or391席で座席数のギャップが大きいと改めて感じる。かつて使われていた国内線用ボーイング777-300であれば500席以上を収めていたサイズの機体にこの座席数、国際線上級クラスの贅沢さたるや凄まじいものである。しかも国内線運用の場合には安価なクラスJでフルフラットのビジネスクラスに乗れるので航空ファンで席が埋まることもあるとか。

JAL ボーイング737-846 JA318J

自分が搭乗するのはこちら、もうすっかりお馴染みのボーイング737である。現在42機が運用されているJALの737も投入から20年が見えてきて置換えが迫りつつあるのだが、現在明確にこの名目で投入される見込みの機体は同じくボーイングの最新世代である737-8が21機のみである。元々JALは「20機程度が機材計画の目安」としていたこともあり、これ以降は別の機種を導入する可能性が十分に考えられるところだろう。

順当に737-8追加が考えられるもののあるいは一回り大型のボーイング737-10になるか同クラスのエアバスA320neoか、はたまたボーイング767代替用に発注されたエアバスA321neoが増えるか…忘れてはならないポイントとしてグループ全体で見るとJTAの14機とスプリング・ジャパンの6機が加わるということ。エアバスA350-900国際線用機材の大量投入が大きなインパクトをもって話題になったが、こういった中小型機の動向からも目が離せない。

ビーフコンソメをすすり

DEP:HND/RJTT
RWY16L
ARR:OBO/RJCB
RWY35
JAL JL573
(HA5283,CI8431,QR6065)
Planned:0750-0920
Actual:0801-0922
Japan Airlines
Boeing737-846 B738
JA318J 35347 /2830

さて今回は滑走路16Lからの離陸、第1ターミナルからここに行こうとすると途中で第2ターミナルがよく見えるのだが…

この777は…!?
後ろ側からも

そこで白い機体に赤い波のようなライン、政府専用機がいるではないか。これはちょうどこの日の天皇皇后両陛下御訪英に向けてのもの、まさか見られるとも思っておらず嬉しいサプライズとなった。

我らがボーイング737は一路北に、東京湾内で高度を稼ぎ幕張メッセ付近から陸上に。茨城県内から東北本線ルートを三陸付近まで北上し海上へ、高度を下げて真っ直ぐ帯広空港の滑走路35に向かっていった。帯広駅行きのバスが出るとさっそく広い大地に道路には矢羽根…この紅白の矢印ほど北海道を雄弁に物語る道路標識もないのではと思う。
駅に着いたらまずは腹ごしらえ、ここまで今日固形物を全く口にしていなかったのである。

帯広名物の豚丼

ここからは特急列車の旅、ホームに上がるとこれからの旅を支えてくれる特急「とかち」のキハ261系そして普通列車のH100型が発車を待っていた。そういえばH100型を生で見るのも初めてだ、投入後様々な地区で勢力を伸ばしつつあったのだがここまでちょっとご縁がなかったのはむしろ不思議…とはいえH100型が出てきた頃から足が西に向きがちだったのと北海道と言っても札幌近郊だったりというのもあったわけではある。

特急「とかち」
普通列車用H100

特急「とかち」は帯広と札幌を結ぶ特急列車で、同じ石勝線を走る特急「おおぞら」の補完という性格もある。南千歳から帯広の停車駅は概ね「おおぞら」より多く、特に新得と帯広の間の十勝清水・芽室駅には「おおぞら」は6往復中1往復しか停まらないところ「とかち」は5往復全てが停車する。
編成は「おおぞら」が通常6両編成に対して「とかち」4両のだいぶコンパクトなもの、これでもフルサイズのグリーン車があるのはありがたいものだがどうにも利用者数という意味では老婆心ながら気になってしまう。
そんなグリーン車に乗り込み、西を目指す。帯広から早々に西に行くなら新千歳空港に行くのでも良かったわけだが、これは純粋に帯広空港を利用してみたかったのだ。

グリーン車の座席
北海道旅といえば…!?

帯広駅前のセイコーマートでドーナツとガラナを購入、ミーハーな旅行者としてはせっかく北海道に来たのだから極力セイコーマートを使っていきたいところ。列車は力強く加速して十勝平野、そして新得からの山越えに向かっていく。その山から駆け下りて新夕張駅を出ると下車駅の追分駅はもうすぐだ。

グリーン車車内
追分駅

この追分駅は元々室蘭本線の要衝にして石勝線の原型とも言える夕張線とのジャンクションとして、運炭が北海道の鉄道にとって最も重要な使命の一つだった時代には機関区があり空知や夕張の炭鉱から掘り出された石炭を満載した貨車を室蘭の積出港に運ぶ中継地として栄えていた。

広い構内
かつては更に
現在の駅舎

ここでの乗継時間は約30分、駅の周りを散策するにとどまったが駅から片道15分程度歩いた道の駅には少し前まで石勝線を走っていたキハ183系や運炭列車を牽いたD51が保存されているとの由。

そんな追分駅からは室蘭本線で岩見沢に、かつて貨物輸送を担っていた苫小牧(厳密には沼ノ端)から岩見沢は現在ではローカル輸送主体でここを走破する貨物列車は日に1往復、沼ノ端から追分はもう少し多く石勝線に向かう貨物列車が運行されている。しかしその設備は先述のとてつもない数の貨物列車を支えるための重厚な複線になっている…それ故に現在JR北海道から名指しで「過大な鉄道設備が残っております」として同社単独での維持が困難な路線とされているのは困ったところではあるが。

キハ150 105
岩見沢行きに乗り込み

短時間のうちに新夕張からの千歳行き・岩見沢からの苫小牧行き・そして苫小牧からの岩見沢行きが集って各方面の接続が行われる。交通に詳しい人であればスイス、あるいは最近の徳島を思い浮かべる時間だ。
そこからの室蘭本線はおよそ5年ぶり、その頃はキハ40だったが今回はキハ150となる。そんな室蘭本線だったが今回は乗り心地の良さが印象深く感じられた。先代のキハ40も一応空気ばね台車だったのだがより新しい世代のボルスタレス台車故かはたまたこの路線の重厚な設備故か、特急列車がひっきりなしに行き来する幹線よりも快適なように感じられた。

ここまで走ってきたキハ150
特急「ライラック」

岩見沢駅での乗継時間は約1時間、ここからしっかりした食事を摂ることが難しそうなので少し早いが駅から少し歩いたセイコーマートのホットシェフで夕食として店内のイートインで頂く…のだが時間が微妙で食べ切るのには心許無く、野菜類だけ食べてメインの親子丼はお預けとして店を出る羽目に。
親子丼を片手に乗るは特急「ライラック」、これで旭川に向かう。温かい親子丼に舌鼓を打ちつつ、そんな親子丼の米が育ったであろう田んぼが広がる景色が印象的な石狩平野を北上する。北海道で大規模な稲作というとまだ違和感を覚えるような人がいてもおかしくないものの、北海道のコメ収穫量は新潟県についで全国第2位である。北海道の第一次産業というと畜産や漁業、じゃがいも・玉ねぎ畑のイメージが強いが稲作も全国トップレベルになっているのだ…と改めて認識をアップデートしているうちに旭川駅。今日のファイナルランナーが待っている。

キハ283「大雪」

網走行きの特急「大雪」、元々は札幌と網走を結ぶ「オホーツク」が1日4往復運行されていたのだがうち2往復が旭川でライラックと接続する「大雪」に変わり、昨今の情勢を受けて臨時化されてしまい、更には快速列車への格下げすら囁かれている。厳しい状況下にある列車だが、だからこそ応援したいという判官贔屓も否定し難い。
そしてここで使われているキハ283系、元々は石勝線特急(+一部函館本線)で運用されていたものだが、これまで筆者が乗ったのはスーパーおおぞら(当時)のグリーン車で釧路→札幌の1回のみなので普通車はこれが初めてだ。正直乗車時間が長いのもあってコンセントのあるグリーン車が恋しくもなるのだが、3両でしかも今や快速化すら候補に上がるような状況では確かに難しいのはあるだろう。一応臨時列車なのだが比較的混んでいるのはせめてもの救いか。

ここまで風を切ってきた顔
まもなく一休みも終わる
座席は半分位がそのまま

石北本線といえば遠軽でのスイッチバック、元々網走に至る鉄道は
・札幌ー旭川ー富良野ー池田ー北見ー網走
└現富良野線+池北線ルート
・札幌ー滝川ー富良野ー池田ー北見ー網走
└旧根室本線+池北線ルート
・札幌ー旭川ー名寄ー遠軽ー北見ー網走
└名寄本線ルート
という変遷をたどり現行の石北本線ルートに変化した。この三番目の名寄本線ルートで造られた遠軽駅に現在の旭川から白滝を経由してきたルートを合流させ、その後名寄本線は姿を消したのでスイッチバックが名残として残ったのである。今でもその名寄本線代替バスとして紋別・湧別方面へのバスが運行されている。
そんな遠軽駅で乗客の半分弱が下車、残った乗客は座席の向きを切り替えていくがほとんどは自分の席とその前の席を転換する程度のためここからは座席の前後が入り混じることとなった。

そんな遠軽駅を出て次の駅が生田原、そこを出て少しすると500mばかりのトンネルをゆっくりとくぐっていく。ここは石北本線最大の難所といわれた常紋トンネルで、工事にあたった労働者から100名以上の犠牲者が出た凄惨な労働環境が今でも語り継がれている。このトンネルを通る際には厳粛な思いを新たにする。

すっかり日も暮れた石北本線を列車はさらに走りトンネルをしばらく走って着くはこの地域の最大都市たる北見、ここまで来れば北見から網走の約50分もあっという間というところ。時間が時間なので網走湖は見えず真っ暗な網走駅に降り立つ。

長旅を終えた大雪号
留置されている気動車
夜闇の構内
到着した普通列車

網走駅ではしばしの写真撮影、すっかりH100型が増えたことを実感する。これまで当たり前のように走っていたキハ54もちょっとした珍客のような気がするくらいだ。そんなH100によって運転される普通列車を迎えたらホテルに向かおうと決めてそれまで構内を歩き回る。
青白い4つのライトが夜闇に浮かぶ、さっきまで乗っていた大雪号の後を追って北見駅からやってきた普通列車だ。ライトの多さに驚くが、確かに暗い中でこれだけ目立つと安全上も好ましい方法なのだろう。最新型電車の737系もこれに近い構造になっており降雪時の視認性を高めるように設計されている。そんな新型車両を見届けて今日のホテルは東横インオホーツク網走駅前。

割り当てられた部屋は特に希望などを出しているわけでもなかったがうれしいトレインビュー、列車本数は少ない駅だが入換を見ることができたのでなかなか眺めを楽しむことができた。朝食バイキングの内容もなかなかの充実。

H100型の入換作業

そんな朝の網走駅から旅を始める…のだが駅前にはちょっとびっくりするほどの人。おいおいまさか釧網本線に乗るんじゃなかろうな、単行のローカル線でそういったツアー客が押し寄せると車内は凄いことになる。釧路まで立ちっぱなしは勘弁してほしいところだが…

網走駅の発車案内
イベントの告知ポスター

しかしその心配は杞憂に過ぎなかった、多くの人々はスポーツイベントの参加者で皆定期列車の前に設定された団体臨時列車に吸い込まれていった。昨晩網走駅に留置されていたキハ54の3両編成はこのために来ていたのだった。

キハ54*3による団体臨時列車

編成は浜小清水方面から
キハ54 507 (流氷物語号)
キハ54 508 (流氷物語号)
キハ54 526 (一般色)
観光列車として使用されている流氷物語号を軸に据えた編成となっている。

そんな臨時列車を見送り、我らが釧路行きがやってきた。これまで何度か見てきたものの初の乗車となるH100型である、ファミリーのJR東日本GV-E400も乗ったことがなかったのでこの電気式気動車シリーズに乗ること自体がはじめましてとなる。

H100-55
しれとこ摩周号

慣れ親しんだ地元常磐線の車両を思わせる座席に腰掛けて発車の時を待つ、座席数の少ない車両とはいえそれなりに車内には余裕があるような雰囲気だったが結局発車が近づいてきた頃何やら団体客らしき集団が乗り込んできてたちまち通路まで大盛況。塩梅としては休日朝10時ころの常磐線上り列車といった感じか、流石にこの手の団体客が3時間乗るというのも考えにくくおそらくは知床斜里辺りまでだろうか。キハ54等なら座れていたかもしれないがご苦労さまなものである。

オホーツクの海

天気にはあまり恵まれていなかったものの5年ぶりに乗る釧網本線、網走から乗るならまずはオホーツク海が序盤のハイライトだろう。原生花園の景色と合わせて自然をじっくり眺めるひとときとなった。知床斜里駅で団体客が降り、ここからは線路も内陸を走るため車窓が大きく変わってくる。13年しか運行しなかった根北線はここから分かれて越川駅(計画としては根室標津駅)に向かっていた。
摩周湖や屈斜路湖等の観光地の付近を通るとはいえ、3km以上離れていると車窓としては大きな変化は無い。野上峠越えの区間ではあるものの今の強力な気動車にとっては大した問題ではなく走りは実にスムーズなもので林の中を駆け抜けて川湯温泉駅に滑り込む。

緑駅、ここから峠に入る。

網走からの釧網本線前半の見どころがオホーツクの海なら後半、釧路側は釧路湿原だろう。多くの観光列車が走ってきたような区間で、湿原の中を走っていく列車はこの地域の観光を語る上でも欠かせない。

湿原の中を駆ける
釧路湿原駅

多くの野生動物(エゾシカは他でも嫌になるほど居るが…)に出会える路線としても有名なこの区間、ふと外を眺めているとタンチョウらしき鳥が一羽いた。野生動物を目にしたのはこの釧網本線乗車では1回だけだったがそれだけに印象深い遭遇となった。
この辺りになると午前中に湿原を見ていた観光客によって列車はまた満員に、とはいえもう終点の釧路駅はもうすぐで混雑に辟易する間もなく左側から根室本線が迫ってきて釧路駅に到着となる。特急「おおぞら」まで15分程度の乗継だ。

発車を待つおおぞら号
再びのグリーン車で

一旦改札を出てコンビニや店を回って昼食を買い求めたらあっという間に発車時間だ、腰掛けてしばらくすると列車は札幌に向けて滑り出す。昨日の「とかち」より少し長い6両編成だがグリーン車に乗る限りは正直ほぼ変わらない。昼過ぎのグリーン車はあらかたの席が埋まり、自分含めて過半の乗客が昼食を摂っていた。ゆったりした座席はダイニングとしても魅力的ということか、グイグイと加速するもランチタイムを妨げるようなものではなかった。

馬主来沼を眺め
太平洋の波が迫ってくる

最初の停車駅である白糠を出てしばらく、様々なアイヌ伝説を産み出した汽水湖の馬主来沼が視界に飛び込んでくる。周囲にはヨシなどの植物が生息しており自然公園として、また牡蠣の一大生息地だった時代がある。
この付近は太平洋の海沿いを走る路線だが海が見える時間はそこまでは長くなく、特に線路のすぐそばに海が迫っているような区間はほとんどここだけとなると見納めというような気分にもなる。

追分駅の信号機

2日連続で追分駅に降り立つ、今度は乗継時間もあまり無く足早に跨線橋を渡ってやって来た室蘭本線…今後は苫小牧行きに。やはり余裕のある複線でゆったりと、そしてどっしりとした安定感で走るのはやはり不思議な気分だ。
苫小牧には18時過ぎに到着、少し写真撮影を行った後タクシーで今日の「ホテル」に向かう。

苫小牧に向かう室蘭本線
苫小牧に憩う737系
ここまで走ってきたキハ150

苫小牧では岩見沢までの室蘭本線の他に今737系が主力となっている東室蘭方面、日高本線、そして千歳線と多くの列車が行き来する。その中で一番賑やかなのは千歳線で特急列車や貨物列車、札幌への近郊電車が来るわけだがそうなると気になるのは新千歳空港スルー化だ。話が出てきてしばらくのところでそれどころではない状況になってしまい立ち消えかと思われていたが、今年になってから抜本的な高速化とセットで再び話題に上がり始めてきた。
個人的にはロンドン・ガトウィック空港へのアクセスを担うGatwick Expressのように札幌から新千歳空港を経て苫小牧まで走る列車が多くなればわかりやすく魅力的な気もする…等とつらつら考えていると目的地到着。

シルバープリンセス
太平洋フェリー「きそ」

今宵の宿は八戸行きの「シルバープリンセス」である。約3時間後の出航なので夕食に見学にとマイペースに楽しめる。展望デッキに上がると太平洋フェリー「きそ」が出港の時を待っていた。このフェリーは毎日苫小牧と仙台を結んでおり、2日おきに仙台から更に名古屋に向かう運航スケジュールとなっている。実はこの「きそ」にはちょっと思うところがあり感慨深い出会いとなった。

ジンギスカン

夕食は港にいるうちに摂ることとしよう、野菜も多いジンギスカンは充実した味だった。この後のシルバーフェリーは8時間半程度で着くため入浴の時間を考慮するとできるだけ「風呂入って寝る」だけに専念したいもの。また今回は通常の2等船室しか空きがなく、共用部にしかコンセントが無いのでそれを考えると早い目に起きて充電時間を確保したい…というわけで乗船したら荷物を置いて速やかに入浴、そして御船印を購入し一休みしたらベッドメイキング。

「伝統的」な区画
マットを広げる、寝心地はなかなか良い

これまで乗ってきた(といっても今年に入ってからだが)フェリーは全て個室のものだったが、ここに来て初の雑魚寝スタイル。身も蓋もない話予約が遅く個室が埋まっていただけではあるのだが、しかしなかなかどうしてゆったり休むことができた。ラウンジはまだ寝るには早いこともあって多くの人がいて大層賑やかだったがこちらの船室は自然と寝る人を尊重してくれている。

ついに出航
「さんふらわあ」を見送り

そして出航時間、1時間半位前に着いていたであろうさんふらわあに見送られる。あの船は大洗を未明に出て先ほど着いた便、大洗と苫小牧を結ぶ「さんふらわあ」は夕方出航で旅客向け設備が充実した便と深夜出航でシンプルな便が選べる。いつかは乗ってみたい便だがさてどうしようか。

MarineTrafficアプリから

出航から1時間程度でフェリーは早くも消灯時間となる。翌朝は早く5時前に入港なのだから寝た方が良いだろう、特に筆者の場合出来れば3時半頃にでも起きたいところ。リカバリーの手段はあるにせよ気楽にできるならそうしたい。そう思っているうちに意識は遠くなり、快い船のピッチングに抱かれたのだった。

曇る北海道をめぐり(後編)

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