見出し画像

【前編】みちのくローカル線旅

※この記事は下記記事のライブ参加の行き帰りの行程を書いたものです、ライブに興味のある方は宜しければ。

大まかな狙い

筆者がある程度遠い地域でローカル線の乗りつぶしを行う際、もちろん日程が許せばではあるがエリア単位で乗りつぶしを図ることが多い。北九州でいえば皿倉山ケーブルカーと筑豊電鉄に乗ったり、あるいは後藤寺線や日田彦山線(添田以北)、平成筑豊鉄道を一度に乗ったりといった塩梅だ。東北地方日本海側の由利高原鉄道、秋田内陸縦貫鉄道、弘南鉄道、津軽鉄道がいずれも未探訪だったため、行けるならまとめて行きたいと考えていた。

ここで上記のライブの予定が出来たことで乗りつぶしに加えてもう一つこちらはそこまで熱意を持って取り組んでいる程ではないにしても「出来れば国内の定期便就航空港をなるべく多く訪れたい(とりあえずJALグループ就航空港優先)」というテーマと組み合わせ、ライブ当日朝に東北新幹線で青森に向かって青森空港から伊丹へ飛び、ライブ参戦日は大阪泊。翌日伊丹から秋田空港に飛びそこから乗りつぶしスタートという行程を錬成するに至ったのである。

東北地方の空港は羽田便のみの庄内および大館能代を除くと大抵伊丹便(と札幌便)が多い。今回利用する青森および秋田空港は仙台や花巻といった東北新幹線が最も強いレンジから外れているので羽田便が定期で設定されているとはいえ、大宮駅が便利な筆者にとっては今回のような「行き帰りに大阪を経由する旅程」でもないと利用する機会を見出しにくい立地ではある。

↓東北地方の空港に羽田便が少ない理由に関する自由研究

ところでこのタイミング(7/20~23)でこの場所ということで、この旅程は直前まで秋田県内の大雨により成立が危ういものとなっていた。運行情報を確認しつつプランBなどの計画を練ったり、仮に不通区間を通るすべが代行バスのみだった場合旅程自体の大幅な変更も視野に入れていた。この場を借りて被害に遭われた方にお見舞い申し上げると共に1日も早い復興を祈念いたします。

千葉から大阪、1,400km

今日も今日とて平日早朝の大宮駅は様々な人がいる。今日ここから向かうのは東北新幹線の終点である新青森駅、久しぶりのはやぶさ号に気分も盛り上がる。

これは回送

思えばはやぶさにここまで長距離乗るのは4年前のゴールデンウィークぶりだ、ここ数年旅行先は西日本メインだったりあるいは東北新幹線に乗るにしてもやまびこを選んでいたので大宮仙台がノンストップで1時間だったり仙台盛岡に至っては40分というのも久しぶりのスピードになる。こんなに速いんだそうだった…

東北新幹線のスピードは国内の航空路線にも大きな影響を与えている。沿線の空港では福島空港、仙台空港、花巻空港、三沢空港、青森空港(+直通先の終点に近い函館空港)があるが前半3空港には通常羽田便が存在しない。直線距離で450km以上ある盛岡すら高速交通機関は新幹線が独占しているというのは世界的に見てもかなり異例でこの地方における新幹線の影響力をまざまざと見せつけられる思いだ。

更に北に向かう

大宮駅からおおよそ3時間で新青森駅に到着、列車はこの後北海道新幹線に直通して新函館北斗に向かうがここで私含め半分程度の降車があった。はやぶさは青森県および北海道アクセス用の列車というわけか、盛岡以北で停車駅が大きく変わるのがこの愛称の特徴なのでたとえば新青森止まりで盛岡以北ほぼ各駅停車というような列車だとまた違った様相を呈するだろう。

祭囃子のような発車メロディを聴きながらホームから降りて奥羽本線ホームに、ここからはピンクの701系で青森駅に向かう。思えばこの車両も久しぶりだ。

奥羽本線701系

新青森から青森駅は1区間、鉄道好きであれば連絡船時代の面影に思いを馳せている内に着いてしまうだろう。

定番の構図?

実は時間にあまり余裕がない。10時少し過ぎに着いて、搭乗便に間に合うバスは1時間半後といったところ。撮影もそこそこに食事を済ませておきたいわけだが目星はきっちり付けている。近くの商業施設「アウガ」に向かい地下に入り、そこの食堂「丸青食堂」で中落ち丼とホタテのバター焼きも頼んでしまった。

中落ち丼とけの汁
ホタテ

海の味を堪能ししばらく市場内を散策、売られている魚の大きさに驚嘆したらりんごジュースを飲んだりと…さて、時間も近付いてきた。駅に戻るか。

空港行きバス

空港まではJRバス東北で、Suicaが使えるのもありがたいポイント。そして空港に着いたのだが、ここは展望デッキの柵がデッキから幾分か離れており写真を撮る上では宜しくないことには要注意。一応記録程度にと撮ると…

搭乗機の記録
駐機しているとこんな

ともあれ伊丹行きのJ-AIRの搭乗口に向かう。エンブラエル機はFDAで複数回搭乗したもののJ-AIRとE190は共に初めてで、しかも今回はこのような小型機では少々珍しい上級クラスのクラスJの利用、初めて尽くしの搭乗と相成った。元々エンブラエルE-Jetシリーズはエコノミークラスでも2-2席配列だがクラスJでは更に1列減って搭乗口から向かって右側が1人席の1-2席配列となる。ちょうど在来線特急列車などのハードが豪華なグリーン車のような雰囲気だ。飛行機だと隣に席がない独立した座席は割と珍しい、この便ではクラスJ利用者は筆者含め全員個人で1人席が満席なのに2人席はガラガラとなっていた。

クラスJ1人席

飛行機は新潟まで概ね日本海沿いに南下していく、道中何ヶ所か大きな河川が海に流れ込むところでは川の水が茶色く大雨の影響が色濃い。新潟の市街地を眺めて更にしばらくした辺りから信越本線や中央西線のルートを通り、一旦伊勢湾に出てから近鉄大阪線に沿って降下していく。着陸直前にはあべのハルカスや大阪城、梅田のビル街を眺めて降りていき…

大阪城や淀川を眺め
離陸する鬼滅の刃ジェット3号機

伊丹空港A滑走路には鬼滅の刃ジェット3号機が離陸しようとしている様子を見ることができた。伊丹空港はこれで2回目、少しスポッティングでもしていこうか。

JAL国内線用787-8
こちらはA350-900の3号機と
J-AIRのE170
ボーイング737-800
こちらは別の鬼滅の刃ジェット

翌日も伊丹空港でスポッティングの時間が取れたのでこの日は控えめに、一通り撮影したらモノレールと阪急を乗り継いで梅田に出てから御堂筋線で日本橋に出る。この後のライブ参加に備えてトンテキ定食をいただきこの後のホテルに、今日のお宿はドーミーインプレミアムなんば。

ライブ遠征とドーミーインは実に相性がいい、部屋のシャワーでここまでの汗を流してから着替えて会場に赴き、帰ってきたら夜鳴きそばが待っている。大浴場で入浴もできる、翌朝の朝食では現地の味を楽しめる…少々値は張るもののここまでの体験を得られるならばパフォーマンスとしてはかなり良好ではないだろうか。

スッキリした装いで海沿いの会場に向かうべく地下鉄に乗り込む、大阪の碁盤目状の地下鉄網は乗継を使いこなせばどこにも効率的に行けるのが好ましい。大阪港に向かうべく中央線に乗ろうとしたら…

ちょっと後ろ側から
クロスシート
かろうじて撮れた外観

顔があまりうまく撮れなかったけど、これ新車の400系じゃん…だんだん空いていったのでこれ幸いとクロスシート含めて乗車、まさか乗れるとは思ってなかった。
大阪港に行く理由は天保山公園からの渡船、これで桜島に強襲揚陸(笑)しようという魂胆だ。おっとその前に…

ここが山頂
天保山公園を見ながら

天保山単独登頂達成!…そして渡船で桜島側に。ここからは歩いてZeppに向かい、以降は上記の記事の通り。

千日前線ホーム

帰りはJR桜島線で西九条そして野田駅、千日前線経由で帰り。皆さんお疲れ様でした!(この後上海に行ったキャストさんとスタッフさんの方がきっと遥かに大変…)

余談:1日に
・航空機
・高速鉄道
・普通鉄道
・地下鉄
・モノレール
・バス
・船
ここまで様々な乗り物に乗ってライブに行くという経験はさすがに初…

勝利の味

北のローカル線に向かう

ライブ疲れなのか移動疲れなのか、起きてみれば8時ころ。のそのそと朝風呂に赴き寝汗を流す。今回の滞在では宿泊客の多さ、特に外国人観光客が印象的だった。といっても不快感を感じたこともなくサービスの提供にも支障なかったのだが、そうかここで観光需要が戻ってきているのか。

朝風呂からの美味い朝食、ドーミーインでの必勝パターンなわけだがこれをたっぷり満喫出来た。朝から海鮮丼だぜグヘヘ…(22時間前に食べたものを思い出すべきだろう)。

VVVFロゴ、30000系にもあるのを初めて知った
地獄への道は善意で(以下略)
今のうちに撮っておく

御堂筋線で新大阪駅に、ここからはバスで伊丹空港に向かう。行きと違うルートを使いたかったに尽きるのだが、道路事情でちょっと遅れ。どうせ午後の便なのだからそこは問題ないのだが運行する側も大変だ…と言いつつバス待ちの最中は伊丹空港にアプローチする飛行機が見えてなかなか面白い。

シルエットは…747?

およそ20時間ぶりの伊丹空港、2時間以上スポッティングの時間が取れる。ホテルで朝食を摂ってきたのでたこ焼きなどは次回またとなるがフードコートが多く営業している様子を見るのは初めてだ。

昨日ぶりの鬼滅3号機
ANAのA321neoと737-800
J-AIRのE170
同E190
プッシュバック中のJAL787-8
JACのATR42と
787-8並び
やってきた機体も1時間も掛からず東京に戻る
みぞか号到着
プッシュバックが終わった787-8
続いて羽田からやってきたJAL Colorful Dreams Express

先日福岡で見掛けたDisney100に続き魅力的な機体を収めることができた、いやはや有難い…
ところでこの日は引き続き暑い一日となった、タリーズコーヒーでこのようなものを買いつつ撮影していた。

氷が爽やか

時間も近づき保安検査を通過、秋田行きが待つ搭乗口へ向かう。

搭乗中のみぞか号
秋田行きのE170
先程のC.D.Exp.

直前の着陸機からバードストライクの報告があったとのことで少し足止めを食らったものの無事離陸、行きと逆のルートを辿り秋田に向かう。海側からアプローチして着陸すると秋田空港だ。バスに乗って秋田駅に行くがこの日の時点では奥羽本線の大曲ー秋田は運休中で秋田新幹線利用がOKという状態、ところが本来秋田駅から羽後本荘に向かい由利高原鉄道に乗ってから秋田に戻り大曲のホテルという予定が破綻してしまった。この時間から矢島まで行って戻ってくると秋田新幹線の終電が終わってしまっているのである。翌日の内陸縦貫線に最適化した宿泊地設定が仇となってしまった。

こうなるとそもそも由利高原鉄道に旅程全体で乗れるのかという危惧が発生する、出来れば今回一気に乗り潰してしまいたいのだが…結論としては翌朝まず由利高原鉄道に向かい午後に内陸縦貫線を目指せば大曲ー秋田を24時間で1.5往復する非効率的な旅程にこそなるが問題なくクリア出来ることが確認できた。

ひとまず翌日の旅程が概ね固まったところなのでだいぶ早いが今日はもうホテルに落ち着こう、乗車券だけを買って秋田新幹線改札口に向かい大曲に向かうと申告すると下のような紙を渡される。

業務連絡書

普通列車が運行出来ないが特急列車が運行できるという状況のため、正当に普通列車を利用する権利を持つ人は特急列車への便宜乗車を行うということに。なおこの紙は下車時に回収され、おそらくは別の乗客に再度渡されるのだろう。COPYと出ているところから察して写真に収めておいてよかった、いったいこの区間を何往復するのだろうかと思いながら。普段であれば701系の快調な走りを大いに楽しめる区間なのだが今回はE6系のよりスムーズな走りに身を委ねる。復旧現場を徐行しながら通り過ぎ、ものの30分程度で大曲駅に。

新庄行きN22編成
同クモハ側

新庄行きを撮影したら早々と改札を出て翌日使用のきっぷを予め買い求めておきコンビニに、夕食を調達して早々とホテルに入る。今日のホテルはルートイン大曲駅前、駅数分のアクセスの良さが大変使いやすい。そして夕食は秋田県の名物駅弁、大館駅の花善による鶏めしとした。これで英気を養い、旅の後半戦である北東北私鉄乗り潰しを進めていこう。

比内地鶏の鶏めし

(後編へ続く)

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?