気胸で入院手術したので振り返って記録する

こんにゃく。

気胸という病気になり、約3週間の入院、そして手術をしたので、思ったことなどを書いていこうと思います。

いつもは旅行の記録をしているnoteなので、入院の話を投稿するのはどうだろうと悩みましたが、せっかくなので後世に語り継ぐべく記録しようかと。さくっと端的に振り返ります。



〘気胸とは〙

大馬鹿な私には詳しいことが分からないので、ものすごく大雑把に説明します。
肺に穴が空いてしまう病気です。そこから漏れた空気が胸腔内(肺が収まっている空間)に溜まり、肺を圧迫してしまうのです。
なので、肺が萎んでしまって、息苦しさや胸部の痛みなどが症状として現れます。
気胸になる原因は色々あるみたいですが、私は「自然気胸」といって前触れもなく突然穴が空いてしまいました。なんじゃそりゃ。
発症しやすい人の特徴として、痩せ型で高身長の男性に多いみたいです。私はガリガリの棒人間のような体格なので、ドンピシャに当てはまっています。

慶應義塾大学医学部呼吸器外科HPより



〘入院に至った経緯〙

ある日突然、歩いたり呼吸したりすると胸の辺りが痛むようになります。違和感を感じながらもその日は出勤し、何事もなく1日を終えます。
寝たら治るやろ、と思っていたのですが、翌日になっても症状が改善されなかったので、午前中に近所の病院へ。

問診とレントゲンを終えると、先生から「肺が萎んでしまっている。気胸だわ」と診断されます。大きい病院に行きなさいと紹介状をゲット。

その紹介状を持って病院へ。すると、なんということでしょう。手術台に寝転がってすぐに治療開始。
胸腔ドレナージという治療です。脇腹を切開して、そこから胸腔内に太い管をぶっ刺します。肺から漏れ出た空気を管を通じて排出させるのです。局所麻酔だったので、痛みはない(麻酔注射はふつうに痛い)のですが、内部でグリグリと管を入れられている感覚がハチャメチャに伝わってきて、とても気持ち悪かったです。まさかそんなにすぐ、治療されるとは思わなかったので、あまりにも急展開にビックリ、すごく怖かった。

そしてすぐに入院。
この時の管はずっっとぶっ刺さったまま、吸引器みたいなのに繋がれた状態(点滴みたいに自由に動かせる)で、入院生活を送ることになります。

〘入院生活〙

基本的には、肺の穴が自然と塞がるのを一週間くらい待ちます。それでも塞がらなけらば、手術を検討するという流れです。私は10日経っても穴が塞がらなかったので、手術のため転院しています。

脇腹に管がぶっ刺さったままなので、基本的に動くと痛い。特に朝。一度、ベッドから身体を起こせないレベルで痛かったときがありました。
そして、地味に辛いのが、管が刺さっているので寝返りが打てません。はい、腰死亡。
でも、痛み止めの効果とかもあって、じきに痛みはおさまります。治療して3日くらい経てば、もう平気です。動くと少し痛む程度。その痛みにも慣れてきます。

傷口が少し痛む以外体調は良いので、メッチャ暇。それが良いのか悪いのか分かりませんが、ずっと病院の中にいるのは窮屈かつ退屈。
ベッドの上で読書、動画見る、ネットサーフィン、寝る。談話室の椅子に腰掛けて外の景色を眺める。それくらいしかやることがありません。シャワーも上半身は洗えないので、満足に洗えません。毎日シャワーできるわけじゃないし。はあ、やることない暇だなあ。

外出したい。外の空気を吸いたい。散歩したい。吸引器付いていて傷口が少し痛む以外は元気な状態なのに(元気といえるのかわかりませんが笑)、外に出られないことが苦痛です。窓から寿司屋と焼肉屋を眺めながら、よだれを垂らす毎日でした。

毎日の楽しみは食事

穴が塞がるのをひたすら待つのみなので、退院の日程とかが予測不可。私の場合は、全然穴が塞がらないし、手術になるとしても転院しないとだし(この病院だと手術できない)、転院先のベッドの空き状況等ですぐに転院が決まるわけじゃない、とかの要因で入院生活①が10日間もかかってしまいました。一体いつになったら……と。
※軽度の気胸ならば、一週間前後で退院できるそうです。


〘転院〙

10日目、奇跡的に転院できることに。
その日の10時頃に「今日の午後、転院できるよ」と朗報が飛び込み、急いで支度し、転院します。翌日から土日になるので、このタイミングで転院しないと待機時間が延びるリスクがあったのです。
管はぶっ刺さったまま、吸引器と荷物とともに、救急車で移動。胸の痛み以外は元気なので、その状態で救急車に乗るのは不思議な気分。退屈な入院生活から転院という展開が起きたことと救急車に元気な状態で乗ることで、少し興奮というか楽しいというか。貴重な経験。てか、こんなにも急に転院とかできるんだと驚き。

手術の日が、転院した日の1週間後なので、それまで待機です。はあ。長い。

入院生活については、病院が変わっただけで、基本的には同じ。つまり、暇です。レントゲン撮ったり、シャワー浴びたり、ご飯食べたり。することはそれくらい。もちろん、寝返りも打てません。腰死亡。早く帰りたすぎる。あ、ご飯が前の病院よりも少しだけ美味しかった。いや、そんなことどうでもいい。本当に早く退院したいです。

〘手術〙

手術前日の夕食後から、絶飲食になります(os-1は最低2本飲まないといけない)。点滴も開始。いよいよ手術が迫ってきたのだと緊張。
で、手術前日に大変だったのが、採血と点滴の針を刺すのに、それぞれ一回ずつ失敗されちゃったんですよね。痛いねん。それと、お昼に下剤を内服したので、寝るときにお腹が痛くなって、寝付くのがかなり遅れました。手術前から、嫌なことが続きます。勘弁してくれいと思ったのですが、そんなことどうでもよくなるくらい、手術後が辛かったのです。。。

脇腹に切れ込みを入れて、肺の穴を塞ぐ手術。再発予防として、肺の脆い部分にシートを被せて破れないように保護します。私の場合は、過去に炎症を起こしていたとかなんとかで、肺と胸腔膜の部分が癒着していて(癒着していないのが正常)、その部分を剥がす必要もあるらしいです。

手術当日、手術台に自分で寝転がります。血栓防止のストッキングを履かされ、酸素マスクを装着。
点滴の管から麻酔の薬を投入され、その箇所がツーンとするなあと思いながら、10秒ほどで急速に意識がぶっ飛びます。なので、痛みなどは全く無し。

麻酔が完全に切れるまで、ほとんど意識がなかったのですが、目覚めたときの第一声が「ラーメン食べたい」だったらしいです。先生が笑いながら教えてくれました。あまりにも間抜けな感じで恥ずかしい。病室のベッドに運ばれ、そこで両親が「じゃあ、帰っちゃうからね〜」と私に声をかけていたのが、ぼんやりと覚えている程度。全身麻酔って本当にすごい。本当に記憶がありません。


〘術後〙

本番はこれから。術後が地獄でした。
目覚めると19時頃。それほど傷口に痛みを感じません。が、なんだか不快な感覚。吐き気というか、熱っぽい。でも我慢できる程度で、また目を閉じます。で、再び目覚めると、なんと1時間ほどしか時間が経っていません。汗がドパドパ出て、全身がダルい。不快感が強く、なかなか寝付けません。で、やっとの思いで寝付けても、すぐに起きてしまう。
その繰り返し。起きる度に、身体の調子が悪くなっていきます。呼吸すると肺が痛み、吐き気も強くなっているのです。そして、全然時間が経過しない。永久にこの苦しい夜が続くのではないか、という絶望感。

なんとか朝を迎えます。
傷口の痛みはそこまで激しくありません。とにかく倦怠感と吐き気がマックス。とにかく気持ち悪い。全粥の朝ご飯が出されます。当然食べられるはずもなく、何度も吐きかけます。全身から汗が出てきます。本当に勘弁してほしい。

で、昼前に脇腹に突き刺さってる管と尿管カテーテルを抜いてもらいます。これがびっくりするほど簡単に抜けるのです。病室でベッドに横になり、先生の「吸って、吐いて」の合図に合わせて呼吸すると、ズブズブと管を引き抜きます。エグいて。ですが、それほど痛みはありません。2週間以上刺さっていた管が抜けたことの感動がすごい。で、看護師さんに尿管カテーテルを抜いてもらいます。こっちは、やや痛い。でも一瞬。なんだか不思議な気分です。管が抜けたことにより、なんとなく身体が楽になりました。ですが、吐き気はおさまらず。

お昼については、食べる前に我慢できずに吐いてしまいました。吐いて少しスッキリしますが、それでも吐き気は続きます。
歩くリハビリ(リハビリというほどのものでもない)も始まるのですが、それが自分でも驚くくらい、疲れます。歩くだけなのに! 吐き気もあるし、体力が落ちているから、数歩歩くだけで息切れ。

ですが、夜になるにつれて、徐々に症状も落ち着いてきます。

翌日以降についても、傷口の痛みや倦怠感などはありますが、それも少しずつ回復していきました。

というわけで、手術して三日で退院。はやっ。

〘退院後について〙

私は退院後2週間自宅安静しました。主治医の先生から、休めるなら2週間は仕事は休んだ方がいいと言われたためです。

どうやら、治療した肺がある程度回復するのに1か月はかかるみたいで、特に2週間は穴が空きやすいほどに脆い状態のようです。とっても再発しやすいというわけです。
さらに、感染症にかかると、肺を保護しているシートを取り除く手術をする必要があるので、ある程度肺が完成するまでは安静にしてほしい、人混みには行かないでほしい、とのことでした。

2週間は長いなあと思いましたが、主治医の先生からお願いされて、しかも再発の可能性が非常に高いって言われれば、ね。仕事休むほかありません。

退院後1週間は、ほんの少しの距離でも歩くと疲れやすかったり、肺の違和感が強く感じたりしました。ですが、2週間目については、肺の違和感は残っていますが、もう85%通常通り。全然元気。

とまあ、退院後については、ざっとこんな感じ。
2週間経っても完全に元通りの状態にはなりませんでした。肺の違和感が残ります。走ったり運動したら穴が空くだろうなあと、なんとなく感じ取れるくらいには肺は不調です。


〘おわりに〙

「おわりに」とか、総括的な雰囲気の見出しですが、そんなたいそうなものではないです。ただの感想というか愚痴というか。

とにかく、ふつうに最悪な出来事でした。
入院生活、長かったなあ。三週間。。。で、そこから自宅安静2週間。自宅安静は図書館に通い詰めたりしていたので楽しかったですが、入院は辛かったです。退屈で窮屈、外にも出られないので、早く退院したいなあと思う毎日でした。
主な原因は、私の治癒能力の低さ故に、自然に穴が塞がることなく10日間も一つ目の病院で入院したこと。軽度の気胸ならば、一週間で自然治癒するはずなのに。そして、その病院で手術ができないので、転院して、そこから更に1週間、手術まで待機したこと。主にこの二つの要因が、入院期間を長引かせました。
なので、私は合計1ヶ月、仕事をお休みしました。私は仕事が大嫌いだし行きたくないけれど、さすがに休みすぎ。まさかここまで休むことになるとは。仕事復帰初日の行きにくさを考えると、恐怖で震えが止まりませんね(この記事は自宅安静時に書いてます)。

あと、怖いのが、再発率の高さ。今回は左肺でしたが、今度は右肺が気胸になるかもしれません。また左肺に穴が空くかもしれません。恐ろしすぎる。発症する原因も不明ってのが、困りもの。対処しようがありません。また穴が空いたら、この苦痛を再度味わうのかあと思うと。。。

私のようなガリガリに痩せている若い男性は気をつけてください。私も頑張るので、デブ活しましょう。お米食べるぞ!


おわり

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