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音癒

自閉症の長男の才能を伸ばしたくて、集団療育とは別に個別療育を受けてきた。
手先の器用さや、読み書き、計算は他の子よりも優れていた。でも、コミニュケーションだけはいつまでとっても思うように伸びなかった。

他の2人の子も、自分のしたいと思う習い事や、行きたい塾に通わせていた。長男にも同じように習い事をすべく、コミニュケーションにいいのはなんだろうと考えた結果、音楽療法をすることにした。

調べた結果、音癒という音楽療法の先生に行き着いた。
ありがたい事に出張で来てくれて家でレッスンをしに来てくれた。習い事の送迎は親にとって結構な負担なので凄く助かった。

最初は、様々な楽器を先生が持ってきてくれて、先生と一緒に奏でていた。その一環で楽譜を読ませると、ドレミファソラシドをト音記号、ヘ音記号共にすぐに覚えた。先生からピアノに変えませんかと提案され、ピアノを習う事にした。

ゆっくりではあったが、弾けるようになった。何よりすごいのは、先生が普通の子のように厳しく教えてくれる事、このコミュニケーションを、皆んながしてくれたら、もしかしたらもう少し伸びていたかも知らないというくらい、本当に、親の前にも関わらずスパルタで教えてくれた。

子供の才能を伸ばすことって本当に難しい。
娘は、小さい頃からバレエにピアノを習って10年以上してきたけれど、才能があるかと言ったら最初から、それはなくて趣味の一環と思ってやらせていた。
その後、少しだけモデルクラブに所属していた時、演技が上手いと言われていた。素人レベルだらうと思っていたけれど、もしかして本格的に演技を習わせていたら華開いたかもしれない。
もしもは、子育てにつきものだ。

音癒のレッスンは10年以上続いている。
年に一回発表会がある。毎年息子は出ているけれど、障がいのある息子が、発表会に出させてもらっている事にも感謝だけど、毎年の確実に進化していっている。息子の演奏を聴いて、その見た目からの演奏をびっくりして聴いてくれている人もいる。

自閉症のピアニストとメディアに報道されている人ほど全く上手くはないけれど、少人数でも、この子がこんな演奏できるんだと思わせてる息子も、私にとっては誇りだ。音癒の名前の由来通り、息子の演奏は私に癒しをくれている。

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