ジャイアンを優しいジャイアンにした方法。

社会人1年目の私は強かった。

入社した会社には
見た目も性格もジャイアンに似た先輩がいた。

ときより出てくる優しい方のジャイアンではない。

カバンの中身をひっくり返す

電話に出られなかったら、
会った瞬間ゴミ箱に捨てられる

「辞めさせる」と言われ続ける

社会人1年目の不安が渦巻く中での出来事。

即辞めてもおかしくない。

見た目もジャイアンだから常に威圧感MAX。

ただその時の私は、心から気にしてなかった。

何より憧れの業界で憧れの自分になることに夢中だった。

そんな先輩1人で辞めてたまるか!とも考えていた。

笑って常に対応していた。

それが気に食わなくてエスカレートさせていたような気もするが...。

周りが心配するほどでもあった。

気にもしてなかった自分を讃えてあげたい。
偉い。少しは気にするべきだったかな。



ただ、ジャイアン先輩とは2年目以降仲良くなった。

結婚式にも呼ばれたし、生まれたベビちゃんにも会ったりするほどに。

なぜ仲良くなったんだっけ?

そのきっかけはしっかりと覚えている。

偶然帰り時間が同じタイミングだった日。

(うぁーいやだぁー笑)

と思いながら一緒に駅まで歩いた。

駅の入り口に到着した時。

よく分からないが、勝手に口が動いた。

正しかったのはきっと「お疲れ様です。」だ。

しかし、真っ先に出た言葉が「私、先輩のこと嫌いです!」だった。

こわ...明日からもう会社行けないかも!
なんて心配もせず続けて。

「でも、先輩仕事はできるからついては行きたいんです。でも。嫌いです!」

この時の私はただ「嫌い」と伝えたかったらしい。

辛いなんて感じてなかったのに。

初めて私は泣いてた。

先輩が戸惑いながら鼻セレブを出してくれたのを覚えている。

その日を境にコロッと優しくなった。
むしろ仲良くなった。

優しいジャイアンが誕生した。

私は「嫌い」を伝えたつもりが、「仕事はできる」「ついていきたい」という素直なワードが刺さったのかも。

未だに要因は、分からない。

その後先輩は社内結婚をした。

とても綺麗で穏やかで先輩には勿体ないくらいのステキな女性。

1つ私は先輩に謝らなくてはいけない。

「〇〇さんに話聞いてきて!」などキューピッド的な役割をしていた私。

「おっけいでーす!」と引き受けていたけれど。

私は全力で「やめた方がイイですよ〜」なんて話していたこともありました...。ごめんなさい。

そんな私の悪行叶わず、無事にゴールインして今も幸せに過ごしている先輩。

今となっては良い思い出だ。

ジャイアンのような先輩。

滅多にいないと思うけど、もし悩んでいる人がいたら。

仲良くなるにはぶつかり合う。

映画のワンシーンにある殴りかかるのび太のようなイメージで。

お試しあれです。

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