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新緑越しの若者が眩しかった

今日は気持ちの良い晴れの日。
新緑越しに学生を見た。

友達と笑いながら並んで歩く姿。
大きなリュックを背負って歩く後ろ姿。
部活のユニフォーム姿で自転車を漕ぐ姿。
好き同士で手を繋いで歩く姿。

学生服の青みがかった白シャツと、夏を予感させるような陽射しでキラめく新緑のコントラストが心地よく胸を締め付けた。

彼らのこれからには無限の可能性がある。
なんとも眩しい。

私も当時はあんなだったのだろうか。
あんな輝いた笑顔をしていただろうか。

一応、将来の夢みたいなものはあった。
みたいなもの、と言うのには訳があって。
今となってみるとそれは夢や希望ではなくて、傲慢や怠慢だったように思う。

もっとしっかり自分の本質と向き合っていたら。
もっと自分の可能性を信じて、しっかり行動していたら。
何か変わっていただろうか。

今の記憶を持ったまま、過去をやり直せるとしたら。
失敗だったと思っている事を回避するのだろうか。
だとすると、その失敗によって得られたものや人との出会いを失ってしまうのか。

それは“より良い人生”なのだろうか。

なんとなく、くらいならツルまなくていいやと勇気を出して一人を満喫する学生になってみる。
とすると出逢えなかった今の友人もいる。

親に心配をかけず、慎ましい学生をしようか。

いずれあいつと出会い面倒な恋愛をして灰となり、自分を見失う合併症を引き起こして荒くれる。
これらを回避出来たとして、私はモコちゃんと親友と呼び合えるまでに心を砕ける人間になれただろうか。

今の会社に流れ着かず、就活をしっかりして最初から自分に合った職種に就いていたならば。
私に働く意味をくれた前課長、癒しの先輩方や戦友のような同僚には出会えなかった。

色んな嫌な事があったのだけど、それらがあったからこそ今の私がある。
なんだかんだと言ってみても、今の自分で幸せだ。
早いうちに分かる人もいるのだろうけども。
私は大きく遠回りした末に、40歳を過ぎた今やっと自分の本質と向き合っている。
遅い気付きなのだろうが、それが私。

仕方ないな。
もう一度やり直すとしても。
あの子達となんとなく楽しげに高校生活をやり過ごして、あいつとまた出会って灰となってやろうじゃないか。
自分の本質を見誤り、荒くれた日々を送ろう。
また同じ会社の求人に応募して、バカげた環境をみんなと助け合いながら乗り切ろう。

まぁ、あれをもう一度なんて真っ平御免だ。
やり直すなんて考えず、これからを楽しむのみ。
なんて考えてみたら、今日のあの子達と変わらないじゃないか。
なんて思った青春中の中年。

明日も自分を楽しもう。

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