休日のショッピングモールでは完全アウェイな独身
友人とその子供と過ごした、とある休日のこと。
ショッピングモールにて。
駆け回るお年頃の友人の子を拘束すべく、子供を挟んで両側から手を繋いで歩いていた。
通信系の販促キャンペーンブースを通りかかろうとした時に、それは起きた。
若い男性スタッフが陽気に我々に話しかける。
「お母さん方、どうぞ〜」
と言いキャラクターデザインのミニボックスティッシュ1個を渡してきた。
子供が喜んだので思わず受け取ると、彼は軽快に話を続けた。
「今どちらの携帯会社のをお使いですか〜?」
友人がキャンペーン中の会社とは違う会社を答えながら歩き去ろうとすると、逃がすものかと言わんばかりに今度は私に話しかけてきた。
「奥さんの方は?」
さて、間違いがたくさんあるのだが。
まず、私は未婚であり子供もいないので「お母さん」ではない。
同じ理由で、誰の「奥さん」でもない。
そして、違和感を一番感じたのは。
「お母さん方」とわざわざ言って渡してきたボックスティッシュは友人にだけ渡されたところを見ると、どうやら我々は同一世帯だと思っている。
さらに、最後に私に「奥さん」と呼びかけた時の“分かってますよ”とでも言いたげな、したり顔はどうやら我々を同性カップルと思っていた。
私は婚姻制度に反感は全くないし、同性婚にも大賛成だ。
そして、本人同士が納得しているならば戸籍に拘らず人生のパートナーとして生きる生き方も素敵だと思うと同時に、同性異性に関わらずそれらに関する様々な法整備が進むことを望んでいる。
何が今回引っかかったかというと、成人した人間が2人いると恋愛関係で、そこに子供がいれば家族だと決め付けられたことだ。
我々を見て、なぜ友人同士だと思わなかったのか。
きっと彼の中では、同性カップルはあり得るし受け入れている、もしくは受け入れなくてはと思っている。
しかし、いい歳をした人間が未婚であるはずはないという概念があるのだろう。
私は、少なくとも彼の世界ではあり得ない存在らしい。
どうにも解せぬ。
が、しかしそれも今の世の中での現実である。
まあ、そんな人がいることも含めて「多様性」というものなのか。
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