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【読書記録】上田比呂志『日本人が知っておきたい心を鍛える習慣』【感性を高める努力】

老舗料亭を実家に持つ筆者が、三越・ディズニーでの仕事の経験、華々しい職場を退職して両親の介護をする中での葛藤。
そういった経験に基づいて書かれた、生きていく中で持っておくと良い心がけについての本です。


サービス業を生業にされていたからか、内容が腑に落ちることばかりでした。
私もこれまで色々な会社で働いてきましたが、全般通してサービス業であったと思っています。
なので、共感することも多く、人生の先輩の経験からの言葉で、「やっぱり間違っていないんだな」と思えて嬉かったです。
そして、筆者のようにこれまでバリバリ現役で働かれていた方も、色々な事情でその職を辞めざるをえないことがあると思います。
その職が無くなった時、「ただの自分」に戻り、さて、これからの「自分」はどう生きれば良いのか、と悩む。
それは誰にでも起こることなのだなと感じました。
人生の主軸を「仕事」とすると、それが挫けた時に絶望してしまいそうで…。
別の主軸を見つけ、「仕事」以外の軸を、目標を、生きがいをつくることの大切さを実感しました。


以下、心に残った部分を引用します。

 人間は考えたようになっていく。
 言い方を変えれば、考えたようにしかなれないということです。

p.55

 これは現在でも変わらない真理であって、周囲の人を喜ばせる仕事ができていない人は、本当に苦しいときに味方になってくれる存在を持てずに、どれだけ能力があっても、いつかしっぺ返しを食らってしまうように思えてなりません。
(中略)
 会った瞬間に人を魅了するということは、スキルでは成し得ません。
 長年の積み重ねによって、ご自身の生き様の中から滲み出てくる「味」なのです。
 徳を積まなければ、そのような味は出てきません。また見方を変えれば、このような難しい時代においては、徳を積むこともビジネスのスキルであると言えるでしょう。

p.62~63

 自分自身が完璧な存在になれないために、どうしても好き嫌いで考えてしまうことも、絶対にないとは言い切れないでしょう。
 そして、だからこそ、その人の才能を見出し、敬意を抱く必要があります。「自分とは肌が合わないが、こんなところは凄い人だ」と視点を変えて見てみるのです。
 そうすれば、感情で失礼な接し方をすることを避けられます。これが心を鍛えていくことにも繋がるのです。

p.165~166

 自分の人生は自分しか生きられません。
 どれだけ理不尽なことであっても、自分自身が諦めた時点で終わってしまいます。
 結果として、そのときどきの赴任先での努力は、私の人生においてたくさんの引き出しを作ってくれました。

p.198


私のこれまでの人生も、様々な経験も、必要だからこそ起きたことであり、全てが引き出しになっていると思って生きていきたいと思います。

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