見出し画像

【読書記録】ちきりん『自分の時間を取り戻そう ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方』【人生の方向転換】

「生産性」
よく聞く言葉ではありますが、本当の意味の言葉の理解ができていなかったと本書を読んで感じました。
どうにもマイナスな印象を持っていたように感じます。


日々の生活、あまりに時間に追われている人が多いと思います。
私は追われているというか、時間を上手く使えていない、気づけば時間が過ぎているということがあまりに多いです。
なんとなくスマホを見る、なんとなくYouTubeを見る…。
それで何時間も過ぎてしまって、せっかくの休日が終わる。
平日は仕事に追われ、疲れ果て、計画的に過ごさないと何もできずに人生を消費してしまっていると感じていました。
本書を読むことで「自分の時間を取り戻す」ためにどうすればいいか、そろそろ真剣に考えなくては…と強く思いました。

以下、心に残った部分を引用します。

 生産性とは「時間やお金など有限で貴重な資源」と「手に入れたいもの=成果」の比率のことです。(中略)「希少資源がどの程度、有効活用されているかという度合い」だと考えてください。

p.27

 このように、「今、自分が手に入れたいモノを手に入れるための、もっとも生産性の高い方法はなんなのか?」と問い続けていれば、なにをするにも生産性がどんどん高くなります。手に入れたいのが物理的なモノだけではなく、「安らぎ」や「気分転換」であったり、「革新的なアイデア」や「ユニークな発想」であっても同じです。

p.69

 ひとつのことに集中せず、脈絡なくいろいろなことに首を突っ込む人について、「生産性が低い」と考える人がいますが、それは誤解です。生産性とは集中度のことではありません。生産性とはあくまで「自分が手に入れたいもの」をいかに少ない投入資源で手に入れられたか、という指標です。

p.72

 この話は、これからなくなる仕事となくならない仕事の違いを私たちに教えてくれます。なくなる仕事の多くは人工知能やロボットによって代替されるわけですが、それらは必ずしも「自動化しやすい仕事」ではありません。
 そうではなく、淘汰されるのは人工知能やロボット(以下”キカイ”)が担当したときと、人間が担当したときの生産性の差が極めて大きい仕事です。今は人間がやっている仕事で、それをキカイに担当させれば一気に生産性が上がる――そういう仕事から順にキカイに置き換えられ、その結果が社会の高生産性シフトにつながるのです。

p.91

 お金と時間は個人にとってもっとも貴重な資源です。だから(そのどちらがより重要かという、前節での話とは別に)そのいずれについても、できる限り大切にすべきです。
 そして時間を大切にするためにもっとも気をつけるべきことは、自分の時間を簡単に売らないことです。残業代を得るために時間を売るのがよくないのは、そういうことをしていると、「お金が手に入るなら、人生の時間が減っても気にならない」という労働時間投入型の考えに染まってしまうからです。
 そんなふうに考えていると、自分の時間はどんどん「お金のために売ればよいもの」になり下がってしまいます。これは人生を安く叩き売っているのと同じです。

p.106

「価値あるお金の使い方」を意識するようになると、「自分はなににお金を使うと楽しく暮らせるのか、なににお金を使うともっとも幸せな気分が得られるのか」が、わかるようになります。そして、自然とそれら大事なことにお金を使うようになり、反対に無駄遣いが減って、貯金もできるし、生活も楽しくなるのです
 お金を有効活用するというのは、貯金を増やすということではありません。できるだけ大きな価値を自分に与えてくれるものにお金を使うということです。

p.112

 希少資源とセットでもうひとつ正しく理解すべきもの――それが「自分はなにを手に入れたいのか」ということです。そんなことくらいわかっていると言われるかもしれませんが、それが案外わかっていないことも多いのです。

p.118

 真面目な人はたいてい「やらねばならないこと」だけで休日が消えてしまい、「やりたいこと」はいつまでもできないままです。反対に、やりたいコトだけをやっていて、生活も部屋もぐちゃぐちゃになってしまう人もいます。
 多忙な現代に生きる私たちには「いつかヒマになるとき」はやってきません。やりたいことがあるなら、その時間を確保できるよう生産性を上げなければなりません。

p.163

 ビジネスで成功している人の多くが、若い頃の一時期、ものすごく忙しい働き方を経験しています。これを「若いときに苦労したから成功したのだ。だから苦労は買ってでも体験しろ」と言う人がいますが、それは間違いです。正確に言えば彼らは、ものすごく忙しい生活の中で「生産性の高い働き方」を身につけたのです。そしてそれが、後の成功につながっているのです。必要なのは「苦しい思い」という意味での苦労ではなく、生産性を上げる機会なのだということを忘れないようにしましょう。

p.167

 インプットを減らすのと同じくらい有効なのが、「すべてをやろうとしない」ことです。(中略)
 そもそも日本では「なんでも万遍なくできる人がエライ」という価値観が強すぎます。学校ではすべての科目が揃ってできないと、優等生とは呼ばれません。実際にはなんでもソツなくこなせる人より、「できないことも多いけれど、ある分野においては突出している」という人のほうが成功しやすいのに、そういう人は往々にして「バランスが悪い人」などと言われてしまうのです。

p.170

 世の中には、次から次へと新しいことを手がける人がいます。こういった驚くほどたくさんのコトをやっている人というのは、反対に「誰でもやっていそうなこと」をやっていません。
 そして、それらをやらないことに伴う負担を(経済的な負担だけでなく、自分の思うとおりの完璧な掃除が行われないことや、他人からの視線なども含め)、引き受ける覚悟を持っています。それは、「そのほうが人生の生産性が高いから=限られた人生のなかで、できる限りたくさんの”自分のやりたいこと”ができるから」です。

p.173~174

「お金があるから、やりたくないことを他者に任せられる」のではなく、「自分の時間を価値が高いことに集中して使っているから効率よく稼げ、それ以外のことを他者に任せる経済的な余裕が得られる」のです。

p.187

「やらなくてもすむ方法が見つかったら、やめたい」と考えていても、いい方法が見つかることはありません。そうではなく、最初に「やらないと決めてから、やらなくてすむ方法を考える」のが、時間を捻出するポイントなのです。

p.189

 自分の生活のなかで「生産性の低いこと」「止めるべきこと」を探すには、1週間でいいので、朝から晩までなにをしていたか、1時間ごとの詳細な行動記録を作ってみるのが役立ちます。そうするとなににそんなに時間がかかっているのか、手にとるようにわかります。誰に見せるものでもないので、正直に記録してみるのがポイントです。(中略)
 お金が貯まらない人の家計簿にはたいてい「なにに使ったかわからない」多額の使途不明金が見つかります。同様に、常に時間が足りないと悩んでいる人の「時間家計簿」にも多くの使途不明時間が見つかります。

p.193~194

 働き始めて30代になった頃、私も人並みに「自分はどんな人生を送りたいんだろう?」「なにを手に入れたいんだろう?」と迷い始めました。なかでも悩んだのは、当時の仕事をこのまま続けるべきか否か、ということです。「これは本当に自分のやりたい仕事なの?なんだか違う気がするんだけど。でもせっかく手に入れた”いい仕事”だし」と1年以上も悩んでいました。
 ところがあるとき、ふとしたきっかけで仕事の生産性をギリギリまで上げてみたのです。そうしたら2ヶ月後には「この仕事は私のやりたいこととは違う!」とはっきりわかってしまいました。そしてすぐに転職を決断できたのです。
 これはとても不思議なメカニズムなのですが、私たちはイヤなこと、気の向かないことでも、ダラダラやっているとなんとかやり過ごすことができます。ところが生産性を上げて向き合うと、嫌なことにはすぐに耐えられなくなるのです。

p.245~246

でも、生産性を上げようと真剣に取り組むと、その過程で私たちはたくさんの“ご褒美”を得ることができます。それは、
 ・いつのまにか成長できていること
 ・やりたいこととそうでもないことが、明確に区別できるようになること そして、
 ・自分の人生の希少資源の使い途に関して、他人の目が気にならなくなること です。

p.248


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?