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南国オシャレ

 南の島ライフは楽しい、と思う。思っている、と思う。

 いつも「何となくちょっとリゾート」感が毎日の生活の中にある。
 友達と普通に行くカフェが絶景ポイントにあったりする。

 そういうものに私は日々助けられていて、その都度ここの神様に心から手を合わせたくなる。

 しかししかししかし。

 不満がないわけでもない。不満というよりはないものねだりなのかもしれないが、南の島には「オシャレ」がない。

 いや、そう言い切ってしまうのはいくらなんでも乱暴か。おっしゃれー!なカフェやレストランは沢山あるし、ホテルだって素敵なところいっぱい。

 だけど、ひとがオシャレをするにはあんまり向いた気候とは言えない気がして、そこが私としてはチト残念に思うときがある。

 リゾートにはリゾートらしいオシャレがある!

 そう、たしかにそうなのだ。リゾートワンピなんて、こんな場所だからこそ映えるってなもんだよ。

 とはいえ、都会的なイメージの「オシャレ」がない。ここには。
 いや、当たり前なんだけど。

 道行く人は、地元民も観光客も長期滞在の外国人も、みんな基本的にはラフな格好をしている。ヘアスタイルも、簡単にひっつめたりしただけのスタイルが多いように思うし、キメキメの髪の毛してる人なんていないのではあるまいか?
 裸足でバイクに乗っちゃうし、上半身裸の人もゴロゴロいる。

 そりゃそうよね。暑いんだもん!

 凝りに凝ったヘアスタイルしてても、暑いからついついまとめてしまいたくなるよね!

 11センチのピンヒールよりは、裸足の方が馴染むよね!

 バーキンよりもかごバッグになるよね!

 わかる! そういうのこそ、南の島の良さですもんね!

 分かってるんだけど、ちょっとだけ、たまには都会的なオシャレの空気に触れたくなるんです。

 ほんのちょっとだけね。

 ないものねだりです。


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