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読書録 「フェルマーの料理」

小林有吾「フェルマーの料理」(講談社)
岡潔「数学を志す人に」(平凡社)

先日、友人から勧められて購入した漫画「フェルマーの料理」が非常に面白くハマってしまった。現在、TBS系列でTVドラマも放映されているので今度視聴してみよう。

タイトルからお分かりの通り「数学」と「料理」がコラボする一風変わった組み合わせの作品である。

数学的才能に恵まれた主人公・北田岳は、数学オリンピックで挫折を経験し数学者になる夢を諦め学食のアルバイトで無為な日々を過ごしていた。ある日、謎の若き天才シェフ・朝倉海と偶然に出会うことで数学的思考を活かした料理の世界へと足を踏み入れていく…。

「料理の出来あがりを『答え』とするなら、そこから逆算して「式」、つまり「レシピ」を組み立てていく」
「その過程に発想の飛躍へとつながるヒントがあればわずかでも見逃さない」
「フェルマーの料理」①

このセリフを読んだ時、「まさしく、そう!」と膝を叩いてしまった。

数学でいうところの逆問題、結果から原因やメカニズムを導出するアプローチは特別なものではなく、ごくごく当たり前な考え方であることが上記からお分かりいただけるだろうか。

また世界的な数学者、岡潔も「春宵十話」で下記のように語っていた。

頭で学問するものだという一般の観念に対して、私は本当は情緒が中心になっているといいたい。
(中略)単に情操教育が大切だとかいったことではなく、今日の情緒があすの頭を作るという意味で大切になる。

岡潔「数学を志す人に」(平凡社)
p53~54「春宵十話」

理性的なものだけを頼りにして数学するのではなく、感性も大切にすること。
数学の美しさを感じる情緒を養うために文学や芸術に触れることは大いに役立つと思う。

乾いた夕暮れに微笑み選ぼう
暗闇を抜けて人並みの暮らしを
手に入れたって
ただ抜け殻になるだけだろう
動かされた心が
あの頃と今も同じならば
すべてを捨て飛び出そう
今度こそ行こう二人で Run away
錆びついたマシンガンで
今を撃ち抜こう
彷徨った道程も無駄じゃないから

冷たい風を受けて沈む夕陽を見た
出逢えた奇跡の
この確率を大事にしたい
錆びついたマシンガンで
今を撃ち抜こう
乾いた夕暮れに微笑み選ぼう
錆びついたマシンガンで
今を撃ち抜こう

WANDS
「錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜こう」

今日も皆様にとって良い1日でありますように。
異なるものが交わるマリアージュ、相乗効果を楽しもう。

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