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待ち受ける心

一見異なるテーマのもの同士が繋がることが、数学の魅力の一つだという主張もある。

数学史を紐解くと、様々な繋がりによって画期的な大発見があった。
有名なエピソードとしては、ワイルズが解決したフェルマーの最終定理やぺリルマンが解決したポアンカレ予想などがある。

フェルマーの最終定理の解決の一助となった「谷山-志村予想」のエピソードには、数奇な数学者たちの運命を感じさせるので興味のある方はサイモン・シン「フェルマーの最終定理」(新潮文庫)を参照して頂きたい。

このように、数学とは与えられた問題を解く学問ではなく、理論や概念を作る学問である。社会の課題や、諸科学の課題が、日々産まれ、それに応じて、それを解決するための道具として新しい数学理論が必要になる。また、数学独自の問題意識により、理論や概念がより深まっていく。(中略)宇宙の中のちっぽけな存在である人間がこれまで理解したことなどはほんのわずかであり、知れば知るほど、わからないことが増えてくる。新しい現象が発見されれば、それを説明するための新しい数学が必要になる。新しい数学が提示されると、純粋理性としての新たな問題が湧き出し、その解決への挑戦が数学を発展させる。近代、数学は物理学を通して自然から学び、刺激を受け、「自然・物質」を理解するための言葉を用意することで発達してきたが、最近では人間の生み出した「情報」や「データ」に隠れた構造を見出すという新たなアイデア源が出現している。大量のデータをパワフルなコンピューターで解析できる時代となったが、だからこそ、データの集合に隠れた構造を特定し、得られたデータから有用な情報を取り出すことが大切になる。さらに、生命の理解、その先には思考・感情の理解という大きな挑戦がある。もちろん、数学独自の世界の中にも次々に新しい問題が産まれている。

小谷元子「待ち受ける心」(臨時別冊・数理科学「数学的な感覚の探求」サイエンス社)

全文を掲載したいほど素晴らしい文章なので数学好きな方は是非とも上記の雑誌を手に取って一読して頂きたい。

僕の拙い文章より何倍も数学を学ぶことの意味を語りえている。

明日も皆様にとって良い一日でありますように。


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