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現代怪奇体験短編集〜地球の未知の世界へ〜※これらの話は全てフィクションです。第三編 砂の怪

ある村にいい伝えがあった。この村にある竹藪の中に入ると砂をかける怪異がいるといういい伝えだ。このいい伝えに興味を持った者は何人かいたが、この者たちが帰って来ても無傷では帰って来ず、村人は皆この竹藪を恐れて、皆そこを通ることがなくなった。しかしそうなると、村人は次第に竹藪を忘れていった。そんな中、この竹藪は売りに出され、一人の男に買われ竹藪が伐採されることとなった。
 

 男は竹藪を全て伐採し、この広大な竹藪の跡地に大豪邸を建てた。男はしばらく優雅な生活を送っていたが、少し異変が起きた。

 男の愛犬の顔に砂がかかっていた。男は愛犬から砂を払い、周辺住民に誰が犯人か
を伺った。でも誰も分からなかった。

 そして、その1年後、男はもうあのことを忘れて優雅な時を過ごしていた。でもまた異変が起きた。今度は、男が起床後、ベッドが砂まみれになっていた。これは明らかにおかしいと思い、男はまた周辺住民に問いかけたが、誰も分からないまま。だが、そんな村人の中で一人この原因が分かるという者が現れた。

 男は問いかけた。
「なぜ私の愛犬やベッドに砂がかかっていたのでしょうか。やはり子供の悪戯ですかね。」
「いや、あれはこの村に伝わる妖怪の仕業じゃろう」
「妖怪、そんなバカな。」
「実はな、おまえさんの買った竹藪には元々砂かけばばあという妖怪が住み着いておって、あの竹藪を通る者がいなかったのじゃが、そんないい伝えは時の流れによって風化され、ついに村人たちもあの竹藪のある土地を売れば村が儲かると思い、売ったんじゃ。じゃが、わしは反対したんじゃが
「そんな
「じゃから、一刻も早くあの土地いや、この村から離れるのじゃ」
「そうですか

 男はそのまま家に帰り、考えた。だが、もう遅かったみたいだ。家の明かりが消え辺りが真っ暗になった。そして、どこからともなく砂がかかってきた。
「うわあああああああああああああああ」
「ゲホッゲホッ」
これは、愛犬やベッドにかかったどころではない。砂嵐のようだった。すると砂嵐の中に和装の老婆が姿を見せた。
「すっすみません。すぐにこの土地から出て行きますのでどうかどうかっ。」
砂嵐が弱まって来た。そして、砂嵐が消えるとともに老婆の姿も消えた。
男は安心したが、すぐさま豪邸を捨て、その土地を後にした。

 そして数年後、これで、砂かけ婆の祟りが消えたと思ったが、また愛犬にあの時と同じ砂がかかっていた。

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