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【PODCAST書き起こし】谷さんの「観劇日記2021年6月」(全2回)その1

【PODCAST書き起こし】谷さんの「観劇日記2021年6月」(全2回)その1

【山下】はい、みなさんこんにちは。

【谷】こんにちは、どうも。

【山下】「みんなで語る小劇場演劇」のお時間でございます。また今月も谷さんの観劇日記としまして、谷さんの2021年6月の観劇日記についてお話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

【谷】よろしくお願いします。

【山下】MCを努める私、ポッドキャストの山下と、小劇場演劇のポッドキャスターである。

【谷】谷です。

【山下】よろしくお願いします。じゃぁ谷さん、この谷さんがお作りになった今月見たパワーポイントからということで、1番から13番まであります。この計13本についてこれからお話をしていきたいと思います。

【谷】今回はちょっと見てお分かりになるかも知れないんですけど、2回目が9番と10番。イキウメと庭劇団ペニノを2回見てます。

【山下】もう月間で2回見てると。素晴らしいですね。

【谷】 それと、3番が1、2、3と別れてますけれども、『王将』という新ロイヤル大衆舎というグループの。

【山下】この、新ロイヤル大衆舎、これ、Tシャツがそうですよね。

【谷】そうですね。4人なんですけれども。

【山下】3人?

【谷】いや、4人です。

【山下】あ、本当だ。一番下がギリギリ見えてる。

【谷】どれがどれだか分からない。大堀こういちさんと誰だろう。

【山下】1番下はこれ、長塚さん?

【谷】長塚さんと山内圭哉さんと福田天球さん。

【山下】福田さんは髪型が、一番、この人ですね。

【谷】チンギスハンみたいな感じでね。それで背中が一応あるのでお見せします。

【山下】背中、お見せします? じゃぁ背中行ってみましょうか。はい。音声でお楽しみの方は想像してください。『王将』と書いてありますね。墨の文字で。ということで、音声の方は想像してインターネットで検索すると画像が出てくるかも知れません。ということでじゃぁちょっと1回戻りますと、じゃぁ今月見た13本ということで私も見たのが1本か2本ありますが、まず最初はイキウメ。これ、『外の道』(そとのみち)って読むのかな?

【谷】そうですね。『外の道』ですね。

【山下】そういうやつですけど、これはどんな感じの?

【谷】 これは山下さんもご覧になってますけれども、イキウメというのは前川知大さんが作演出をやってて、出演者、イキウメっていう劇団で安井順平さんと浜田信也さん、盛隆二さん、森下創さんっていうのかな? あと大窪人衛さん。この5人が。
劇団で。今回はそこに池谷のぶえさん。

【山下】池谷さん、面白いからね。

【谷】薬丸翔さんは、ヤックンの息子さん。

【山下】あ、そうなんですね。

【谷】なんとなく石川秀美さんとのお二人のお子さん。

【山下】そっか。お子さんなんだ。知りませんでした。

【谷】あと豊田エリーさんというのが柳楽優弥さんの奥さんですよね。あと清水緑さんっていう方がやって。

【山下】清水さん、ときどき出てますよね。イキウメ。

【谷】そうですね。すごいやはりイキウメワールドなんですけれども、去年コロナで流れちゃって。

【山下】これはじゃぁ去年やるやつだったんですかね。

【谷】去年の同じ時期だったのかな? それで結局1年間でまたたぶんかなり作り直している部分もあるんじゃないかなと思うのと、去年の何月か秋口かな。金輪町コレクションといって過去作品も含めて三つぐらいか、やりまして、生き埋めっていうのが「金輪町」という街が常に出てくる。

【山下】 金輪際の金輪ですよね。

【谷】そうですね。金のわっかの町というところがテーマになってまして、それ、あるな、たぶん、どっかに。今日は持ってこなかったかな。金輪町で起きる出来事。オカルトチックな不思議なワールドですよね。

【山下】ある種の精神世界的なところも描かれます。

【谷】今回はその安井順平さんっていう劇団の方と池谷のぶえさんがお二人が主人公となって。

【山下】学校の同級生。

【谷】そうですね。高校の同級生で、たまたま同じ町、金輪町で住んでることを知って。

【山下】引っ越してきたんですよね。

【谷】20年ぶりに再会してそこでおのおのの問題を抱えていることが分かったと。そこには手品があったり、いろいろ。

【山下】普通の現象では語れないような。

【谷】これ、説明がすごく難しいですよね。

【山下】精神の内奥に入っていっているから。心が変わっていったり壊れていったり人間関係が変化していったり。

【谷】そうですね。だからおのおの、安井さんの役は安井さんなりにちょっとやはり壊れて。壊れてって言うより逸脱していくっていうのかな。

【山下】だから普通の性格とは違うことになっていくって書いてあるのかな?

【谷】そうですね。池谷さんは池谷さんでまた「無」と書かれた荷物が届いたことによって自分の日常が変わっていくということで、過去も変わっていっちゃうわけですね。お母さんが言ってみれば清水緑さんって高校生ぐらいの感じのイメージの見た目だったり。

【山下】若い子がお母さんに。

【谷】大窪人衛がいきなり。

【山下】やってくると。

【谷】やってきて子どもだと言い出したりとか。そういう感じですよね。ぼくはどうしてもちょっとイキウメは難しいので、2度見ないと咀嚼しきれないのでいつも2回見るようにはしてるんですね。

【山下】前川さんはどういうふうにこれをお書きになったんですかね?

【谷】これ、わかんないですね。脚本読んでもたぶん実際わかんないと思います。今回ちょっと特徴的だったのは前も1作あったと思いますけど、出演者全員出ずっぱりの舞台でしたね。だからここがちょっと違った感じがしまして。

【山下】上手右にある窓から出てきたらみんなずっとそこからもう出ないことになる。

【谷】窓っていうかドアですね。

【山下】ドア。

【谷】斜めになったドアで、やはりゆがんで。それで、何て言うんでしたっけ、空鳴。(そらなり)空鳴がすると物事がちょっと変化していく。

【山下】みんながそれを見るんですよね。それは演劇的ですよね。

【谷】極めてちょっと不条理的なところもあるんですけれども。

【山下】あれは印象に残ってるな。空鳴したときみんなが窓のほうをフワッと見る。

【谷】ある意味最終的に暗転して、謎と余韻がやはり底に残って、あとは自分の想像力でそこからは自分で作っていくしかないのかなと。

【山下】何かよく分からないものを提示された感覚はあるんだけど。

【谷】これは、お見せするのが。

【山下】じゃぁこれが「外の道」の。

【谷】「外の道」のチラシですね。

【山下】ぼく、見てて思ったのは無から、無が届いてとかっていうので、禅の考え方とか。にすごい突き止めてるのかなって。一方神話をずっと。

【谷】そうですね。前川さん、やってますからね。

【山下】前川さんは何度か作ってらっしゃるし、人間の心の内部にある何かよく分からないもの。それはもしかしたら言語化されてないのかもしれないけど、それをなんとかして人に表現として届けようとずっと苦闘されているような気がしてて、そこはやはりある前川さんの高見に到達しようとしてるのが、かっこいいなっていつも思うんですね。いつもチケットすぐなくなっちゃうじゃないですか。やはりそれは、それを好きで面白いと思って見に来る人が沢山いるってことですよね。

【谷】根強いファンがいますよね。

【山下】よく言うんだけど、イキウメを1回見ると必ずリピーターになる。

【谷】やめられなくなると。

【山下】これはよく訳の分からないものが出てくる、伝達物質が、観客に影響してるんじゃないか。

【谷】アドレナリンが作用しているのかも知れませんね。

【山下】本当にそう思いますね。

【谷】脳の、脳内細胞も変わってるのかもしれないです。

【山下】本当にそう思います。イキウメの、前川さんの作品、なんでもいいんですけど、ぼくはこれを、「シックスセンス」をやった監督がいるんですけど、あの監督にハリウッドで映画化したらどんな感じになるんだろう。
(※ ナイト・シャマラン監督)

【谷】あれ、ハリウッドでやりませんでしたっけ。『太陽』って。

【山下】あ、そうなんですか。

【谷】やるとか、やってないのかな。

【山下】日本では映画化になったけど。

【谷】そうですね。神木隆之介君も出ていて。

【山下】何本か映画になったけど、その、シャマラン監督にやってほしいなってすごく思ったんですけどね。

【谷】これ、だから6月の頭に見てるんですけれども、5月の末から始まってたぶん山下さん早めに見られて、全国回ってついこないだ北九州で終わってるんですよ。

【山下】そっか。北九州まで行ってたんだ。
東京、大阪、豊橋、北九州。なるほど。

【谷】それで、11日に終わった。11日に池谷さんが昨日かな? 昨日のツイッターで書いてありましたけど、楽屋で巡業すると荷物が当然あるんですが。荷物が届いたけれどもそこには「無」と書いてなかったと落ちが書いてありました。

【山下】「無」と書いてあったら面白いね。

【谷】うまいと思って。

【山下】いや、書いてあったら、書いてあったって書いてあってもいいのかな。そのほうが面白いかな。ということでイキウメは本当に1回見るとやめられない。

【谷】おすすめですね。

【山下】といううことですが、私も行きました。続いて、これ隣屋と読むんですか?

【谷】、隣屋オイディプス。これはこまばアゴラ劇場ですね。

【山下】どんな話ですか?

【谷】これは非常に難しいです。三浦雨林っていう方、ご存じですか?

【山下】知らないです。

【谷】雨の林と書くんですけど、青年団にも所属されてる演出家の方で、隣屋は既存の戯曲を原案にして、何て言ったらいいんだろうな。身体的なものだとか言葉を際立たせて演劇作りをする団体で何人かの役者さんも参加されてるんですけど、その三浦雨林さんが代表なんですね。今回は原作がソポクレスのオイディプスと、コロノスのオイディプスって。

【山下】じゃぁギリシャ悲劇のいくつかのやつから引っ張ってきて。

【谷】あとアンティゴネーの三つを原作にしてやってて。今回はテーバイ王、テーバイの王のオイディプス、コロノスのオイディプスを日替わりで、日替わりで上演してたんですね。

【山下】三つを。

【谷】二つをですね。

【山下】アンティゴネーとオイディプスと。

【谷】アンティゴネーは要素として引っ張ってきてるんだと思うんですよね。こまばアゴラ劇場は1階が受付で2階が劇場なんですけれども、1階から、1階はあんまり使ってないんですけど、3階も使ってエレベーターで上がるのにですね、自分も。それでフルに空間を使って1回15人限定なんですよ。回遊式の演劇と展示ってかたちで、展示映像と一人芝居がミックスされててあえてやってるんでしょうけど、ブルーシートとこういう。

【山下】飛沫防止の透明な。

【谷】そうですね。ビニールシートで囲われた美術でやってると。それで回遊だけに本当にいろんな映像が出てるわけです。そこをどうやって見るか、どういうふうに見るかが実は大切だったみたいで、ぼくはどうしてもとっちらかっちゃって何でも見てやろうになっちゃうわけですよ。で、結局、わけわからなかったっていう感じでちょうどたまたまその日に杉原邦生さんも来られてて、杉原さんも雑然とみられてましたね。だけど杉原さんが思っているオイディプスとかグリークスとかやられてますから、かなり入られてるからお分かりになってるんじゃないかなと思います。これは1時間ものですね。

【山下】あ、じゃぁ15人でやって1時間。

【谷】1日1回しかやってないから比較的短い実験的な感じ。

【山下】俳優さんっていうか出演者何人ぐらいいたんですか?

【谷】出演者一人であと映像出演。

【山下】あとは映像出演。映像はじゃぁアゴラの壁に。

【谷】そうそう。液晶が四つ五つぐらい。あとは上にもあったから3階にもあった。

【山下】観客は立ってみるって感じですか?

【谷】立っても座ってもみる。地べたに座っている人もいましたし。

【山下】新しい実験的な作品なんですね。

【谷】なかなか難しいですけど。

【山下】なるほど。隣屋さんでした。続いて三つ目ですけれども、3の1と2と3というふうにしてやっていきますが、だから、今月、谷さんは、実質15本見てるってことかな? 新ロイヤル大衆車『王将』第1部、第2部、第3部KAAT神奈川芸術劇場アトリウム特設会場と。アトリウム特設会場とはどういう?

【谷】アトリウム、行かれた方は分かるし山下さんはお分かりだと思いますけど、1階に大型テレビがあるじゃないですか。あそこにいくつかベンチがあるんですけど、あそこを全部改造して小屋を作ってるんですよ。

【山下】屋根もある?

【谷】屋根もあります。屋根は幕ですね。

【山下】でも一応見えないようになっている。

【谷】上からは見えない。覗けると。役者は横で横の階段に控えてるんです。出待ちで。

【山下】新しい。楽屋が外に。

【谷】長塚さんが待ってたり常盤さんが待ってたり。

【山下】すごいですね。新しい。

【谷】『王将』は結構贅沢な。

【山下】これ、お客さん何人ぐらい入るんですか?

【谷】お客は何人入ってたんだろうな。150以上は入ってたんじゃないかな。

【山下】結構入るんだね。あのロビーに。

【谷】あれはね、美術は誰か有名な人ですよ。誰だったかな?

【山下】堀尾さんとか?

【谷】堀尾さんかな?

【山下】あ、美術はね、堀尾さんでした。堀尾幸男さんで合っています。これが谷さんがお持ちの『王将』のチラシでございます。

【谷】これが本当はもう一つチラシがあって、これは大阪版のチラシなんです。

【山下】なんでこれ持ってるんですか?

【谷】入ってたんですよ。それでかわいそうなことに『王将』って。

【山下】大阪の話ですもんね。

【谷】大阪の話なんですけど中止になっちゃったんですよ。大阪は、大阪公演は。

【山下】本当はこれ通天閣の下でやる。

【谷】そう。道頓堀のところのお話。

【山下】道頓堀じゃなくてあれはね。

【谷】あ、通天閣だ。

【山下】通天閣だから新世界。

【谷】 そうかそうか。

【山下】これ、通天閣の下にスペースがあるからそこでやったら面白かったのにね。

【谷】そうですね。本当はどこでやる予定だったんだろう。

【山下】近鉄アート館だから割と近いです。

【谷】三日間やる予定だったんですけどすごい残念がってましたね。

【山下】残念やね、ほんまに。これ、関西弁でやってる。

【谷】そうです、関西弁です。

【山下】すごいね。

【谷】だから福田天球さんが主人公のサカタ坂田三吉さんですけど、山内圭哉さんも。

【山下】山内さん、関西人やもんね。

【谷】関西人ですし。

【山下】あと、常盤さんも関西なんですよね。

【谷】そうなんですか?

【山下】常盤さんは兵庫県の出身じゃなかったかな? なるほど。そうか、関西弁のやつ聞いてみたかったな。

【谷】いや、これはね、なかなか大変でしたけど、3部合って全部ばらばらにも見れるし、何でも成立はするんですよ。

【山下】1部何時間ぐらいですかね。2時間?

【谷】1時間45分。1時間45分と2時間10分。その3本で結局全部出入りがあるので1回出しちゃうので。コロナ対策してまた入れるので。席も替わるんですよ。

【山下】席は一応指定席なんですか?

【谷】11時から夜の8時10分まで。だから結構時間拘束される。丸1日。

【山下】でも、いいじゃないですか。いい場所だから。

【谷】まぁでも疲れましたね、さすがにね。

【山下】でも三本一気に。

【谷】そうですね。一気に見たほうが効率的ではありますし。

【山下】一応1、2、3部って話つながってるんですか?

【谷】もちろん、それはつながっています。坂田さん、元々は関西の将棋界のレジェンドと言われる坂田三吉の、『王将』は元々あって、それであとで第2部も作られてる。続編が作られて第3部も作られてるって言う流れみたいですね。で、映画にもなっていますし、歌謡曲で『王将』ですよね。村田英雄の『王将』でも人気あるっていうことで、さっき言いましたけど福田天球さんが主人公。大堀こういちさんが司会役みたいなかたちでずっと狂言回しみたいなかたちでやってて。長塚さんと山内圭哉さんがメインで出てて、あと出ずっぱりだったのが江口のりこさんかな? それと常盤さんが福田さんの奥さん役。諸々あとは大勢出入りしてましたね。

【山下】大変贅沢な。

【谷】元々これ、2017年に。

【山下】下北のね。

【谷】下北の楽園。あれ、80人ぐらいの小屋で。

【山下】そこも80人入るんですね。

【谷】やはり3部作でやったらしいんですよ。で、話題になって、ぼくもそのときは取れなかったんですけど。

【山下】まぁね、小屋が小さいから。

【谷】それでこれ作は元々北条秀司さんっていう方が作ったものを、構成台本と演出が長塚さん。芸術監督ですね。KAATの芸術監督。音楽はヤマウチさんがやってるんですよ。だからなかなか味のある感じでこれよかったです。

【山下】これはあれですか? 将棋を指すシーンもあるんですか?

【谷】うん?

【山下】将棋を指すシーン。

【谷】あったかな。

【山下】そういうのはないんだ。

【谷】あったな。あったあった。ありました。

【山下】江口さんが出ずっぱりと言ったら、江口さんって、昔東芝日曜劇場の枠だった。TBSの日曜の9時台のドラマに江口のりこさん出ずっぱりですよね。どうでもいい話なんですけど。
ってことで、続いてまたKAATの作品。

【谷】そうですね。KAAT。これほぼ同時期に並行してやってたんですけど。ど

【山下】これ、ナンテ読むんだ。『虹む街』?(にじむまち?)

【谷】『虹む街』っていう庭劇団ペニノという。

【山下】タニノクロウさん。

【谷】タニノクロウさんの作演出作品で、出演は奥さんである安藤玉恵さん。

【山下】あ、安藤さんが。

【谷】主人公なんですけど。あと金子清文さんって読むんですか? ちょっと味のある、陰のある方と、あと緒方晋さん。『笑顔の砦』で出ていた。あとは島田桃依さんって。

【山下】知ってます。山内ケンジさんの舞台、よく見てますので。

【谷】山内ケンジさんのね。こないだすごいエロい役をやった方ですね。あとタニノクロウさんがちらっと出て、蘭妖子さんって。

【山下】名前聞いたことあるな。

【谷】三浦さんの好き系のですね。唐十郎さんとか。

【山下】アングラ系の。

【谷】そっち系じゃないでしょうか。 あと県民の方々。町の人たちと言うことで何人か出られてました。

【山下】それはあれですか? これって野毛でしたっけ。神奈川の。

【谷】野毛なんですけれども、野毛だけじゃないんですよね。一応。

【山下】じゃぁあの町は野毛だけじゃないんですね。これがチラシです。

【谷】チラシで。

【山下】ぼく、このチラシを初めて見ましたけど。

【谷】あ、そうですか。結構刺激的なセットです。ものすごいお金かかってますね。

【山下】タニノさんの美術セットはいつもすごいですよね。

【谷】でもこれはね、取っておけないんじゃないかな?

【山下】イナダミチコさん。

【谷】って方がやられたみたいですけども、中スタジオってところでやったんですけどね。セットを作ってそこで覗けたんですよ。

【山下】どういうことですか? 中に入れるって殊?

【谷】中には入れないんです。そこから覗いて芝居風景、練習風景を覗けたんです、その前は。要はオープン前は。だから他の芝居に行ったついでにぼくも2回ぐらい見に行きましたけど、そうするとあっちから手振ってくれたり。写真はだめなんですけどね。

【山下】そうなんですか。横浜にある飲食店街の話ですって。どういう飲食店なんですか?

【谷】いや、もうメインはコインランドリーなんですよ。

【山下】そうなんですね。そこに集まってくるんですね。

【谷】コインランドリーが真ん中にあって、コインランドリーが動いて、ときにはひねくれて動かなくなったり、ときにはしゃべったりするんですよね。

【山下】コインランドリーが?

【谷】コインランドリーのマシーンが。いろいろカップ麺の自動販売機とか置いてあって。それがいろいろ作用したり。ネオンがあって。隣は飯屋で中華屋さんだったり。

【山下】町中華?

【谷】町中華っていうか中華街の中華屋さんですね。

【山下】じゃぁ神奈川のいろんな町を。

【谷】中華の店主がそこの出演者でした。その娘さんも出てたとかね。

【山下】でもKAATでやる意義がある。横浜の。

【谷】逆側の下手側のほうはスナック。

【山下】そこはでもスナックの下手使ったり、中華料理屋さんの下手使ったりはあるんですか?コインランドリー。

【谷】いや、ないです。そこから人が出てくるだけで。

【山下】あ、じゃぁコインランドリーがメインなんだ。

【谷】そうそう。でも緒方さんがちょこっと出入りするシーンがありましたけど、ほぼ安藤玉恵さんが店主なんですけれども。

【山下】何の?

【谷】コインランドリーの。

【山下】コインランドリーの店主さん。

【谷】コインランドリーの営業の最終日なんですよ。

【山下】あ、もう閉めるって殊?

【谷】そう。で、そこに金子清文さんがずっと洗濯をしてたたんでる。タオルをたたんでるんですよね。面白いたたみ方なんですけど。それがどんどん積み上がっていく。何回も何回もやってると。金子さんはすごいうまくなってると思います。

【山下】それを出演してる間にずっとやってるんですか。

【谷】そうですそうです。でね、ほぼ会話なくて、会話劇じゃなくて寡黙劇と呼んでいる。

【山下】無言劇?

【谷】無言ではないんです。寡黙劇。

【山下】無言ではない。太田省吾さんの無言劇とは違うんだ。

【谷】寡黙劇と書いてありましたね。だから脚本はト書きばっかじゃないですか?

【山下】見てると想像するんですよね。でもそれは。
それが面白いんですよね。それはのぞき見してるような感じ?割とリアルな。

【谷】いや、のぞき見ではないですね。雰囲気を楽しみながら見てるって感じ。やはりタニノさんなりの仕掛けがいろいろあるので、人種もいろいろフィリピン系の方がいたり南米系の人がいたり。

【山下】あそこもなかなかリアリティーがある。

【谷】そうですね。

【山下】これ見て思ったんですけど、KAATってアンダー24と高校生以下の割引がむちゃくちゃ安いですね。これは最近変わったんですか?

【谷】いや、たぶん前、白井さんのときもそうかもしれないし、もっと前からそうなのかもしれない。

【山下】アンダー24が半額、高校生以下は1000円。ぜひ本当にぼく、高校生のときに見れてたらなぁ。

【谷】高校生だったら本当に行ったほうがいいですよ。だって映画より、映画は高校生だともっと安いのかも知れないけど、でも生芝居を1000円で見られちゃうなんて考えられないですもんね。

【山下】本当にKAATの素晴らしいことですね。これ、無言劇でいいんですかね。

【谷】寡黙劇ですね。

【山下】もし時間が合って再演があれば行きたいと思います。

【谷】セットがどういうふうに取ってあるのか心配ですね。

【山下】もう1回作り直したりしてね。

【谷】いや、あれは作れない。

【山下】ちょっと見てみようかな。

 テキスト起こし@ブラインドライターズ
 (http://blindwriters.co.jp/)
---- 担当: 藤本昌宏 ----
このたびはご依頼いただき、誠にありがとうございました。
役者の方のお名前や作品名で、表記が不明なものはカタカナで表記いたしました。
たくさん作品の名前が出てきましたが、正確で読みやすい書き起こしになるように心がけました。
今回取りあげられていた作品は、どの劇も知らない劇ばかりですが、お話を聞く限り、内容や演出がとても興味深く、ぜひどれか一つは観劇してみたくなりました。特に、三つ目に取りあげられていた『王将』は、歌謡曲がとても好きなので気になります。また、最後に紹介されていた寡黙劇も、舞台の様子が見えないと楽しめないかもしれませんが、すごく興味をそそられる内容でした。
またのご依頼を心よりお待ちしております。



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