「時間を守る」意味 ver.2

令和2年2月20日
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ある農夫がある日、飼っていたガチョウが巣に産んだ卵を回収しようとしたら、きらりと光る卵を発見しました。
よく調べると黄金の卵でした。
最初はイタズラかとも考えましたが、そうでもなさそうです。
次の日も次の日も、ガチョウは黄金の卵を産み続けたのです。
やがて農夫は大金持ちになります。そしてだんだんせっかちになりました。
1日に1個しか生まれない黄金の卵が待ちきれず、ついにガチョウを殺して、一気に腹の中の卵を手にしてしまおうと考えたのです。
しかし腹を割くと…腹の中は空だったのです。彼は黄金の卵を手に入れる手段すら失ってしまったのです。
(「ガチョウと黄金の卵」 イソップの寓話より)
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この農夫に対してどのようなことを感じるでしょうか。

皆にとっての黄金の卵は、テストの点数や部活の大会、時にはゲームやカラオケなどの娯楽にあたるかもしれません。
しかし、その黄金の卵は、それを生み出す基礎がしっかりとしていたからではないでしょうか。
基礎とは、自分の生活習慣、自分の自制心、周囲の人たちの助けなど、色々なものを含んでいると思います。

大人になっても、周囲の環境に対して文句を言っている人がいます。
「周りの人が頑張らないから私もうまくいかない」
「こんな人たちがいるから世の中ダメになるんだ」
こういった発言をしている大人って、魅力的ではないなと思います。
皆さんの周りにもこういう大人っているでしょうか。

僕も何か良くないことが起きると人のせいにしたくなるときはあります。
でも。自分の力が至っていないから、このような結果になったのだ。次はどうすればうまくいくのかな。
そんな風に、人のせいにせず、前向きに考えるようにしています。
まだ僕は魅力的ではありませんが、こんな自分のことを、少しはマシになったかなと思っています。
自分自身の「取り組み」と向き合うと、自然と他人への文句は出てこないのではないかと最近は感じています。

1年半後にはもうスタートしている大学入試・就職試験では、
あなたの能力はもちろん、あなたがどのようなことを考えて、どのような生き方をしていたのかを問われます。
つまり、あなたが「結果」に対してどのような「プロセス・取り組み」をしてきたのかを問われます。
1年間、「プロセス・取り組み」をどれだけ意識して行動することができたでしょうか。
言われれば時間を守って、言われればごみを分別して、言われればテスト勉強ができる人なんてこの世にたくさんいます。
でも、言われない中でも、自分で意味を見出して、「プロセス・取り組み」を意識している人はほとんどいません。
先が見えない世の中では、後者の方が重宝されます。
どれだけ小さな「プロセス・取り組み」であっても、意味があります。
大人も、なにをすればいい世の中になっていくのか、幸せに生きられるのかわかっていません。
是非、皆には高校生活を通じて、自分自身の足で歩む術を学んで欲しいと思います。

そして、黄金の卵を生み出すために、ガチョウを育てられる人になって欲しいと思います。

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