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【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅第9弾(出雲⇒枕崎)

シリーズでお送りしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらどうなるかの検証も、第9弾を迎えました。

第9弾は、2011年7月に放映されました。マドンナは芳本美代子さん。日本海側の島根県出雲市から九州最南端の鹿児島県枕崎市を目指すルートは実にダイナミック。蛭子さんが今でも鮮明に覚えているという秋吉台の絶景や、バス旅ではZも含め何度も出てきた香り芽本舗、そしてゲリラ豪雨やゴール枕崎へと向かうバスの中で起きたマドンナ号泣事件など、見どころの多い回でした。

第9弾の実際ルート

一日目
出雲市駅-(一畑バス小田線)-小田車庫-(多伎循環バス)-口田儀-(徒歩) -越堂-(石見交通)-大田バスセンター-(石見交通)-シビックゾーン-(石見交通)-浜田駅前-殿町-(石見交通)-益田駅-(石見交通)-津和野駅
二日目
津和野バスセンター-(防長バス)-東萩駅前-(防長バス)-秋芳洞-(サンデン交通国道線)-御裳川-(関門トンネル徒歩)-門司港駅前-(西鉄バス74系統)-砂津-(西鉄バス田川快速)-後藤寺-(西鉄バス特急)-西鉄天神/天神大丸前-(西鉄バス快速8系統)-博多駅
三日目
博多バスターミナル-(西鉄バス400系統)-甘木営業所-(徒歩)-裁判所前- (西鉄バス二日市41系統)-杷木-(西鉄バス久留米浮羽支線)-浮羽発着所- (西鉄バス20系統吉井 - 久留米線)-JR久留米駅-(西鉄バス31系統)-西鉄久留米-(西鉄バス31系統福島線)-福島-(堀川バス辺春・平山線)-山中-(徒歩)-鹿北道の駅-(九州産交バス山鹿営業所管轄)-山鹿バスセンター-(九州産交バス京5系統)-交通センター-(九州産交バス川8系統)-松橋産交
四日目
松橋産交-(九州産交バス松橋線)-八代駅前-(九州産交バス)-水俣産交-水俣駅前-(南国交通エアポートシャトル 水俣・大口線)-鹿児島空港-(南国交通)-加治木本町-(いわさきバス国分営業所)-鹿児島中央駅/鹿児島中央駅前-(鹿児島交通)-枕崎

勝因は3日目、「バスはない」と西鉄バスの案内所のおじさんに言い切られながらも、福島へと向かうバスの中で、女子高生から別会社のバスがあると教えられ、堀川バスの案内所で有力な路線を聞き出すことができたことでしょうか。案内所でないと言われても、バスの車内で有力情報を入手することはこれまでのバス旅でもありましたね。案内所の人も他のバス会社のことは知らないでしょうから仕方がないと思いますが、時おり観ていて「もっと言い方あるよなぁ」と思うことはあります。

2022年のルート検証

それでは、2022年3月のダイヤで行ってみたらどうなるでしょうか。

1日目
出雲市駅808→一畑バス・小田線→840小田駅前1017→出雲市バス・多伎循環バス→1031口田儀→(徒歩300m・5分)→越堂1042→石見交通・波根線→1119大田バスセンター1200→石見交通・大田江津線→1320江津市役所前1346→石見交通・周布江津線→1421浜田駅前1540→石見交通・浜田益田線→1701益田駅前

実際ルートでは津和野まで進むことができましたが、益田駅前から津和野行のバスの最終は17時ちょうど。浜田から来るバスの益田駅前着が17時01分で何と1分差で乗り継ぐことができません。どこかですれ違って乗れないかとも思いましたが、残念ながらすれ違うバス停はないようで、本当にタッチの差で津和野へ進めない形となります。日常的にバスを乗り継いで津和野へ行く乗客はほとんどいないのでしょうが、バス旅的には悔しい形です。

2日目
益田駅前645→石見交通・津和野線→753津和野駅前803→防長交通→942萩バスセンター1002→防長交通→1105秋芳洞1158→あんもないと号→1224美祢駅1241→サンデン交通・美祢線→1407御裳川→(徒歩・関門トンネル人道・15分)→関門トンネル人道口1456→西鉄バス・74系統→1544砂津1618→西鉄バス・91系統→1747西鉄黒崎バスセンター1840→西鉄バス・急行→1923直方

実際ルートでは、砂津から後藤寺へ抜けて、そこから福岡天神まで一気に移動していますが、現在、この砂津から後藤寺へと抜けるバスは廃止されています。途中の中谷というところまでしか行かず、本数は少ないながら、そこから途中の峠の近くまで行くバスがか細く残っていますが、そのルートで行くと、歩きも発生しますし、結局乗り継ぎはよくありません。

実際ルートのように博多の方面へ行きたい場合は、黒崎から直方へと向かう形になりますが、直方から博多へ向かうバスは既に終わっており、直方宿泊となります。
なお、他に博多へ向かうルートとしては、折尾から赤間へと抜けていくルートもあり、それですとその日のうちに博多に到着できますが、15km以上の歩きを挟むことや、博多まで行っても、3日目に直方宿泊ルートに収斂してしまうため、ここでは歩きの少ない直方ルートで検証していきます。

3日目
直方駅630→JR九州バス・直方本線→823博多駅バスターミナル856→西鉄バス・32系統→935宇美町役場1005→西鉄バス・4-1系統→1028大宰府1035→西鉄バス・1-2系統→1102JR二日市1111→西鉄バス・40系統→1153希声館前1201→甘木観光バス・田主丸線→1225田主丸駅前1247→西鉄バス・23系統→1332西鉄久留米1350→西鉄バス・50系統→1437船小屋→(徒歩650m・10分)→上長田1607→くすっぴー号・高田瀬高線→1652JR渡瀬駅→(徒歩4.1km・1時間)→怒縄田1826→西鉄バス・55-1系統→1853大牟田駅前1914→西鉄バス・4系統→1935荒尾駅前

実際ルートでは、久留米から福島行の西鉄バスに乗り、その車中で堀川バスという別会社の路線があることを教えてもらい、堀川バスの山中というバス停から歩いて県境を越えて、鹿北道の駅から山鹿、熊本を経て、松橋まで一気に移動しました。
しかし、今では堀川バスの運行本数が激減しており、福島からの山中行は17時発まで乗り継ぎができません。そしてそこから数km歩いた先にある鹿北道の駅から山鹿へ向かう最終バスは同じく17時発で乗れません。
もうひとつ、福岡・熊本県境を越えていく方法としては、瀬高からくすっぴー号の山川瀬高線に乗って真弓橋というバス停へ向かい、そこから3.8km歩いて熊本県側の南関町から山鹿・熊本へと入っていくルートもありますが、南関発の最終山鹿行は16時51分発、玉名行も17時43分発で、いずれも乗ることができません。
というわけで、博多を経由して行った場合、この日に到着できるのは大牟田から先、熊本県側に少しだけ入った荒尾までということになります。

4日目
荒尾駅→(徒歩2.5km・40分)→本村624→産交バス・1系統・荒尾玉名線→655玉名駅前714→産交バス・A2-2系統→844熊本桜町バスターミナル910→産交バス・R1-5系統→1002松橋産交1020→産交バス・八代松橋線→1150八代駅前1209→産交バス・八代田浦線→1249道の駅たのうら1300→産交バス・田浦水俣線→1359水俣駅前1540→南国交通→1737鹿児島空港1750→南国交通→1815加治木本町1905→鹿児島交通→1951鹿児島中央駅

枕崎行の鹿児島中央駅発最終は18時38分発です。実際ルートと同じように八代・水俣・鹿児島空港経由で進もうとすると、鹿児島中央駅で打ち止め、失敗という形になってしまいます。
水俣から内陸を行かず、海沿いに阿久根・川内と抜けていくルートもありますが、こちらも乗り継ぎが悪く、いろいろ調べましたが、枕崎行最終バスに間に合う方法はなさそうです。

別ルート検証:博多を通らずに進む方法
さて、実際ルートが辿った博多経由で進もうとすると、現在のダイヤでは乗り継ぎが悪くて4日間でゴールすることができないことがわかりました。
枕崎行最終に間に合うように、逆側から乗り継ぎを確かめてみると、どうやら、3日目の夜に熊本市に到達していれば、何とか間に合うようです。3日目中に熊本に行きつく方法は他にあるのでしょうか?
調べてみましたら、ありました。

別ルート
2日目

益田駅前645→石見交通・津和野線→753津和野駅前803→防長交通→942萩バスセンター1002→防長交通→1105秋芳洞1158→あんもないと号→1224美祢駅1241→サンデン交通・美祢線→1407御裳川→(徒歩・関門トンネル人道・15分)→関門トンネル人道口1456→西鉄バス・74系統→1507門司港駅前1513→西鉄バス・40系統→1545恒見営業所1553→西鉄バス・10系統→1600寺迫口1741→西鉄バス・19系統→1827行橋駅東口
3日目
行橋駅東口715→太陽交通・香春線→751香春町役場935→西鉄バス・筑豊特急→1008西鉄後藤寺営業所1027→西鉄バス・10系統→1059添田駅1130→JR九州・日田彦山線代行バス→1316日田/日田バスターミナル1410→日田バス・杖立線→1458杖立1613→産交バス・7系統・阿蘇小国杖立線→1736阿蘇駅前1953→やまびこ号→2118熊本桜町バスターミナル
4日目
熊本桜町バスターミナル630→産交バス・R1-2系統→723松橋産交800→産交バス・八代松橋線→843八代市役所910→産交バス・八代田浦線→959道の駅たのうら1005→産交バス・田浦水俣線→1104水俣駅前1220→南国交通→1417鹿児島空港1440→南国交通→1505加治木本町1535→鹿児島交通→1628鹿児島中央駅1708→鹿児島交通→1900枕崎

このように、歩きを挟むことなく、きれいに繋がり、枕崎へは最終の1本前のバスで向かうことができました。
ただし、このルートでは、JR九州の日田彦山線代行バス、そしてやまびこ号という都市間特急バスを利用します。列車代行バスは、これまでのバス旅シリーズでも第11弾で名松線の代行バスを利用していましたので利用できると思いますが、原則予約が必要で座席定員制のやまびこ号を利用できるかは微妙なところです。
いわゆるデマンドバスと呼ばれる事前に予約を入れておかないと運行されない路線バスは利用できないようですが、定期ダイヤがあってその日、空席があれば乗ることができる座席定員制の都市間バスは利用できるというのが、何となくこれまでのバス旅ルールのようです。これまでのバス旅でも第23弾でこのやまびこ号を利用していますし、第25弾やZ第10弾、Z第17弾では山形交通の48ライナー、Z第7弾とZ第17弾では岩手県北バスの106急行という予約が必要な都市間バスを利用していました。というわけで、このルート検証でもやまびこ号で移動ができると判断しました。

まとめ

このとおり、実際ルートが辿った博多経由ですと、福岡・熊本県境区間で乗り継ぎに苦労し辿り着きませんが、行橋を回って、添田から列車代行バスを利用し、さらに都市間バスを乗り継いでいくルートを探し出したことで、無事に枕崎まで3泊4日でゴールできることがわかりました。こうして別ルートを編み出すのはこの検証作業の醍醐味です。

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(トップ画像は「CraftMAP」さんの白地図を使わせていただいております)

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