富士を望む鉄道-鉄道風景写真館
「一富士・二鷹・三茄子」……初夢で見ると縁起がよいとされるものの例えです。それが故に、年賀状に富士山の写真を使われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
新年早々、大地震や飛行機事故など、心を痛める出来事が続いていますが、もう悪いことは出尽くして、後はいいことがたくさん起こればいいなと心から思います。
そこで、これからの前途を寿ぐ意味で、2024年最初のnoteは、これまで私が撮りためてきた「富士山と鉄道」をお届けしたいと思います。
①多摩モノレール
まずご紹介するのは多摩モノレールです。多摩センターから上北台までを南北に結ぶモノレールは随所で富士山を望め、ダイヤモンド富士が見えることもウリのひとつです。そしてこの路線は「日本夜景遺産」にも認定されるほどの絶景路線。冬場はきれいなシルエット富士を見ることもできます。この写真の撮影地は柴崎体育館-甲州街道間の立日橋です。
②中央線・立川-日野
多摩モノレールが撮れる立日橋から10分も歩かない場所には中央線の多摩川橋りょうがあります。こちらからもきれいな富士山を見ることができます。シンプルなガーダー橋なので障害物もありません。河川敷の広い運動広場の向こうを、朝日を浴びながら新宿を目指す特急あずさが駆けていきました。
③御殿場線
続いてご紹介するのは、おそらく富士山が一番きれいに見えるであろう路線と思っている御殿場線。ご紹介するのは足柄-御殿場間の有名ポイントですが、駿河小山あたりから御殿場を抜けて裾野、岩波、下土狩なども富士山が見えます。そして、御殿場側の富士山は冠雪している面積が大きいことも魅力のひとつです。
④伊豆箱根鉄道駿豆線
朝方、御殿場線で富士山を撮影した後に足を伸ばすことが多い伊豆箱根鉄道ですが、そこで一番有名なポイントがこの大場駅手前のカーブでしょう。ただ、いつも到着がお昼前くらいになるからか、富士山が雲に隠れてしまうなど、難しいポイントでもあります。何度か行っていますが、満足に富士山が撮れたのは1~2枚くらいです。
⑤岳南電車
沿線全ての駅から富士山が見えることで知られる岳南電車。こちらも富士山の近さがウリの絶景路線です。かつては製紙工場からの貨物列車が多数運行されていましたが、今はローカル列車のみ。元京王3000の改造車が走っています。昼は富士山を眺め、夜は「日本夜景遺産」に認定されている工場夜景を楽しむ。岳南電車は一日いても飽きません。
⑥身延線
静岡県の富士駅から北上し、富士宮を経て、山梨県の甲府までを結ぶ身延線も富士山に近く、絶景が楽しめる路線です。特に富士宮を過ぎてから山梨県との県境へ向けてぐんぐん坂を上る区間では右に左に富士山が見えて実に楽しいです。この辺りから見る富士山は最高峰剣ヶ峰が正面に見えて、関東から見る富士山とは少し違った形に見えます。
⑦東海道新幹線
東京から東海道新幹線に乗る時は、私は決まって進行方向右側の座席を選びます。なぜなら、富士山が見えるから。冬場の冠雪した富士山は旅行気分を盛り上げてくれます。そして新富士駅を通過した後に見えてくるのがご紹介する富士川鉄橋。ここを渡ると新幹線は少し南へ線路を振って、富士山はやがて見えなくなります。
⑧東海道本線
かつての大動脈東海道本線。ブルートレインが走っていた時代から、富士山と絡められるポイントが先人たちによって開拓されてきました。今回ご紹介するのは富士川駅を出た列車がカーブに差し掛かる跨線橋。線路の脇の土手には桜並木があり、春の時期は桜と富士山を絡められるポイントとして有名です。私もいつかは撮ってみたいと思います。
⑨静岡鉄道
静岡県の県都・静岡市まで来ると、だいぶ富士山は遠くなります。しかし、そんな静岡市でも、東静岡駅や、静岡鉄道の随所で富士山を望めます。静岡鉄道の柚木駅そばの歩道橋からは、国道脇を走る電車と道路の延長線上に見える富士山を絡めて撮ることができます。やってきた列車は清水出身で「ちびまる子ちゃん」の作者・さくらももこさんカラーの1000系でした。
⑩富士山麓電気鉄道
今度は山梨県側から。富士山を静岡県側から見るか山梨県側から見るか、どちらが美しいか、なんて論争があったりしますが、どっちも美しいです。中でも一番富士山に近づいて見えるのが富士山麓電気鉄道。富士急行と言った方が馴染みがあるかも知れません。ここ三つ峠-寿間のポイントは超有名撮影地。私が訪れたこの時は30名ばかりのカメラマンが集結しました。
⑪小海線
中央本線に乗って旅をしていると山の向こうに富士山のてっぺんだけがちらほら見えるのですが、小淵沢近辺では比較的その姿がはっきり見えます。こちらは中央本線を撮るポイントでもありますが、小淵沢駅を出たばかりの小海線の列車も撮ることができるポイントです。日本最高所を走る高原列車・小海線の旅路を、富士山が後押ししているかのようです。
⑫中央本線
最後は中央本線。上の方で立川-日野間の中央線をご紹介しましたが、こちらは山梨県。韮崎駅のホームからは雄大な富士山を真正面に望むことができます。この日は夕刻まできれいに富士山が見えていてくれ、見事な赤富士になりました。特急あずさ号がカーブをしながら、韮崎駅に入線してくるところをとらえました。
むすびに
富士を望む鉄道-いかがでしたでしょうか。富士山と鉄道は多くの先人たちがテーマとしてきた被写体で、それ専用の本やブログなどもありまして、私では遠く及ばない素晴らしい作品の数々がありますので、ぜひご興味ある方は検索してみてください。これからも、車窓の友として、被写体のテーマとして、富士山と鉄道を撮っていきたいと思います。
(掲載写真はすべて筆者撮影。なお、既に引退した車両が写っている場合がや環境変化により撮影できなくなっている画角があることがあります)
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