【検証】ローカル路線バス乗り継ぎの旅第15弾(米沢⇒大間崎)
シリーズでお送りしている「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」を今のダイヤで行ってみたらどうなるのか、の検証記事、おかげさまで、多くの方にご覧いただいておりますが、今回は第15弾を検証してみます。
第15弾は2013年8月に放映されました。マドンナはさとう珠緒さん。雰囲気や行動パターン、リュックサックのヒモのよれ方まで、蛭子さんによく似ていて「エビ子」と太川さんにあだ名されていましたが、後年、「太川・蛭子の旅バラ」内のバス旅ラストラン(蛭子さん引退回)で、蛭子さんお気に入りのマドンナとして加藤紀子さん、熊切あさ美さんと併せて呼ばれていたこともあり、蛭子さんとしてもお気に入りのマドンナだったことが窺えます。終始楽しげに会話が盛り上がっていて、また、バス旅ファンにはおなじみ、野辺地駅の「松浦食堂」での再会もあって、大変思い出深い回だったと思います。
第15弾の実際ルート
このように、あとバス1本というところまで来ながら、やむなく打ち止め。失敗ということになりました。ここまで最多タイの4連勝で来ていただけに最多連勝記録更新とはいかずに残念な結果になりました。炎天下、途中、米沢を出てすぐと、山形・秋田県境で長距離の歩きを挟み、かなりしんどそうな回でした。
2022年のダイヤ検証
それでは、2022年のダイヤで行ってみたらどうなるでしょうか。もしかすると10月1日付でダイヤが変わっているかも知れませんが、9月に調べたダイヤで検証してみます。
実際ルートが旅をした南陽病院・小滝経由で行くと、小滝で4時間待ちとなり、実際ルートと同じく新庄までは到達できますが、新庄着が20時を過ぎており、そこから宿泊地を探すのは難しいかも知れません。もう少し早く新庄に到着できるルートはないものかと調べてみましたら、次のようなルートがありました。
このルートですとおよそ1時間早く新庄に到達できます。しかし、中川から上山市の高松温泉まで8kmを歩く必要があり、既に川西診療所から置賜総合病院まで6km歩いた直後であることを考えると、1時間の早着のために8km歩くのはなかなか体力的に厳しいものと思われます。
2日目、実際ルートでは金山へ行き、そこで猛ダッシュでのギリギリの乗り継ぎで真室川駅へと向かっていますが、現在のダイヤでは新庄駅前7時10分発の朝イチのバスで金山病院へ向かっても、金山病院到着は7時39分、一方、真室川へ向かう町民バスは7時27分に金山病院を出てしまっており、その後は午後までバスがないため乗り継ぐことができません。そのため、バス旅Z第17弾で使用した鮭川村役場を通るルートで真室川へと向かいます。
また、実際ルートでも苦労し、蛭子さんの疲労困憊具合が心配にすらなった山形・秋田県境は、やはり徒歩で越えないといけません。しかも13kmを3時間で歩ききる必要があり、途中で休憩を挟むことは難しそうです。仮に横堀駅前13時50分発に乗り遅れると、この日は大曲までしか行けません。ですが、その後の行程で追いつくこと自体は可能です。
現状、田沢湖から玉川温泉を通って鹿角花輪へと抜けるバスは田沢湖駅前13時20分発の1本のみです。10月16日までの季節運行です。羽後交通のホームページでは「八幡平線は運休」と書いてありましたが、一方の秋北バスのホームページでは「運行期間2022.4.16~10.16」とありますので、ここはこのバスがあるものと仮定して先に進みます。蛇足ですが、このように各社のホームページをよく見ないとなかなか時刻がわからないのが路線バス利用の阻害要因なんでしょうね。
さて、実際ルートでは、鹿角花輪駅前の案内所での聞き込みに失敗し、翌日お昼近くの十和田湖まわりのバスを選択してこの日は大湯温泉で宿泊しました。後ほど検証しますが、十和田湖まわりではゴールができないので、この日は大館まで進むことになります。
最後、むつバスターミナルから大間崎へと向かう最終バスは17時10分発です。何としてもこの時間までにむつに到着している必要があります。大館宿泊とすると、途中でバス旅第7弾で通った矢立峠を越え、弘前から青森空港を経由して行くと、青森駅で下北交通の青森~むつ間の長距離路線バスに間に合うことができます。
青森空港へのバスは、青森空港有料道路を通りますが、高速道路ではないので利用可能と判断しました。青森空港経由で行かないと青森駅発13時のこの長距離バスに乗れず、結果的には実際ルートと同じく大畑駅で打ち止め、失敗となってしまいます。
実際ルートと同じく十和田湖まわりで進んだ場合
それでは、鹿角花輪の案内所で聞いた十和田湖まわりで進んだ場合はどうでしょうか。
なんと、今のダイヤではむつはおろか、野辺地までしか到着できないことがわかりました。
実際ルートでは、十和田湖経由で進むものだという先入観に加え、大館経由を検討した際に、歩きを挟んでもよいので先に進めるルートを案内所で聞き出せなかったことが敗因と思います。案内所のおばさんが「無理、ない」と言ってききませんでしたので、それ以上の問いかけが難しかったのかも知れませんが、「案内所とのコミュニケーションが大事」と言っていた太川さんにしては惜しまれるミスだったように思います。
まとめ
ということで、大館駅ルートで進むこと、青森空港を経由することにより、大間崎まで行くことが可能ということがわかりました。とはいえ、山形・秋田県境の長距離の徒歩など、厳しい行程には変わりありません。また、玉川温泉を越えるルートは夏場しか運行しないのに加え、観光需要が激減している今では運行されない便もあるようで、なかなか厳しいルートと言えると思います。
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(トップ画像は「CraftMAP」様の白地図を使用させていただいております)
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