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あの日、あの街で、彼女は。

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【2023.4.2〜日曜日に更新】 前職の営業時代エッセイを書いています (※マガジン画像は、都内某駅で撮影した夕暮れどきの写真)
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あの日、あの街で、彼女は。〜プロローグ〜

東京、とうきょう、トーキョー、TOKYO 2017年の春、「東京」への憧れを4年ぶりに果たすことが…

あの日、あの街で、彼女は。〜大井町駅〜

尻拭いの行方と、梅雨のある日。 「前にも御社のAさんって人が訪問に来てくれたんだけど、な…

あの日、あの街で、彼女は。〜大塚駅〜

高低差、温度差、忘れられない一日。 山手線池袋駅の一駅隣の大塚駅、都電荒川線という路面電…

あの日、あの街で、彼女は。〜馬喰横山駅〜

営業人生はじまりの地。 ー2017年4月3日(月)入社式 鎖骨にかかる長さの髪を内巻きにして、…

あの日、あの街で、彼女は。〜下落合駅〜

目まぐるしい変化の狭間で。 「しもおちあい」耳馴染みのない駅だった。西武新宿線の3駅目、…

あの日、あの街で、彼女は。〜恵比寿駅〜

罪悪感に駆られた金曜日。 恵比寿駅は、彼女が通う美容院の最寄駅だ。上京してすぐの頃、お気…

あの日、あの街で、彼女は。〜浜松町駅〜

道、人、食べ物。思い出が凝縮された街。 お盆明け、照りつける太陽の下、産休育休に入る先輩の引継ぎから始まる。新卒の頃からお世話になった、大好きで憧れでえくぼが可愛い先輩。浜松町で担当したのはたった1社だけ、たった1人だけ、たった1年半だけ。思い出の濃さは、質量と比例するとは限らない。 「浜松町駅」と区別がつかなかった「浜町駅」に通い始めて約1年後、ようやく片割れの街に降り立った。山手線だけでなく、東京モノレールで羽田空港間を繋いでいたのは初知りだった。 JR南口改札を出

あの日、あの街で、彼女は。〜自由が丘駅〜

おしゃれな街に再訪のとき。 「自由が丘」という言葉の響きがすでにおしゃれだと思うのは、彼…

あの日、あの街で、彼女は。〜九段下駅〜

曖昧な思い出に潜む、白いもの。 ドラマを観ながら、既視感の正体に気づく。言語化できないけ…

あの日、あの街で、彼女は。〜初台駅〜

ときには、記憶の輪郭をあやふやにしておいたほうがいいのかもしれない。 ハッキリくっきり鮮…

あの日、あの街で、彼女は。〜本所吾妻橋駅〜

ブラシスを組んだ新卒が連れてきてくれた街。 「でっか!」思ったことがそのまんま声に出て、…

あの日、あの街で、彼女は。〜池袋駅〜

足繁く通って築いたもの、取り返したもの。 人生初めての池袋といえば、家族に連れられたサン…

あの日、あの街で、彼女は。〜五反田駅〜

真っ黒のリクルートスーツ姿の新卒が2人。 上京して2ヵ月。まだまだ知らない駅だらけで、頭の…

あの日、あの街で、彼女は。〜水天宮前駅〜

平成最後の桜を覚えていますか。 平成から令和に元号が変わった2019年。4月1日に新元号が令和だと発表があり、5月1日に令和に変わった。平成初期戌年生まれの彼女は、この先も漠然と「平成」が続くものだと思っていた。今ではすっかり平成もレトロ扱いだ。 水天宮前駅はその名の通り、水天宮がある。安産祈願と子宝で有名らしい。渋谷駅から押上駅まで都内を横切る東京メトロ半蔵門線だけが止まる。 水天宮とは真逆方面に向かって歩く。先輩からの引継ぎだったけど、担当者からのリスケが相次いだ結