【中学受験】1クラスの適正人数について
学習相談をしていると、様々な学習塾のクラス人数についてお話を伺うことができます。それを聞くと、私が大手学習塾で経験してきたことと照らし合わせると、「どうなんだろう?」と思うこともあるので、学習相談でお話しさせていただいている1クラスの適正人数について、記事にまとめてみようと思います。
大手学習塾時代、様々な人数のクラスで授業をしてきました。その中で、私の感覚で申し上げると、1クラスの適正人数は12人~16人です。12人よりも少ないと活気がなくなり、16人を超えると徐々に生徒の様子が把握できなくなります。
人数が少なければ、しっかりと個人を把握して指導できて、指導の質が上がるかというと、そういうわけでもありません。少なければ少ないで、生み出せない教育効果があるものです。
集団授業をしていると、生徒たちの反応に助けられることがあります。授業に対して、生徒が質問をしてくれると、それに対して答えることで指導の質を高められます。人数が少なければ少ないほど、その活気が生まれにくいです。その意味で、12人くらいいると授業がしやすかったです。
人数が少ないことの良さもありますが、人数が少ないと生じない教育効果は多いので、集団授業をするのであれば、12人程度はいてほしいというのが本音です。以前の記事でも書きましたが、小規模学習塾には小規模学習塾の弱点があるものです。
逆に16人を超えると、徐々に生徒の様子が把握できなくなります。個人的には、20人が限界です。それ以上多いと、「中学受験指導」をするのは難しいです。それが中高大学生になれば、ある程度自律して学習する能力が高くなるので、その人数で成立するかもしれませんが、小学生に中学受験の難易度の指導をするとなれば、どんなに頑張っても20人が限界です。
唯一、20人以上で授業が成立すると感じたのは、最難関校を目指せる子たちが集まるクラスです。その時だけは、私も授業をしていて違和感がありませんでした。あくまで、私の個人的な感覚に過ぎませんが、SAPIX偏差値55を超えるレベルにいる子が集まるクラスであれば、成立するかもしれません。
そんな感覚で学習相談をしていると、たまに他塾の人数編成に「1クラスの人数が、そんなに多いのですか!?」と驚くことがあります。当たり前のように20人を超えている話を聞きます。「全体でそれなりの人数がいるのであれば、クラスをもう一つ増設すればいいのに…」と思うのですが、そうできない事情があるのでしょう。それはそれで、理由は何となくわかりますが…
学習相談でそういったクラス状況を聞きますと、そのご家庭の子が上手くいっていない原因の一つに、「クラス人数の多さ」があると考えております。それでお通いの学習塾にモヤモヤを抱えている人には、転塾をお勧めするようにしています。
各学習塾の経営面を度外視して考えますと、適正人数を超えている学習塾にお通いの方が転塾することでクラス人数が適正化されれば、残留する子も転塾する子も両方とも幸せになる可能性があると考えることもあります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?