【中学受験】1月の過ごし方@2022年の考え

 1月も半ばに差し掛かり、これから1月受験に挑む子も、すでに1月受験を受け終えた子もいると思います。2月が近づいてきて、いよいよ緊張感が増してきた頃です。1月受験に関する記事は、すでに以前書いているので、そちらを。

 さて、この時期に話題になるのは「小学校を休むべきかどうか問題」かと思います。今回は、そのことについて記事にまとめます。

 結論から申し上げると、「どっちでもいい」というのが本音です。現場では、それほど深く考えたことはありません。全ての子の動向を把握していたわけではないですが、これまでの塾講師人生で、それが勝負を分けたという実感はありませんでした。指導する側からすると、そこを真剣に考えたことはありません。

 とはいえ、コロナ禍以降の世間の風潮は「学校は休んだ方がいい」というものに変わっている気がします。保護者の方々の話を聞くと、どうやら小学校の先生も好意的のようです。そんな話を聞くと、「時代が変わった」と感じます。ということで、私自身の感情は抜きにして、「1月に小学校の授業を休む」という立場から、その注意点をまとめていきます。

   1.感染症対策になるとは考えない
 正直を申し上げて、「感染症対策のために学校を休む」という考え方はしない方がいいと考えています。確かに外部との接触を断ち切れば、それだけ感染のリスクは避けられるはずです。しかし、それほど神経質になる必要はないと考えています。
 現場の経験で言うと、感染症に罹るケースは0.01%も無いと考えています。10年以上、大手学習塾時代には年間200~300人程度の受験結果を把握してきましたが、その中で保健室受験となったケースは一件しか聞いたことがありません。その子も、1日は保健室受験でしたが2日目以降は普通に受験できたそうです。その子の場合、保健室受験をした学校には合格していました。
 もちろん、耳にしていないだけで罹患しながらも黙って受験した子がいるかもしれないですし、体調を崩して実力を発揮しきれなかった子もいるかもしれません。ただ、ここで申し上げたいのは「それは気にしても仕方がない」ということです。この問題に関しては、可能性を0%にすることは不可能です。0.0000…%まで少なくすれば心が休まるのかと言えば、答えはないはずです。結局は開き直るしかありません。
 それであれば、最初から気にしないにかぎります。感染症への不安でストレスを感じていることの方が、かえって損だと思います。どんな形でも、結局は規則正しい生活を心がけることだけが、唯一の感染症対策だと考えます。
 ゆえに、学校を休むうえで大切なのは以下の点です。

   〇本番の試験時間に合わせた就寝起床の習慣は崩さない。
 学校に行かないで良いからといって、朝起きる時間をルーズにすると、受験本番に身体が対応できなくなることもあります。何があっても、試験本番と同じ生活習慣は崩さないようするべきです。

   〇食生活は、絶対に崩さない。
 
学校に行かないからといって、食事をルーズにするのは禁物です。ついついお菓子をつまんだり、ジュースを飲んだりと、食生活のリズムを崩して規則正しい食事ができないと、体調不良の原因にもなりかねません。

   〇身体は、外の環境に慣れさせる。
 学校を休むとはいえ、太陽の光を浴びたり、外の空気に身体を馴染ませたりする時間は作った方が良いです。正月などで家に籠っていると身体が思うように動かなくなり、かえって具合が悪くなることを経験した人は多いのではないでしょうか。そのようにならないためにも、外気に触れる機会を作ることをお勧めします。

   2.受験対策と割り切って休むべき
 ほとんどのご家庭が「感染症対策」というのは口実で、「受験対策」という方が重要な意味を持つと思います。昔は、中学受験生も少なく、また「学校を休んでまで…」という子も少なかったため、どこか人の目が気になり、後ろめたさを感じていたと思います。しかし、今の時代は受験生も増え、地域によっては受験生の方が多い地域もあります。またコロナ禍以降は直前に学校を休むことも文化になりつつあるのか、保護者様からの話をうかがうと、今は学校の先生も休むことに好意的だそうです。昔の先生には、そういう欠席を嫌がっていた人もいました。
 それであれば、「受験対策のために休む」と割り切って考えた方が良いです。子供にも「感染症対策のために休んでいるのだが、ついでに勉強しなさい」というよりも、「この期間は他の子と同じように、最後の追い込むために休もう」と伝えた方が、勉強に打ち込みやすいと考えます。子供への動機の与え方は、よりシンプルでわかりやすいものの方が好ましいものです。「受験勉強をするために休む」と割り切って考えた方が「時間を無駄に過ごさないようにする」という意識が明確になるはずです。ゆえに、覚悟を決めて「受験対策のために休む」と親子で意思確認をした方が、子供も覚悟を持って勉強するはずです。

 そこで、残り期間に家庭学習で追い込むときのポイントです。

   〇国理社の知識学習を入念に行う
 学校に通っていると時間を割きづらい知識学習に打ち込むべきです。合格者最低点を突破するために必要な点数は、どの教科で積み上げても同じです。その意味で言えば、最後に点数が積み上がる確率が高いのは理社の知識が重要になります。それで、2~4点積み上がるだけでも景色が変わるものです。ゆえに、知識の学習が合理的な時間の使い方になると考えます。
 当然、国語の漢字知識についても同じです。学校によっては、漢字や知識をまとまった形で出題する学校もあります。そういう学校を受験する場合は、この時期に追い込んでおくことが可能性を高めます。

   〇難しい問題は扱わない。
 特に算数の話になりますが、家庭学習では難問を扱わない方が良いです。そこで消化不良を起こし続けると、かえってネガティブな気持ちになっていってしまう危険性があります。もちろん、簡単な問題ばかり行っても、難問は解けるようになりません。ただ、そこに踏み込んでリズムを崩すようなことになれば意味がありません。それであれば、基礎基本を固めて本番での取りこぼしを減らすようにした方が効果的な学習になります。それは、国語の読解、特に記述問題も同じです。そういった難問を扱うのは授業の時間に任せて、家では簡単な問題を中心に扱って、子供に自信を持たせた方が良いです。

 受験まで、残すところあと少しとなりました。中学受験は、全員が良い結果を手に入れられる取り組みではありませんが、その子の人生を長い目で見れば、全員が良い過程を手に入れられる取り組みだと考えています。全員の受験が、その子の人生にとって良い経験となることを願っております。

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