【入試分析】カリタス女子 2024年 第1回

 カリタス女子の2024年第1回を講師陣で解き、感想をまとめてみました。

※難易度は、五段階で評価します。
    解なくてもよい=☆☆☆☆☆
    解なくてもよい=☆☆☆☆
     合格を左右する=☆☆☆
       合格に必須=☆☆
  解けることが受験資格=☆


大問1

(1)(2)☆

落としていては、受験資格がありません。

(3)☆

小学校の算数の理解で解ける問題です。
中学受験レベルではありません。

(4)☆

三角形の内角の和が「180°」だということを理解していれば解ける基本問題です。
「180°-54°=○×2+●×2=126°」となるので、「○+●=63°」になります。
ゆえに、「ア=117°」です。
中学受験の勉強をしていない小学生でも解ける可能性のある問題です。

(5)☆

この問題は、中学数学の数直線の理解を促す導入と考えます。
現象を少しだけ違う日本語で表現します。
「同じ日数で、1日6問ずつしか解かないと10問残ってしまい、1日8問ずつ解くと20問(解かなかった2日間も8問解き、1日は後4問解けるから)多く解いてしまいます。」
この場合、原点Oが「算数の宿題の問題数」となります。それに対して1日6問の点は「-10」となり、1日8問の点は「+20」となります。1日解く問題数(係数)を「2」変化させると、絶対値が「30」変化することがわかります。
ゆえに、その変化量を生み出せる解は「15」となり、それが冬休みの日数になります。
実際は、中学数学で学ぶ用語は使いませんが、中学進学後に困らないように、ついでに数直線の概念を理解させておきたい問題です。


(6)☆

簡単な割合の問題です。
中学受験の勉強をしていなくても、小学校の勉強を真面目にやっている子は解けます。

(7)☆☆

定番の問題です。
変化しない数値に注目し、変化前の比と変化後の比を揃える問題です。
今回の問題の場合は、姉妹の所持金の合計が変わりません。
変化前が「5:1」で全体が「6」、変化後が「3:1」で全体が「4」となり、それを揃えることで、動かした800円の比が出てきます。
この問題は学習量でカバーできるので、解けなかったら努力不足です。

(8)☆☆

「『比』で理解する」という問題ではなく、「『比』を理解する」という問題だと考えると良いです。
Bの直径はAの3倍とあるので、仮に「6cm」とすれば、Aの半径は「1cm」、Bの半径は「3cm」となります。高さについても、BはAの2倍であるので、Aは「1cm」、Bは「2cm」となります。
その計算で体積を出せば、何倍かということがわかります。
ここで大切なのは、「わかりやすい数値に置き換えて考える」という思考法です。
「比」の理解が覚束ない子には、「具体的な数字に置き換えて考えてみる」という作業を課すことで「比」の理解を促すことができます。
ゆえに、出題者の意図は「『比』で理解する」ではなく、「『比』を理解する」というものだと考えます。
小学校の算数で「『比』比が具体的数値を帯びている」ということを理解してしまった子であれば、この問題も中学受験の勉強をしていない子でも解けます。

(9)☆☆☆

四角形ABQPも四角形CDSRも「高さ」が共通というところに目を向けられるかがポイントです。
「高さ」が共通なので、辺AP(BQ)と辺CR(DS)の長さの比は四角形の面積比と「1:2」となります。
それが成立するように辺の長さを設定すれば、答えにたどり着きます。

(10)☆☆

「公倍数」の基本問題です。条件に合う最初の数字が見つかれば、以降は「4」と「7」の最小公倍数毎に条件の数字が出てきます。
数字が大きいのでミスする子はいると思うので、その分「☆☆」としています。

大問2

(1)☆

「速さ」の公式と「時間」と「分」の単位換算が出来れば秒殺です。
真面目に小学校の算数を勉強していれば解けるレベルです。

(2)☆

AとBの関係性が生じただけで、考え方は(1)と同じです。
真面目に小学校の算数を勉強している子であれば、中学受験の勉強をしていなくても解けます。

(3)☆

(2)まで解けていれば、普通に考えるだけです。
算数の問題というよりも、生活の基本能力を試されているだけだと考えましょう。

大問3

(1)☆

表を読むだけです。
小学校の算数が出来る子は解けます。

(2)☆☆☆

算数というよりも、国語の問題という感じです。
文章を理解できていれば、中学受験の勉強をしていなくても解けるはずです。
平均を出すところは多少手間が掛かりますが、難しいわけではありません。
ただ、リード文の長さに難しく考えすぎると点を落とす危険性があるために「☆☆☆」にしました。
この手の問題は、テキストではあまり見かけないので、過去問演習を進めていく中で慣れていきましょう。

大問4

(1)☆

同じ金額で買える個数の逆比が、それぞれの一個の値段の比であることに気付く問題です。
中学受験の基本問題です。

(2)☆☆

(1)が解けていることが前提になる問題です。
その比が「2:3:8」になるので、所持金の比は「216」となります。
1セットの代金は「13」になるので、割って終わりです。
(1)が解けていることを前提にする分だけ「☆☆」にしました。
「比」を理解できていれば簡単な計算になるので、失点したくはありません。

(3)☆☆☆

「216」で「13」のセットを作ると「8」だけ所持金が余ります。
その「8」に250円を足すと、もう1セット作れるので、「5」が250円ということがわかります。
(1)(2)が出来ていることが前提になっているので、「☆☆☆」としました。

大問5

(1)☆☆☆

重ねたときの図形が、辺ADの4cmを高さとすることがわかれば、頂点DEFPを含む五角形の面が底面にして考えるだけでになります。
その面を平面図形で理解し、相似比から求めるべき底面積を出せれば解けます。
それほど難しいことは問われていないので出来てほしいですが、「カリタスの合格に必要か?」と問われれば「必要ない」と答えられそうです。
ゆえに、一応「☆☆☆」としました。

(4)☆☆☆☆

重なっている部分が三角錐になるというイメージができるかで勝負が分かれます。錐体になる切断をイメージできない子は多いので、カリタスを目指すという観点で考えれば、解けなくても問題ありません。
逆に、この問題がスムーズに解けるのであれば、もう一つ上の難易度の学校に挑戦できると思います。

総括

[ポイント]

中学受験の勉強をしていない子でも解けるであろう問題もあり、それ以外も一行問題集レベルの問題が多く、とにかく基礎的な問題を徹底していれば、合格に必要な点数は取れそうです。
特にひねった問題があるわけではなく、真面目に努力したなら突破できる構成になっていると思います。
難しいことには手を着けずに、地道に基礎的なテキスト学習を積み重ねてください。

[テキスト]

難しいことは、一切必要ありません。
『新演習』ですらカリキュラムを無視して着実に進めて良いレベルです。
況や『予習シリーズ』をやです。
合格実績は日能研が一番多いので、日能研に頑張ってついていけば問題なく合格するのでしょう。
日能研のカリキュラムですら、完璧を目指す必要はありません。

[模試]

合判模試に対応出来ていれば十分です。
日能研の合格力判定テストに対応できれば尚良しですが、対応できなくても問題ないと思います。
その2つで十分です。

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