【2025年受験】攻玉社の併願戦略について

 学習相談の手間を省く、「併願戦略」戦略シリーズです。
※記事内の偏差値について、日能研と四谷大塚は結果偏差値、SAPIXはvol.1の偏差値表を参考にしています。

今回は、攻玉社について考えていきます。

私たちの教室で推している学校の一つです。


基本的な考え

 どこも変わらないのですが、基本は攻玉社も通して受験することです。

1日/午前:攻玉社/午後:
2日/午前:攻玉社/午後:
※特別選抜は考えない

攻玉社は、偏差値表を見ると2日の偏差値が高く、1日チャレンジ層には手が届かないように見えます。しかし、「熱望組」の優遇を明言しており、その優遇の仕方は、2日の合格に届きそうになくとも可能性のあるものになっています。

第1回・第2回連続受験者を、本校では“熱望組”と呼んでいます。熱望組の受験生は、合格最低点に達していない場合でも、ある範囲で点数をプラスし、合格最低点に到達すれば正規合格として発表します。(第1回の成績と第2回の成績でどちらか合格最低点に近い点を基準とします)
具体的には、第1回の合格最低点が180点で本人の成績が175点、第2回の合格最低点が190点で本人の成績が180点だったとして、仮に加算点を5点とした場合、第1回の本人成績に5点を加えると合格最低点180点となるため、175点でも合格とします。(第2回の発表で合格とします)
加算点は毎年変わりますし、この範囲も人数も毎年変わります。

攻玉社「FAQ」

 ゆえに、2日の偏差値に届いていなかったとしても受験することが大切です。
 また攻玉社の場合は「1日午後を受験しない」という選択もあります。もし、腕の良い家庭教師を雇っているのであれば、1日に受験した問題をその日のうちに直して、次の日に臨むという戦略もあります。攻玉社だけを見るのであればそういう戦い方もあります。ただ、3日以降の戦いを考えると、現実的には午後で合格を取っておくというのが現実的だとは思います。

併願校について

 併願校を考える上で、ここでは男子校を熱望しているという条件で考えていきます。共学校で併願先を考えるのは、居住地域によって考え方が変わりますので、今回の記事では「多少遠くても、男子校に通いたい(通わせたい)」と考える御家庭にあわせて考えます。

[成城]

 攻玉社を受験し終えた3日以降の日程を考えると、併せやすいのは成城です。

3日と5日の2回を受験することができます。

1日/午前:攻玉社/午後:
2日/午前:攻玉社/午後:
3日/午前:成城 
4日/午前:
5日/午前:成城

成城は1日にも受験日がありますが、3日の方が定員が多く、3日の合格者最低点の方が低くなることもあるので3日に受験しやすい学校です。また、複数回受験の優遇は無いと学校が明言しているので、3日からでも戦いやすいです。

合否判定に、複数回受験したかどうかは考慮されません。

成城「入試Q&A」

 ただ、不可解なのは日能研・四谷大塚とSAPIXで偏差値が異なることです。日能研・四谷大塚では、3日5日ともに偏差値55であるのに対して、SAPIXの3日は偏差値49、5日は偏差値50になっています。1日は、日能研が偏差値50、四谷大塚が偏差値51、SAPIXが偏差値42になります。この偏差値の差が、どういう理由で生じるのかがわかりません。その点、複数回受験の優遇が存在するのではないかと疑いたくなるところはあります。1日から受験した方が有利なのであれば、攻玉社と成城のどちらを第一志望にするかは、最後まで悩んで良いでしょう。
 とはいえ、現実妥当な併願パターンとして考えられるのは、成城が一番手だと考えます。

[獨協]

 次に考えられるのが、獨協です。

4日の日程に差し込むことができます。

1日/午前:攻玉社/午後:
2日/午前:攻玉社/午後:
3日/午前:成城 
4日/午前:獨協
5日/午前:成城

日能研で偏差値50、四谷大塚で偏差値51、SAPIXで偏差値43なので、攻玉社を第一志望にする子には現実的な選択肢になります。問題の難易度も少し下がるので、疲れが溜まってくる中でも戦いやすいです。
 ただ、1日午後は受験しない方が良いです。ここは評価が定まりません。数年前までは併願していい日程でしたが、ここ2年で受験層も問題の難易度も変わったと考えています。四谷大塚では偏差値54と出ていますが、日能研は偏差値57、SAPIXは偏差値48です。ズレが大きすぎて、何を信じていいかわかりません。攻玉社は1日2日の連戦なので、1日午後に獨協に向かうのはリスクが大きいと考えます。攻玉社を第一志望にする場合、2日の獨協も受験できないので、第三志望になるかどうかの検討をするくらいになります。優先順位が高くなるなら、そもそも論として1日2日から検討してください。

ちなみに、4日は高輪も受験できますが、今回は外しています。

4日の高輪は、日能研で偏差値55、四谷大塚で偏差値56、SAPIXで偏差値49です。高輪は、特に不利な複数回優遇はありません。

特にありません。ただし、2回目・3回目の試験で合格した受験生も多くいます。なお、入学手続終了後に入学辞退者が出た場合、複数回受験者の中から繰上合格者を出すこともあります。合格発表時に、補欠合格者を出すことはありません。繰上合格者には、例年2月14日頃までに電話で連絡いたします。

高輪「Q&A」

しかし、攻玉社を第一志望にする層にとっては、高輪はもう攻玉社とどちらを第一志望にするかを考える難易度になっています。ゆえに、「併願」という括りでは触れません。

[佼成学園]

 獨協が難しいとなると、選択肢に浮上してくるのが佼成学園です。

日能研は偏差値55、四谷大塚は偏差値52と決して低いわけではないですが、SAPIXでは偏差値37なので、攻玉社クラスのには戦いやすい学校です。今年は、すでに問題の難易度を上げるという話を耳にしていますが、まだ戦いやすいです。

1日/午前: 攻玉社/午後:佼成学園
2日/午前: 攻玉社/午後:佼成学園
3日/午前:佼成学園
4日/午前:  獨協
5日/午前:佼成学園

佼成学園の場合、仮に1日午後で厳しい結果になったとしても、5日まで受験するチャンスが豊富です。複数回受験者への優遇があるかは説明会などで確認していただきたいですが、問題の慣れの面など有利はあると思います。また、攻玉社を目指せるだけの実力があるのであれば、合格する可能性は高いです。1日午後に佼成学園を押さえられるのであれば、3日以降成城にチャレンジする線が復活します。

[京華]

 サピックスオープンの対応力次第では、午後に佼成学園を受験することにリスクが無いわけではないので、その場合は京華も考えていただきます。

 自由が丘近郊からは若干遠いのですが、それ以上に遠い足立学園は勧めづらいです。

となると、京華がギリギリ通学圏内になるかと考えます。攻玉社を目指せるレベルであれば、京華はある程度余裕があると考えます。

1日/午前:攻玉社/午後:京華
2日/午前:攻玉社/午後:京華
3日/午前:成城
4日/午前:獨協
5日/午前:成城

京華が気に入るのであれば、攻玉社と成城と獨協を掛け合わせる日程を最後まで押し通しやすいと考えます。

まとめ

 攻玉社の併願を考える上で重要なのは、ここ数年で成城・高輪の難易度が上がっていることを重く受け止めることです。ちょっと前までは、2校は攻玉社に併せやすかったのですが、今はそういう時代ではありません。3校を並べれば、まだ攻玉社が一段格上にいることは間違いありませんが、それでも2校が攻玉社の併願先かと言われると、それほどの差はないと感じています。男子校を熱望する家庭に関しては、獨協、佼成学園、京華まで、しっかりと見学しておくことをお勧めします。
 以上が、自由が丘を中心に男子校で縛った時の攻玉社の併願で考えていることです。中心軸を変えて共学校も考えるのであれば、話は変わってきます。そういう方は、気軽に学習相談にお越しください。


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