【2024年】東洋英和女学院の大学進学実績を眺めて

 「大学進学実績を眺める」シリーズです。今回は、東洋英和女学院の進学実績についてです。

これまでの記事は、マガジンにまとめています。


[基本設定]
現役合格者数と現役進学者数と卒業生数を、全てHPにおいて公表している学校を対象としている。
[東洋英和女学院の基本情報]
卒業生数:188名
偏差値 :SS47(2024年 SAPIX vol.1 2/1)

国公立の進学実績について

まずは、国公立(東大含む)についてです。
【進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
15名:16名:93.75%:7.98%

 東大については、以下になります。
【進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
2名:2名:100%:1.06%

 これまでに記事にした洗足・頌栄と比較すると、若干見劣ります。国公立の進学率が10%を割っています。東大に関しては、頌栄が3名なので差はありませんが、頌栄と東洋英和の間には、一つ壁があるのかもしれません。

早慶上理の進学実績について

続いて、早慶上理の数値を見ていきます。

【大学名:進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
慶應  :26名:33名:78.79%:13.83%
上智  :13名:39名:33.33%:  6.91%
東京理科:  7名:  0名:  0.00%:  0.00%
早稲田 :15名:47名:31.91%:  8.00%
※50音順

早慶上理に関しても、頌栄よりは見劣りする結果になります。ただ、合格者が上智へ進学する確率は高くなっているようです。東洋英和の実績を見ると、上智は早慶と並んでいる印象があります。壁の向こう側と手前側の学校の合格実績では、大学のイメージも変わります。また、慶應と早稲田にも差が生まれるようです。おそらく、早慶を併願している生徒がいるのだとは思いますが、両方とも合格した場合は、慶應を選択するケースが多そうです。国公立受験者のどこまでが慶應に合格しているのかはわかりませんが、78.79%の確率で慶應に進学しているのは、興味深いデータです。

GMARCHの進学実績ついて

続けて、GMARCHについてです。

【大学名:進学者数:現役合格者数:進学者/合格者数:進学者/卒業生数】
青山学院:11名:39名:28.21%:5.85%
学習院 :  2名:  7名:28.57%:1.06%
中央  :  2名:12名:16.67%:1.06%
法政  :  3名:27名:11.11%:1.60%
明治  :  5名:39名:12.82%:2.66%
立教  :11名:50名:22.00%:5.85%

東洋英和でも、依然としてGMARCHの進学者の方が早慶の進学者の合計よりも少ないです。ただ、頌栄と比較すると、徐々に進学者の割合が増えてはいます。東洋英和になると、ほぼ確実に立教大学に進学できる立教女学院や香蘭女学校との天秤に掛かり始めるのかもしれません。
 また、宗教上の判断だとは思いますが、青山や立教は進学率が高いものの、依然としてその他の大学は今一つ人気が無いようです。ここまでくると、中学受験業界では「GMARCH」は意味をなさないんじゃないとすら思えてきます。少なくともSAPIX生は考えなくていいんじゃないでしょうか。

まとめ

 東洋英和も、50%強の卒業生が国公立早慶上理GMARCHへ進学しています。明確に区分されいてなかったので分析対象にしませんでしたが、医学部医学科に進学している卒業生も一定数います。その他にも、歯学・薬学・看護・獣医学などの専門分野や東京芸術大学の現役進学者、その他美大・音大などの進学者もいますので、学年の大半の生徒がある程度の志を達成しているのではないでしょうか。「GMARCHでは志半ば…」という人もいると思いますが、それは一般的な感覚に従い「頑張った」としてあげたいです。
 ただ、洗足・頌栄との間には、壁が一つあるようです。そのため、

・「東大・医学部を目指したい」➡洗足学園
・「早慶には行きたいな」➡頌栄女子学院
・「早慶に行ければいいけど」➡東洋英和女学院

という感じになるのでしょうか。まぁ、最終的には、どの学校の校風を気に入るかで決めればいいのですが。校風に差を感じず、「どの学校も素敵だわ」と思うのであれば、東洋英和女学院を第一志望にするのは、少しだけ心のゆとりが生まれるかもしれません。
 偏差値的にもそうですが、個人的な感覚では、東洋英和と洗足・頌栄には、問題の難易度にも壁があると感じています。もちろん「簡単だ」とは言いませんが、洗足・頌栄と比較すれば、まだ届きやすいかと。その点において、「中学受験」ではなく、「大学受験」やその先のビジョンの中で、「何が何でも東大・医学部を目指すんや!」みたいな温度はなく、「早慶に行ければいいけど、大学で縛ることなく自分の好きな道に進んでほしいよね」という御家庭は、場合によっては東洋英和の方が良いのではないかと思う次第です。
 洗足・頌栄の入試問題が解けなくても、人生が暗くなることはありません。それであれば、無理に解けるようにするために追い込むよりも、今の努力を認めてあげることの方が大切ではないでしょうか。SAPIXの偏差値47の学校を目指すとは、そういうことだと思います。


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