“How to set up on the ear?”オンジイヤーの当て方6つ(格闘技を始めるかもしれない息子に伝えたいこと32)
昨日、ボクシングのヘビー級の試合で“big upset”大番狂わせがあった。
ロンドンオリンピック金メダリストであり、プロ戦績22勝無敗のアンソニー・ジョシュアのIBF、IBO、WBAスーパー、WBO世界ヘビー級チャンピオンの座に初のメキシカンヘビー級チャンピオンを狙うアンディ・ルイスJr.(プロ戦績32勝1敗)が挑戦した試合だ。
ジョシュアは身長198㎝、リーチ208㎝、対するルイスJr.は身長188㎝、リーチ188㎝。身長で10㎝、リーチだと20㎝も差がある。
実績、体格差、見た目(ジョシュアはバキバキのアスリート体型、ルイスJr.はぽっちゃり型の力士体型でジョシュアよりも重い)からもジョシュアの勝ちだと誰しもが予想していた。
しかし、結果はルイスJr.が4度のダウンを奪い、7ラウンドTKO勝ち、メキシカン初の世界ヘビー級チャンピオンになった。
3ラウンドに右アッパーからの左フックでジョシュアが先にダウンを奪ったが、詰めに向かった際、距離を詰め過ぎルイスJr.の得意な近距離戦になった。
この瞬間がキーポイントだった。
ルイスJr.は、パンチの回転力を活かし左フックからのオンジイヤー2発で、たたみ込んできたジョシュアから逆にダウンを奪った。
ルイスJr.は、7ラウンドにオンジイヤーと左フックの連打で、3ラウンドのダウンのダメージが抜けきらないジョシュアから2度のダウンを奪いTKO勝ちした。
Twitterのアイコンにするぐらい好きな選手なので自分のことのように嬉しい。
アンディ・ルイスJr.の得意なパンチ
“on the ear”オンジイヤー
“on the ear”オンジイヤーは、オーバーハンドライトの1つで猫パンチのように、もしくはドアをノックするように耳もしくは耳の上周辺を斜め上から強く打つパンチだ。
僕が勝手にそう呼んでいる。
肘を曲げる必要があるので、通常のオーバーハンドルライトよりリーチが短く、近距離戦で活躍するパンチだ。
ルイスJr.の得意なパンチ、フィニッシュブローだ。
“How to set up on the ear?”
オンジイヤーの当て方6つ
先ず、打ち方は肘を高く上げ、胴の右側を大きく伸ばし、猫パンチのように、もしくはドアをノックするように耳もしくは耳の上周辺を斜め上から強く打つ。
顔を右から左へ動かすのが大切。
1.近距離で右ストレートと見せかけて、ガードの斜め上から当てる
近距離で右手を大きく振り返り、右ストレートだと思って、相手がした正面のガードの斜め上から当てる。
2.クリンチ中、左手で相手を抑え込んで当てる
クリンチ中、左手で相手を抑え込んで注意を前方に向けさせて、ガードが空いた真横から当てる。
ルイスJr.が最も得意としているパターンだ。
3.左手を相手の左耳に押し当て、右手を隠して当てる
ジャブやプッシュなどで、左手のグローブもしくは前腕を相手の左耳に押し当て、右手を隠して当てる。
4.左フックから当てる
大きく踏み込んでからの左フックで距離を縮めると同時にガードを固めさせ、その斜め上から当てる。
左フックは、やや左斜め下から打ち、対角線コンビネーションにする。
5.クリンチの離れ際に当てる
クリンチ時、自分から下がるか、プッシュするかで離れ、相手の注意が弛む離れ際に当てる。
6.左ジャブに被せる
左ジャブで出された相手の左手の上から被せて当てるカウンター。
他の“set p”当て方よりも顔を右から左へ大きく動かす。
あらかじめ、顔を普段よりも右へ振っておくと狙いやすい。
コンビネーションに繫げるなら
“on the ear”オンジイヤーからは斜め下から打つ左フックが対角線コンビネーションになり、防ぎにくく効果的だ。
オンジイヤー~左フック~オンジイヤー~左フック・・・ルイスJr.のフィニッシュパターンだ。
最後に
“on the ear”オンジイヤーを打つには、上半身の柔らかさと肩の柔らかさが必要だ。
また、ナックルを上手く当てるのが難しく拳を怪我する恐れがあるので注意だ。
また、近距離で効果のあるパンチで遠距離から狙うとモーションの大きさからカウンターの的になるので、しっかり“set up”から狙う。
参考動画 アンディ・ルイスJr. ハイライト