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【絵本】好きな人が引っ越すらしい


地元の中学が廃校になるらしい

中学か・・・

ふと中学時代の大恋愛を思い出した

あの子の笑顔が好きだった

できることならずっと一緒に

いたいと思った

でも中学生の僕では

一緒にいることはできない

電車だと六時間かかるらしい・・・

飛行機でさえ二時間半かかるらしい・・・

車だと・・・運転できない

相手が引っ越すのは夏休み

気持ちを伝えた

後悔したくなかった

そして振られた


クラスの女子が僕を見てクスクス笑う

○○ちゃんにこくったんでしょ?

ある女子が笑いながら言ってきた

何も言い返せなかった

ただただ顔を伏せた

それを見てまた笑われた

だからなに?

と堂々と言えばよかった

大人になってやっとわかる

それからの日々は周りの人が

僕を見て笑っているように感じた

ついに殴ってしまった

反射的に手が出てしまった

相手の親にも先生にも、

そして自分の親にも怒られた。

でも悔しくて恥ずかしくて

殴った理由を言えなかった。

相手の親に

いきなり殴るなんて
お前なんか人間じゃない

と言われた

何も言い返さなかった

反省はしているが

後悔はしていない

今でも中学時代で思い出すのは

あの子の笑顔だけだ


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