振られた男⑮ 34日目:堕落する
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34日目:堕落する
土曜日に彼女が去り、やっと仕事の日が訪れた。
いざ仕事となると昨日までの仕事への熱が全然出ない。
まさに無気力だ。
昨日も深酒してしまったからだろうか。
結局、仕事が終わるまで無気力のままだった。
無気力な割には仕事が進み、無気力な割には切りよく終わったので残業はそこそこにして帰った。
久しぶりに、19時台に家に帰る。
家に着いたが冷蔵庫の中を見ると食材が全くない。一昨日と昨日とで全て食べ尽くしてしまった。
今の時間だと、普段は平日には時間的に行けない大きいスーパーが開いている。
走ってスーパーに向かう。
総菜コーナーには、ほとんどの商品に50%引きのシールが貼ってある。
唐揚げ、餃子、コロッケと惣菜をカゴに入れる。
酒もほぼないので、箱ビールと安い赤ワインもカゴに入れる。
もう9月なのであと1〜2ヶ月もするとビールよりもお湯割りが飲みたくなる季節になる。
それまでにビールを飲みまくる。
そう思うと、6本じゃ足りない。もう1箱ビールをカゴに入れ、レジに向かう。
家に帰ると汗が滴る。すぐにでもビールを飲みたいが、我慢をしてシャワーを浴びる。
ここでも熱々のシャワーを浴びて一気に体と髪の毛を洗う。
風呂を出た瞬間にビールを飲む。事前にセッティングしておいたのだ。
シャワーにより最も体が熱くなっている瞬間にビールをすすぎ込む。
このスタイルにここ数日でハマっている。この度に生きていることを実感する。
クーラーもキンキンにしているので部屋の中に入る瞬間に体が喜ぶのがわかる。
レンジにセッティングして惣菜を温める。
惣菜が温まるまでにビールを1本飲み干してしまった。
惣菜と共に2本目のビールも持ってくる。
今日はテレビではなくサブスクでドラマを再生する。
昨日で5話分見たドラマだ。
「明日は在宅か。」
残りの5話は今日一気見することにする。
彼女のことを忘れるためにドラマを見始めた。
結局、彼女と色々なドラマを見たせいで、ドラマの中の登場人物には必ず彼女と見た俳優がいる。
その人達を見るたびに彼女と見たドラマがフラッシュバックする。
自分の想像力?妄想力?に呆れる。
そんな自分を忘れるためにビールを体にぶち込む。
結局ビールを入れても忘れられないのに。
それを知っていても酒を飲むことしかできなかった
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