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占いの結果をどう使うのか

ママ友の1人がプロの占い師です。わたしの街では名の知れた占い師で、当たると評判。

手相、タロット、姓名判断もするのですが、彼女の専門は『宿曜占星術』。

生年月日で鑑定する宿曜占星術、聞いたことありますか?

最古の占星術といわれ、3,000年の歴史をもつ宿曜占星術。インドで発祥し、密教の経典の1つとして、弘法大使空海によって日本にもたらされました。

ママ友占い師によれば、歴史上の有名人も使っていたとのこと。織田信長は戦術を練るために、徳川家康は江戸幕府を統括するために、宿曜占星術を使っていたそうです。

そのほか、 “源氏物語”の登場人物は宿曜をもとにキャラクター設定されていて、話のなかには宿曜師が占う場面もでてきます。


宿曜占星術は、人との相性や人間関係の占いで的中率が一番高いといわれています。

その宿曜占星術を得意とする彼女のクライアントは、大企業のトップたち(クライアントとの守秘義務があるので、それが誰なのか彼女は一切話しません。まぁ、当然のことですが)。

彼らは、大切な商談や大きな取引の前に必ず彼女のもとに来る。

いつどこで商談をすればいいのか、取引先の担当者との相性はどうか、商談日に持っていくと運気が上がるものはなにか、商談の席順はどうすべきか、そういったことを占ってもらうらしい。

また、ベンチャー企業や小さな企業の社長さんも定期的に来るそうです。彼らの願いは、人間関係の不毛なあつれきや衝突を減らし、社員同士に気持ちよく働いてもらうこと。

上司と部下の相性、同僚の相性などを占ってもらい、人事異動やプロジェクトの立ち上げの参考にするそうです。

社員たちのコミュニケーションがスムーズになれば、各部署のパフォーマンスは上がり、結果的には会社全体の利益につながるというわけです。

占いの結果を実践的に活用しています。

数年前、そのママ友占い師と食事に行ったときのこと。

「息子の彼女がめちゃめちゃイイ子なの。だけどさ、宿曜では残念ながら息子との相性がイマイチなんだよね。続かないだろうな、あの2人」

と彼女が言うんです。

「え?相性って占いどおりになるもんなの?」

「宿曜は人間関係がスムーズになるように使うの。実用的でおもしろいよ」

へぇー。試しに占ってもらうのもいいかもしれない。もともと占い好きだし。

「ねぇ、その宿曜でうちの家族全員占ってくれる?」

友達割引するよというので、占ってもらうことにしました。

1週間後、占い結果をもって彼女が家にやってきました。

話をじっくり聞こうと、わたしと旦那さんは筆記用具を準備。

家族1人につき1枚の鑑定シート。そこには、もともとの性格、家族1人1人との相性、1年の運勢、仕事運、健康運、金運、ラッキーアイテム、厄日などの情報がぎっしり。

鑑定シートに書いていないことも彼女がたくさん教えてくれるので、必死でメモをとります。

わたしたち夫婦の相性は、宿曜占星術ではかなりの高得点。彼女に「そうだと思ってたわ」と言われ、小さくガッツポーズ。

その夜、鑑定シートを見ながら、コレは当たってる!とか、えー、そうかなぁとか、旦那さんと盛りあがりました。

その2週間後。

旦那さんのひきだしを開けると、見慣れないハンカチが数枚。あれ?こんなの持ってたかな?色も柄も旦那さんの好みじゃないのに。不思議に思い聞いてみると、

「このあいだの宿曜占いで、ラッキーアイテムが“ペールブルー”と“傘の模様”って書いてあったからさっそく買った」

傘のマーク、“アーノルドパーマー”のペールブルーのハンカチが3枚。なるほど。

「実はこれも買ったんだよね」

“アーノルドパーマー”のキーチェーン。なるほど。鑑定結果をさっそく取り入れている。旦那さん、忠実だ。

ある月曜の朝。

ちょっと憂鬱そうな表情の旦那さん。スマホを見て、はぁーっとため息をついている。

「どうしたの?仕事でなんかあった?」

「いや、今週はさぁ、宿曜占いで“要注意の週”なんだよね。気分下がるわぁ」

宿曜占星術の鑑定があまりにも当たっていたので、それ以来、宿曜のサイトで毎日の運勢をチェックしているとのこと。

めちゃめちゃ影響されてるやん。

一方のわたし。

占い結果について“あぁだこうだ言う”、それが最高潮に楽しいものだから、占いの結果を知った時点で満たされちゃう。

おまけに、「能天気な人」といわれても仕方ないのだけれど、どの占いでもイイことしか覚えていないんです。

あなたの性格のこういうところがイイですね、ラッキースポットは○○だから行ったほうがイイですよ、今年のイイ日はこの日とこの日ですよ。これを身につけるとイイことがありますよ。

イイこと情報だけをキャッチして、悪いことや気を付けるべきことの情報は頭をスーッと通り抜けてどこかに行ってしまう。

だから、今日はツイてなかったわと旦那さんに言うと、宿曜のサイトでわたしの運勢を調べ、今日は悪い運気だったみたいだよ、と教えてくれる。そんな調子です。

どうやら、わたしと旦那さんでは占いの結果のとらえかたが違うみたい。

旦那さんは、占いの結果を忠実に取り入れる。イイことも悪いこともひっくるめて、できるだけ活用しようという姿勢。わたしは、自分がイイと思うことしか取り入れない。

どちらが正しいの?占いの結果をどう使ったらいいんだろう?

ママ友占い師に聞いてみました。すると、

占いはあくまでもツールだから。ツールに支配されない、頼り過ぎない、振り回されない。」

「占い師は運勢が良くなってほしいと思って占ってる。だから、占いの結果を気にしすぎて、そこに縛られて苦しくなるのは本末転倒。」

「結果をどう使うかは本人次第。占いに踊らされるんじゃなくて、自分が占いを使うという姿勢でいてほしい」

なるほど。占いはツール、非常に分かりやすい。

それ以来、毎年彼女に占ってもらいます。だって当たるんだもの。

旦那さんは相変わらず鑑定結果に一喜一憂し、アドバイスを忠実に守っている。わたしは鑑定結果に“あぁだこうだ言う”のを楽しんだあとは、相変わらずイイことしか覚えていません。

占いの使いかたは本人次第。占いはツールだから、心地よく使わないとね。

みなさんは、占いをどう使っていますか。

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