#幸せをテーマに書いてみよう ~ 育むことは道しるべ ~
幸せの尺度は千差万別だ。幸せのベクトルも人それぞれちがう。
“コレが幸せのサンプルですよ”なんていわれても、それはあなたの思う幸せであって、ワタシが思う幸せとはちがうかもしれない。
幸せにはカタチもないし、幸せには模範解答もない。
それでも、“あぁ、幸せだなぁ”って感じる瞬間はあるわけで。ふと、自分のココロがそうつぶやく瞬間はたしかにあるわけで。
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ワタシのなかで、幸せは大きく2種類に分けられる。
他者との関係性に紐づけられる幸せと、“自分軸”のみによってもたらされる幸せ。
前者はたとえば、自分の大切なパートナー、子供、友達、親、仕事関係の人たちなど、自分のまわりの人たちとのあいだで育まれる。
同じものを共有すると、心の距離はグッと縮まるものだ。自分の大切な人たちと同じ経験を共有したり、同じ風景を見たり、同じ局面を乗り越えたり。それによって、“あぁ、幸せだなぁ”と感じる。
後者は、相手の存在には起因しない、自分自身の中だけで育まれる幸せ。
自分の心の声に耳をかたむけ、自分の奥底にある気持ちをていねいに掬い上げる。その心の声にそって正直に行動することによって、“あぁ、幸せだなぁ”と感じる。
たとえば、気持ちのいい天気の日に、おひさまを浴びながらお弁当を食べたいなと思ったら、その気持ちをくみとって行動にうつす。そんなささやかな幸せ。
たとえば、環境をガラッと変えて新しいことに挑戦したいと思ったら、その気持ちにそって正直に行動する。そんなチャレンジができる幸せ。
でも、この2種類の幸せ -- 他者との関係性に紐づけられる幸せと、“自分軸”のみによってもたらされる幸せ --- を、100%同時に満たすことはきわめて難しい。
どちらか一方の幸せをいっぱいにしようとすると、他方の幸せは控えめに抑えることになる。2つのグラスに、2つの幸せを、同時になみなみ注ぐことはできない。
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誰にだって人生の岐路は訪れる。自分の進むべき道を選ぶ必要に迫られるときがある。それが、他者との関係性に紐づけられる幸せと、“自分軸”のみによってもたらされる幸せを考える1つのタイミングだ。
今までワタシ自身も、何回か人生の岐路に立った。そのときどきに応じて2種類の幸せのバランスを考えて、進むべき道を選んだ。
人生の岐路を経験したあとに誰もが抱くような疑問が、ワタシにも浮かんだ。
あのとき、別の道を進んでいたらどうなったのだろう。今よりも幸せになっていたのだろうか。
あのとき別の道に進んでいたとしても、ワタシは自分自身に全く同じ問いかけをするだろう。
結局なにが幸せなのかは、”Who knows?”(誰にもわからない)なのだ。
伊坂幸太郎のフレーズを借りていうならば、“神さまのレシピで決まる”、のだ。
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でもワタシは、自分が選び歩んできた道に後悔はない。
なぜか?
それは、この2種類の幸せ --- 他者との関係性に紐づけられる幸せと、“自分軸”のみによってもたらされる幸せ --- に共通点を見つけて、幸せを求めるときにその共通点を基盤に据えたからだ。そのうえで、自分の進むべき道を選んだからだ。
ワタシが見つけたこの2種類の幸せの共通点は、『育む』というプロセス。
他者との関係性に紐づけられる幸せは、相手とのコミュニケーションを『育む』ことによってうまれる。
“自分軸”のみによってもたらされる幸せは、心の奥底にいる自分自身とのコミュニケーションを『育む』ことによってうまれる。
この『育む』という共通点を大切に扱うことが、幸せはなにかを見つける手がかりになるのではないか。
『育む』ことが、幸せの道しるべになるのではないか。
コミュニケーションを『育む』には、相手または自分自身と、時間をかけてしっかり向き合う必要がある。
コミュニケーションを『育む』には、相手または自分自身を受け入れる大きな心と覚悟が必要である。
共通点である『育む』プロセスにどれだけ心を砕いて取り組むのか。その取り組む姿勢が、“あぁ、幸せだなぁ”と未来の自分が感じるかどうか、の分かれ目になるのだと思う。
『育む』プロセスをていねいに扱っても、自分が期待していた結果が得られないかもしれない。予想していた方向とは違う方向に物事は進むかもしれない。
それでも、『育む』という共通点をおざなりにせず、心を砕いて取り組んだ結果なのだから後悔はしない。少なくとも、ワタシの場合は後悔しなかった。
『育む』ことは、ワタシにとっての幸せの道しるべだ。
♢
ワタシはこの世を去るとき、“あぁ、幸せだったなぁ”と最後につぶやきたい。だからこの先もずっと、相手とのコミュニケーション、自分自身とのコミュニケーションを『育む』プロセスを大切に扱いたい。
だって、自分の幸せに全責任をとれるのは自分だけだから。
最後に、ワタシの座右の銘を。
しあわせはいつもじぶんのこころがきめる
相田みつを
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