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学生時代のアルバイトに思いを馳せる #アルバイトの履歴書

先日、あらしろひなこ(ひな姉)さんが、学生時代のアルバイトについて書いていました。読んでいくうちに、アルバイトの記憶がよみがえってきたので、わたしも書いてみようと思います。

ツアーコンダクター


大学生のころの将来の夢は、ツアーコンダクター(ツアコン)。

旅行が大好きで接客も好き。仕事で旅に行き放題、オイシイね、ツアコンって。わたしは浅はかな女子大生だったので、そんな思考回路でした。

まずは、国内旅行の添乗からスタートして、ゆくゆくは海外旅行の添乗。そしたら海外にガンガン行けるし、英語も使える。これこそわたしが望んでいた道だぞって。

ツアコンは、JTBや近ツリのような旅行会社に入ればいいんだろうと思っていたのですが、違うんです。

ツアコンになるための第一歩は、添乗員派遣会社に入社すること。

ツアコンって、派遣会社に登録すればいいの?それなら学生でもバイトできるのでは?そう思い、添乗員派遣会社に登録しました。

大学生の夏休みと春休みは長い。遊び放題、バイトし放題です。

その長期休みを使えば、ツアコン体験ができる。まずはツアコンの仕事をやってみて、将来に役立てようと思ったわけです。

大学の長期休み2回分を費やし、東京発のバスツアーを数十本行きました。東北、甲信越、関西、中国、四国など、2泊~3泊のツアー。

行先にもよりますが、お客様は40代後半から70代まで幅広かったですね。ご夫婦、友人、親子連れなど、バスのなかは多彩な顔ぶれ。

バスガイドさんが同乗するとはいえ、名所を説明できないツアコンはアウト。だから、ツアーの何日も前から、観光名所や名物料理などの知識をメモ帳に書き、必死で覚え、当日に備えました。

ツアーが始まったら、お客様の顔と名前を覚えるのに必死です。お客様との雑談をメモし、情報収集。次の日のおしゃべりに役立つかもしれません。

ツアー中は、お客様の写真を撮ったり、行程に沿うように時間を配分したり、立ち寄ったお土産屋さんで店員さんに書類を書いてもらったり、全員がバスに乗っているのを確認したり。これらのところどころで、お客様と話をします。つねに笑顔を絶やさずに。

いつも必死、とにかく必死です。

ホテルでは、施設の説明、食事の案内、次の日の予定のアナウンス、お客様が困っていないかなどの確認に大わらわ。

自分の部屋に戻っても、日報を書いたり、次の日のスケジュールを確認したり、ホテル側にチェックしてもらう書類を書いたり。

ホテルでも必死、とにかく必死です。

夜中にトラブルで起きることもある。お客様の体調が悪くなり、夜中に病院に付き添ったこともありました。

ツアー中は、ずっとこんな感じ。アドレナリンが出っ放しです。

お客様と打ち解けておしゃべりしたり、一緒に写真を撮ったりと、とても楽しいんですよ。ツアーが終わり何日か経ったころ、自宅に手紙を送ってくださるお客様もいて、ありがたいなぁと思うわけです。

でも。

想像以上にキツイ仕事でした。仕事で旅に行き放題、オイシイね、ツアコンって、なんて呑気ではいられない。いくら浅はかな女子大生だったわたしでも、気づいたわけです。

キツいスケジュールだと、2泊3日のツアーが終わり自宅に23時ころに帰ってきて、翌日早朝からまたツアー、なんてこともありました。

大学の長期休み2回分をツアコンのバイトに費やし、『これは一生の仕事にはできない』と悟り、ツアコンを諦めました。

楽しいんですよ、仕事自体は。旅に行けるし、接客業だし。ツアコン専用のグレードアップされた食事メニューなど、旅先でイイ思いをしたこともあります。でもやっぱり、時給換算するとキビシイ。

一生この仕事で食べていこうとは思えず、ツアコンを諦めたわけですが、アルバイトで経験しておいてよかったな、と心から思いました。


家庭教師

大学生のアルバイトの王道、家庭教師。

最初は、家庭教師の派遣会社に登録し、そこから紹介された生徒さんの家に行っていたのですが、先輩や知り合いから個別に頼まれることが多くなり、個人で請け負う形にスライドしました。

教えていたのは、私立中学を受験する小学生、中学生、大学受験を控えた高校生。多いときには同時期に5~6人抱えていて、平日はほぼ毎晩(時にはハシゴ)家庭教師をしていました。英文科だったので、英語を教えるのは全く苦にならず楽しかったです。

ただ、知り合いから頼まれて、私立中学を受験する小学生に算数を教えることになり、そのときは毎回ヒヤヒヤしていました。

中学受験の算数って、難しいですよね。わたしは算数も理科もまったくダメで文系に進んだクチなので、中学受験の算数さえもキビしい。

わたしが教えていたのは、ハイレベルな私立中学を目指す頭脳明晰な小学生。その子が解けない算数の問題を、わたしが解けるわけがないんです。

親御さんから、問題集の回答・解説集をお預かりしていたので、その子に教える前日は必ず予習していました。教えているあいだは妙に緊張し、ずっとヒヤヒヤ。頭のいい子だから、質問は的を得ていて、適当に答えてごまかすなんてことは全くできませんでした。

とても優秀だったその子は、実力で第一志望に合格。すると、ご家族が、「合格できたお礼に」と言って、フランス料理のフルコースをご馳走してくれたうえ、皮のハンドバックなどをいただいたりして、大変恐縮してしまいました。実は毎回ヒヤヒヤしていたんです、なんて冗談でも言えなかった。

また、高校3年生に受験英語を教えていたこともありました。その子のご両親はお蕎麦屋さんを経営していて、毎回休憩時間になると、手打ち蕎麦を食べさせてくれたんです。これが美味しくて美味しくて。

わたしが「美味しい、美味しい」と食べるものだから、帰るときにお土産に持たせてくれたり、年末には、年越しそばと天ぷらのセットをくれました。

勉強を教えに行っているのに、色んな親御さんから色んなモノをいただき、ありがたかったですね。

1回2時間の授業で、途中10分ほど休憩をはさむのですが、そのときに生徒とおしゃべりするのが楽しかったな。恋バナとか、流行りモノの話とか、好きな音楽の話とか。

みんな、今ごろどうしてるんでしょう。


蒲鉾屋さん


蒲鉾屋さんのバイトは、ツテで紹介してもらった年末だけの短期バイト。

当時は、ファーストフードのバイトで時給630円くらい。それに比べたら、この蒲鉾屋さんのバイトは時給が高く(時給1200円)、求人広告には載らないバイトだったんです。ツテがないと入り込めないバイトで、わたしはサークルの先輩に紹介してもらいました。

蒲鉾屋さんは、12月に入るとものすごく忙しい。蒲鉾などの練り製品は、お節料理に必ず入っていますよね。だから、日本全国からびっくりするくらいの注文がくるんです。

今みたいにインターネットがない時代なので、ハガキ、電話、FAXで申し込みがガンガンくる。社員さんやパートさんだけでは捌ききれず、その時期だけ短期バイトを雇うんです。

12月中旬から年末までの2週間、朝8時~夕方6時までのバイト。忙しすぎて休憩が長く取れないので、休憩時間も時給に入れてもらえる。なかなかオイシイ。

バイト要員は数人ずつグループ分けされ、電話番、伝票整理、冷蔵庫仕分け、発送などの仕事に就きます。どれも時給は同じ。

とにかく忙しいからどこも大変なのですが、冷蔵庫仕分けは、とびきりキツそうでした。巨大な冷蔵庫に1日中入って、商品の仕分けをするんです。わたしは運よくそのグループにはならなかったのですが、友人は1日目に体が冷え切ってしまい、次の日からはスキーウェアを着て作業していました。

12月30日のバイト最終日に、バイト全員に、上板の紅白蒲鉾、伊達巻、焼きちくわのセットを無料でくれるんです。これがまた嬉しくて。

大学生のころは、年末近くになると毎年ここでバイトしていましたね。わたしの母親は、最終日のこの蒲鉾セットをあてにして、お節の蒲鉾は買ってなかったな。

学生時代のアルバイト経験は他にもあるのですが、今回はこのあたりで。


あらしろひなこ(ひな姉)さん以外にも、アルバイトのお話を書いている仲間がいるので、ここに記事をそーっと置いておきますね。

☆ルミさん☆

☆Emikoさん☆

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