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冥土喫茶に逝こう⑲

魔法が解けた男

【マインドコントロール】
 その言葉が脳裏をよぎると、私は全身が震え始めた。
 なぜ震えるのかわからない。
 震えが収まらず、頭を膝の上に下げて座った。

 1分後、無意識に出た言葉とある感情が芽生える。
「あの女ふざけたもの。かけやがって!!」
 そして、怒りの感情が私は襲う。
 どの程度経ってから気持ちが、収まったか忘れてしまった。

 気持ちが収まったあと、PCを立ち上げマインドコントロールについて調べた。
 調べて、調べてマインドコントロールが得意な人種がいた。

【サイコパス】

 まいさんはサイコパスだ。
 2日間、使ってマインドコントロールとサイコパスについて調べ始めた。
 約束を破り、メイド喫茶には行かなかった。

「今日暇?」
「ご飯食べに行く?テンション低くない?」
「11時ごろ迎えに来てくれる?」
「了解。了解」

 11時になると、家の前に車がついた。
 愛車ハリアーが新品に見えるように輝いていた。
 マメに洗車しているなと考えながら私は助手席に座る。
「行こうか?」
「あれいつものは?」
「ご飯食べ終わったら話がある」
「は!?何どうしたの?」
「あとから話すよ」

 車は走り出し、しばらくたつとイオンに到着した。
 イオンの一角にフードコーナーがあり、牛カツ専門店に入った。
 そこの特選上牛カツ膳が頼まらなく美味しいので、たまに通っていた。
 我々はテーブルの席に着いて注文をした。
 マインドコントロールにかかっていて操られていたこと。
 店に通っているお客も操られていること。
 まいさんはサイコパスだったことをネクタイに説明した。

「サイコか。見たことない女性だと思ったわけだ。ぐっさんやマサさんも操られているってこと?」
「確証がないけど、間違いなく操られている。直感でおかしいと思ったけど、サイコだとは思わなかった。そのうち彼女も俺がなぜこなくなったか理由を探すだろう」
「なぜ、わかる?」
「彼女の性格を把握しているから。そして、彼女も俺の性格を把握しかけている。俺の性格を把握していなければ人なんて操れない。言動を把握し、行動を把握し、性格を把握すれば相手が何をやってくるかだいたいわかる」
「そんなもんかね。まあ、メイド喫茶にはもう行かないんだから関係ないでしょ」
「何を言っているんだ」
「え!?目が怖いよ」
「あの店にはまた行く」
「どういうこと?」
「このまま引き下がるわけには行かない」
「いや、危険だって行かないほうがいいって」
「確認はしないとな。来年になればあの店からぐっさんは居なくなる。本当かどうか確認しに」
「というと?」
「もしマインドコントロールにかかっているのなら、ぐっさんは来年もあの店にいるし、まいさんと結婚もできない。もし俺ならマインドコントロールをかけて、K市に残るようにぐっさんを誘導する。結婚自体も、結婚しなくても幸せに生きれるよねとか言って、ぐっさんの考え方を変えるだろう」
「なるほど。だけど、その話を聞いても危険だって。危ない奴の1人や2人はいるでしょ」
「危険は百も承知。それでも確認はしないと行けない。それにあの店でやりたいこともあるしな」
「ケンカはダメだよ」
「捕まるだろ。これは【心を折る戦い】だ。あの女の自尊心を粉々に粉砕し2度とできないようするための【心を折る戦い】だ」
「そんなキャラだっけ?」
 その言葉を無視し話を続けた。
「来年の1月下旬にあの店に行く」
「1月下旬ね〜」
「まだマインドコントロールの影響下にいるし、サイコとマインドコントロールを徹底的に調べないといけない」
 ネクタイはため息をつきながらこう言った。
「行くよ。ぐっさんとマサさんにはまた会いたいからね。ただし、危険だと判断したら逃げるよ」
「ありがとう。危なくなったら逃げるさ」
「で、やりたいことって何?」
「また話すよ」

 我々はカツ膳を食べ終わり店を出た。
 そのあとは、カフェでコーヒーを飲んだり、GUなどで買い物をした。

 家に着いたと同時に、私はサイコパスとマインドコントロールについてネットで勉強し始めた。
 勉強しながら、ある言葉が浮かぶ。
 真正面から叩き潰してやる!!

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