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広島弁

 最近、広島弁を喋る女の子が可愛いとネットで評判であるらしい。ビックリした。あの広島弁が、なぜにそんなことになっているのか。
 僕が広島にいた頃は、広島弁といえば、仁義なき戦いであり、要するにヤクザが使う言葉だった。
 そんなアブナイ言葉が可愛いなどとは思いもしなかった。
 実際、それは可愛い女の子が喋るから可愛いのであって、誰もが喋ったら可愛いという事ではないだろう。
 確かに「うち」と自分の事をいう可愛い女の子が「うちと、おってーや」とかいわれると背中にゾゾゾッと電気が走ってドキドキしてしまいそうだが、「わしゃーのー」とかいわれると萎えてしまいそうである。
 それにしても不思議に思って、息子に何故広島弁が人気があるか聞いてみたら「綾瀬はるかとかパヒュームの影響ではないか」とのことであった。それならはるかに博多弁のほうが可愛い。橋本環奈に今田美桜に、いくらでもおるばい、と福岡びいきの僕としてはそう思うのである。
 でもリモートで高校時代の友人の女の子(今は婆さんだが)と話をしたら、広島弁が妙に懐かしかった。よく考えたら7歳から18歳まで住んでいた街の方言である。懐かしくないはずはない。
 僕が住んでいた頃は何だか閉鎖的な街の感覚だったが、今は開かれた都会の空気が漂う街になっている。もしも若い頃に広島に戻って生活をしていたら、別の人生を歩んでいたんだろうなあ、と少し感傷的になってみたりする。もっとも親元を離れて暮らすのが第一だったので、その可能性は0だったけれど。
 

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