旅行には行きたいけれど

　双極性障害の息子の状態があまりよくない。土日はわりと大丈夫なのだが、平日は就労支援A型の仕事があり、それに行きたくないのか、朝起きることができない。稀にそのまま休む事もあるが、何とか奮起して起き上がり、出勤している。
　以前は朝、自分で弁当まで作っていたのだが、最近は作れず、妻が用意している。妻が仕事を辞めたので、甘えている部分もあるのかもしれない。出勤してしまえば、途中で帰ってくることは滅多にはない。
　そんな状況なものだから、当初はイタリアに行こう、等と妻と話していたのだが、諦め、2泊3日で国内旅行に行こう、ということにした。それなら大丈夫かな、と思ったのである。ただしそれも現在の状態になる前の話であり、到底今は、放っておいて遊びに行ける状態ではない。
　同居している家族全員で土曜日に日帰りでバス旅行に行くことにした。バス旅行で日帰りなので、当然近場だ。それでも今から次々と花も咲き始め、いい観光にはなるだろう。
　もっとも最初の旅行は家族そろって娘のいる京都へ行く。2泊3日だ。初日に大原三千院、2日目に伊勢神宮へバス旅行、3日目は京都近辺の源氏物語のいわれのお寺をバス旅行する。普段は見ることのできない特別拝観らしい。大河ドラマの「光る君へ」の影響であろうか。
　正直言うと、もっと遠くへ東の方へ、あるいは海外へ、妻と旅行に行きたいのではあるが、それをいうと「交代で旅行に行こうか」と妻が言った。成程名案ではあるが、1人で行くのも淋しい。友人は定年延長したり、しそうなので、軽々しく誘えない。まさか女の子（婆さんではあるが）を誘って行くこともできぬであろう。友人の暇になるのを待つか、息子の症状がよくなるのを待つしかない。誰か一緒に行ってもいいという人、行けるという人がいれば、是非誘ってください。どこかに行きましょう。