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節電

 夏になると電気使用量が異常に上がり、九電は節電を訴えている。門司の店にいたころは、リミッターを取り付けられて、指定した電力を越えそうになると音で知らせる。これがまたけたたましい音で、びっくりさせられる。
 急いでエアコンの温度設定を変えるが、まだ足りない。何機か電源を切らねばならない。とんだことだ。
 店の各場所に温度計を設置し、それぞれ28℃より上ならエアコンを稼働しなさいという指示である。
 店員からはクレームはくる。
「お客様も暑がってますよ」
 それはそうだろう。でも上からの指示だし、それを守るのが、こちらの勤めなのだ。
 でも結局、我慢ならないので、設定温度をいじって、簡単には作動しないようにしてやった。電気代が高いといわれても仕方ないことではないか。
 他の店でのことだが、熱中症で救急車を3度呼んだことがある。2つは従業員が外で作業していたからで、1つは車の中で、熱中症になった人がいて、119番に通報した。もし店の中でそうなってしまっては、イメージ的にも困ることになる。
 それから10数年、円安のあおりを受けて、ウクライナ戦争の影響を受けてか、我が家にも九電から悪魔の誘いがきた。16:30~19:30までの間、節電したら、PAYPAYポイントを差し上げますというキャンペーンがあり、それに乗ってしまったのである。家族からは文句をいわれながら、16:30になったら、室温設定を28℃にしたのだ。でもさすがに28℃では我慢ならない。外の気温と大差ないかもしれない。
 妻が27℃にした。それでも場所によっては暑い。外はだんだん涼しくなってきたので、エアコン切ろうか、と提案したら、断られた。もう少しエアコンをつけたままにした。時々、外気温を確認する。
 やっと外が涼しくなってきた。19:14にエアコンを切る。
 要は仕事帰りで16:30位から急激に電気使用量が増えていくのだろう。それを防ぎたい九電は、こういう姑息なマネを使ったのだ。わずか何十円のポイントのために我々は踊らされた。まあ塵も積もれば山となるけれど。



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