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美容室

  僕はいつも美容室に髪を切りに行く。何をツヤつけて、と言われそうだか、美容室といっても、お洒落な高級な美容室ではなく、とにかく安いのが売りのところだ。家の近く、歩いていける距離にある。
   タイムサービス¥690税込みである。平日12時から14時までに受け付けた人はこの価格でカットしてくれる。
  ただし美容室なので髭はそらないし、洗髪もしない。それはQBハウスと一緒だ。でも後者は¥1200である。この差は大きい。 しかも坊主なら時間に関係なく¥490である。それで一時期坊主にしていたことがあった。
 問題はやたらに客が多く、随分と待たされることである。1時間くらい待たされる。美容師はいつも3,4人しかいない。全然間に合っていないのである。なにしろ美容室なので、パーマやカラー何かもある訳で、10時オープンと同時にまずカラーのタイムサービスがある。そのお客様が押して、12時丁度に行ったとしても1時間待たされる破目になる。
  さて自分の順番になると、「どのように切りますか」と聞かれる。最近の僕はもう坊主にはしない。フェードカットにしたいのだが、それが相手に理解してもらえない。美容室だからだろうか。勉強不足であろう。結局、ツーブロックにされてしまう。 
 だが今日は違った。男性の理容師がいたのだ。しかもその男性の髪型が、まさに僕が望んでいた髪型だったのである。僕の順番が来て「どのようにカットしますか」と聞かれるや「アナタと同じ髪型にして下さい」と答えた。理容師は笑いながら、「思い切りましたね」といった。この時僕の髪は伸び放題だったので、それを坊主に近いフェードカットにするため、そういう風に言われたのだと思う。
 終わってみると希望した通りの髪型になっていた。家に帰ると、10歳くらい若くなったと妻に言われた。次行く時もその人がいればいいけれど、結構人の出入りが激しいようで、その時いるかどうかはわからない。せめて美容師よ、勉強しておくれ。
 


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