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帰省

 お盆に広島の実家へ帰省しようかと思ったら、妹から、LINEで抗原検査かPCR検査をしてからくるようにいわれた。
 87歳になる母の一人暮らしなのだから、さもありなんと思い、ではどうしようかと頭をひねる。
 一応、ニュース等によると、無料で指定された薬局で検査してくれるはず、というふうになっていたと思って、PCRセンターに問い合わせ、該当する近くの薬局に3件ばかり電話してみたのだが、どこも在庫がありません、ときたもんだ。注文はしているのですが、入ってきてません、とのことらしい。
 しかしあるところにはあるもので、AMAZONや楽天市場、yahooショッピング等はちゃんと売っている。無料と思っていただけに多少腹ただしくもあるが、背に腹は代えられぬ。yahooショッピングで注文をした。
 唾液で10分、陽性か陰性かがわかる仕組みになっており、99.4%の確率でわかるらしい。これを出発前に家族全員で実施することにした。
 ところが説明書に書かれた通りにするのだが、何の反応もない。何度も唾液をつける場所をベロベロ舐めて、やっと出た。全員陰性であったので、無事帰省することにした。
 墓参りに、寄ろうと計画していたが、あまりの暑さに断念した。車を持っている妹夫婦にお願いすることにした。
 地元の駅でタクシーを捕まえて母の家まで行こうと企んだが、タクシーが1台もない。どういうことだ。バスに乗る要領がよくわからず、乗れない。仕方なく、猛烈な暑さの中、歩いていった。暑くさえなければタクシー代も1000円未満で収まる、大した距離ではないのだが、とにかく暑い。流しのタクシーもいない。タクシーを見つけても、必ず客が乗っている。そうこうするうちに家に着いた。
 仏壇の父に手を合わせ、挨拶。本来お盆だから、墓まで迎えに行かなければならないのだろうけれど、妹夫婦におまかせしたので、硬いことは抜きである。
 来年は夏にはいくまい。何でこんなに暑いのか。昔はまだそんなに暑くはなかったような気がするのだけれど。地球温暖化のせいなのであろうか。ブツブツ思いながら、3時間ほど滞在して帰った。
   新幹線の中、突然夕立が降った。LINEが妹からきた。墓参りの最中に夕立にあったらしい。日頃の行いが悪いようだ。墓参りを頼んでおいて何という言い草であろう。お疲れ様でした。ありがとうございました。


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