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Friend Ship House

 ドラえもんを全巻読んだ。大学2年の頃だ。FRIEND SHIP HOUSEという大学の近くにある施設に先輩から紹介され通うようになってからだ。
 ここは聖書を英語で講義するなど英語を勉強するための人たちが来る施設であったのだが、僕は全然そんなつもりもなく、英語も喋れず、ただ寡黙になってしまい、そこにドラえもんがあったので、それを読みに行っただけであった。
”fine"と彼らがいう。彼らとは伴天連の欧米人のことである。ファインとこたえる。決してファインな気分ではないのだが、それ以外答える言葉を知らない。BADといえば理由を英語で答えないといけない。ボキャブラリーがない。それでも何故か僕はこの施設に半年程度通った。聖書の話を英語で講義する。それについて議論が行われる。話に入っていけない。最後に皆で英語の歌を歌う。ギターの伴奏で。先輩はそのギターの奏者として僕を呼んだようだった。
 ジョンデンバーのcountory roadをしきりに歌った。弾いた。そんな記憶しかない。
 プロの歌手を夢見て、浅はかな夢であったが、そんな頃の話である。

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