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グローバル企業で感じる”リアル”なダイバーシティー

<筆者プロフィール>
パートナーマネジメント・ストラテジー部で、戦略立案やセールスオペレーション、外部パートナーとの折衝などを担当し、米国、APAC、ヨーロッパと、世界中のメンバーと仕事をしています.

コロナ禍が始まって以来、どっぷり在宅勤務環境に浸かってしまったので、次に出社する際にオフィスに無事辿り着けるかが、目下の心配事です。

こんにちは。パートナーマネジメント・ストラテジー部のKimです。

昨今、日本でもSDGsやダイバーシティが重視されるようになってきましたが、アメリカに本社を構え、21カ国に拠点を持つ弊社にとっては、まさにクリティカルなテーマです。今回は、グローバル企業で働く中で、”リアル”に感じるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)についてお話ししたいと思います。

皆さんはダイバーシティと聞くと、何を思い浮かべますか?日本の企業で働く方は、男女の平等、ワーキングペアレントなど身近に感じるかもしれませんが、その他のダイバーシティを感じる機会は少ないかもしれません。しかし、グローバル企業では、多様な人種、性別、バックグラウンドを持った社員がおりますので、自然と数多くのダイバーシティに直面します。

例えば、弊社がダイバーシティ推進の一環としてサポートしている、Employee Resource Group(ERG): 従業員リソースグループ(同じバックグラウンドを持った社員のコミュニティ)があります。黒人、ヒスパニック、アジアン、ネイティヴアメリカンなどの人種コミュニティや、女性、LGBTQIAといったジェンダーのコミュニティ以外にも、子育て、介護をする社員や、退役軍人のコミュニティもありますし、”Neurodiversity”という、神経発達症を持った方々のコミュニティもあります。これらのラインナップを見るだけでも、今まで自分が知らなかった多様性に触れ合うことができます。

また、社内では”Inclusive words(差別的ではない言葉)”の使用も推奨されています。例えば、デジタル広告業界でよく使われる、ブラックリスト・ホワイトリストなどは、人種差別の名残なので、許可リスト・ブロックリストといった、インクルーシブな言葉を使うようにしています。その他にも、マスターアカウント・スレイブアカウントも奴隷制度の名残ですし、日本ではオシャレなイメージがあるブラウンバッグ(紙袋)という言葉も、ランチタイムのカジュアルな会議の意味として使われますが、かつては白人と有色人種を分けるために使われていたので、この言葉の使用を控えています。そもそも差別的な言葉だということを知らなかったものも多く、無意識に使ってしまいがちですが、社内チャットで不適切な言葉を使うと自動でアラートが送られてくるので、常に意識を向けられる仕組みになっています。

上記以外にも、数多くのDE&Iに関する取組があるのですが、全社員が必須で参加するものとして、年に一度ダイバーシティに関する研修があります。その内容は、多様性自体を学ぶのではなく、”Unconsious Bias(無意識のバイアス)”について、気づきを与える内容になっています。ダイバーシティは、人種や性別といった代表的なもののみならず、さらに複雑化、多様化しています。自分のバイアスだけで物事を見ると気づき得ないことがほとんどですので、まずは相手の立場を想像し、尊重することが、ダイバーシティを考える上で一番大切とされているのです。

このように見ると、ダイバーシティが壮大なもので、日本の中でダイバーシティを考える機会が少ないように感じますが、決してそうではありません。そもそも「日本は多様性が少ない」という無意識のバイアスをを取り払うことが第一歩です。例えば、同じ日本人でも、日本に居住している方と、アメリカに居住している方とでは、それぞれ違う文化があります。もっといえば、同じ日本に住む日本人でも、それぞれのキャラクターやバックグラウンドがあるので、一義的には語れません。ぜひこの機会に、一緒に働く仲間の立場や個性を見つめ直し、一人一人が活躍できる職場について、改めて考えていただけたら幸いです。


*Boundless株式会社(バウンドレス)は、米国に本社を置くYahoo Inc.の日本法人です。


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