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パン職人として生きる

パン屋さんで働いている人は、「パン屋さんになりたい」そんな想いから就職先にパン屋さんを選んだ人と思う。(特に専門卒)
でも、実際は職業地位が低く、低賃金・長時間労働の現場に折れてしまう人が多いのが現実。
僕の初めの就職先は大手リテイルベーカリーだったが、30人ちょい同期がいて3年後には4人になっていた。

日本は、パンが主食でない上に「安くて美味い」の店が多い。
そのせいで薄利多売の競争に。。
パンは他の飲食と違い、そもそも製造するための時間が長いため総稼働を短縮しずらい。
品数も主食でない日本では多品種でないと、数人を雇えるだけの売り上げ規模にもならない。
その中で大きくしていこうと思うと、自然と人件費が押さえつけられ従業員が疲弊していく。(削られていく、使い捨て)

今まではそれを「職人」「修行」という言葉で経営者は正当化してきた。

そこで本題、結局パン屋さんになるだけではなくて、独立(起業)しなければ収入が伸びないという現状についてだ。
⇒補足として小規模パン屋さんは本当に潰れない強いモデルなので、最近は人件費を最低ラインに出来る夫婦のみで経営するパン屋さんモデルが多い

いくら一生懸命努力しても、使われている側だと平均年収にも届かない。
これは、責任者のポジションの人も例外ではない。

そして今後ベーカリーを主軸とした会社を大きくするためには、この現状を多少なりとも変えていく必要がある。
独立しなくても「パン職人として生きる」事が出来るようにする必要がある。

今まで、社会のルールを無視した「ズル」がまかり通っていた時代はもう終わる。(今の子は賢い、沈む船には乗らない。)

ただ、逆に夢を追いかけていれば良かった従業員側にも意識改革が必要になる。(経営において、インパクトのある生産性の向上が必要なため)
一般企業と同じ給与帯を目指すなら、会社・社会に関しての勉強が必要だろうし、一般常識や多少のビジネスに関する知識も入れておいた方が良いだろう。
学歴・職歴を必ずしも必要としないこの仕事は、会社にどんなアウトプットをできるかが最重要。
何を隠そう実力主義。

ズルがまかり通っていた時代は、「修行」という言葉で無理やりにでも技術伝承が行われた。
しかしそのズルが出来なくなった今、商品のマニュアル化と従業員の差別化の波が襲ってきている。
実力が伴わなければ、ポジションが上がる機会すら与えられず、実力が伸びない単純作業の日々になる。
マニュアル化により、深くルセットを読んだり、教える作業は省かれていく。

結論として、今の若い世代には「修行」という言葉に押しつぶされるのではなく、しっかりと自分の成果を提示し交渉できるところまで、仕事の意識改革をしてほしいと思っている。
形式だけの働き方改革ではなく、幸せになる働き方改革をしなくては、一生給与は上がらない、仕事つまらない病になるだろう。
そんな悪循環にならないためにも、マイペースでいいから自己投資をしてほしいと思っている。(その辺も少しづつ発信出来たらいいかな)



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