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油っぽい雲は歯ぎしりしている


梅雨にも似た雲を眺めていると、いつしか春の訪れを感じるようになった。扉を開けても真っ暗な心地をそのまま羽織り、息づく。肌に寒さのにおいがしている。




しずまってゆく奥底に道すがら
(照らされ)
言葉の膿を|清々と注ぐ
(…)
揺らそうとしている 背骨の奥にひそむ光に
覆われている翳を
とっくのとう口にしたものだけは熟して
音がくずれそうなまでに
考えているうちは
不在の世話をやく青い顔を浮かべている



寒さがますほどに充たされ
むきだしの屋上に抱きかかえられ
(…)
静寂がこぼれ堕ちた
行く先のないままに いちぶぶん鱗 覆われるほどの
微かに生を帯びた耳
ほどけてしまう
閉じ込めた幻の ほのあたたかな吐息に乗って
忘れることを厭わずに胸のうちまで覚えていた

白さ煩わしく
影の輪郭 浮かび上がって
光は臨む
暗闇の透けるところに
断片がひとひら さざめく
腰をおろし白昼に耽りながら 埃の輪郭という姿を
降り注いでいる



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こんにちは。お久しぶりです✴︎
最近はというと詩が書けない日が続いていました。前触れのない意図しない瞬間に気付けているのか、鈍ってしまったのではと感じて、程よくインプットに傾いてみようと、あらゆる言葉に頼りながら今のモヤモヤを確認していました。

今月は前回の投稿で触れていた新しいZINEについて。

昨年初めて参加した、「UNI×MAKI×ZINE」という長崎/本屋ウニとスカッシュさんから佐賀/makijaku製作室さんへとバトンを受け渡すように開催されるZINEのイベントに今年も参加します。今月22日から始まっており、本日会期3日目です!


わたしは詩と写真のZINE『過ぎる日々の沿線にて』を委託出展しています。
はじめは、本屋 月と犬さんで販売したもので、今月22日からふたたび販売することとなりました。本は綴じなければならないという、わたし自身の縛り切った思考を解きほぐそうとした試みです。

A5サイスほどで、おきにいりの紙に印刷しました。出来上がった姿も、そこから広がっていく姿もどうしようもなく気に入っています。



ではこの辺で!
また来月にお会いしましょう〜。


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