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どうぶつの森に爬虫類がいないのが気になる

最近、「あつまれどうぶつの森」に熱中している。なにせ、このご時世である。外に出ることは憚れる。家にいろ。そういう国のお達しだから、必然的に家にいる時間は長くなる。元来、出不精な性格だから、別にそれは苦でも何でもない。一日中寝てたって、文句の一つも出ない。ただ、寝てばっかりいることを身体のほうが許してくれない。起きろ、飯を食え、おしっこをしろ、しきりに命令をかけてくる。これは自粛できないので仕方ない。だから起きる。起きると目も冴える。そうなると、暇である。だからゲームをやる。これは世の中の皆さん同じようで、持っていなかった人は一斉に買い出してネットショップも家電量販店も結構大変だそうである。食料品店は仕方ないとして、家電量販店は営業する必要があるか。家の電球一つくらい切れたって、死にはしない。それほど必需品を売ってるわけでもないのだから、休業したって問題ないと思う。ゲームを持ってない人は我慢すればいいのである。自宅での娯楽のために、例の「三密」に自ら身を投じては、本末転倒であろう。

しかし、「あつまれ どうぶつの森」はこの状況にピッタリのゲームではなかろうか。我々は外に出られない。出不精の僕だって、たまには散歩くらいしたいが、その頻度もかなり少なくなった。今月は一度も出ていない。だからこそ、仮初めのアウトドアをゲームの中で楽しむのである。そうなると、この「あつ森」ほどピッタリなゲームもない。なにせ、無人島に移住して、そこを開拓していくゲームである。そこには、ゲーム内で設定された、手付かずの自然がある。童心に帰って、虫取りや魚釣りに興じる。僕はこれがかなり楽しい。というか、このゲームの8割くらいはそれしかしていない。他の人のプレイ動画を見ていると、島を整備したり、自分で服を作ったり、様々な遊び方をしている。僕はいろんな事情でまだそれが出来ない。ただ、今の状態で十分楽しいので、そんなに気にもならない。他の楽しみはそれこそ他の人にやっていただいて、その様子を傍から見て楽しむくらいが僕にとってはちょうどいい。

ただ、最近このゲームをやっていて、疑問に思うことがある。魚釣り、虫採り、どちらも楽しいのだが、種数がどうも妙なのである。何が妙か。爬虫類がほとんどいないのである。魚もいて、虫もいる。魚はアジのような平凡な魚から生きた化石であるシーラカンスまでいるし、虫は蝶々やトンボ、岩をひっくり返せばダンゴムシやムカデも出る。なのに爬虫類がほとんど出ない。これはどういうことなのか。季節柄出ないのかと思ったが、調べるとそうでもない。結局、確認されてる限りではカメが二種類いるだけで、トカゲやヘビは皆無である。

因みに両生類はオタマジャクシとカエルだけでこちらも少ない。少ないが、トカゲやヘビと違って、両生類はマイナーであろう。イモリはいいとして、サンショウウオなんて知らない人も多そうである。井伏鱒二の小説なんて誰も読まないだろう。米津玄師の「海と山椒魚」だってマイナーな曲である。ことほど作用に、両生類はカエル以外はほとんど知られてない気がする。そもそも両生類という「類」を知らない人もいるのではないか。だから、ハブられたとしても、まだわかる余地がある。

爬虫類はそうはならない。小学生のとき、誰もがトカゲやカナヘビを見たはずである。飼ったことがある人も、きっと珍しくない。家の天井裏にヤモリがいた、そんな人だっているだろう。アオダイショウやシマヘビは、それほど見ることはないかもしれない。僕も子供の頃から今まで、所謂ヘビは三回しか見たことがない。しかし、トカゲやカナヘビは大衆一般に認知された爬虫類である。誰もが知っている、そう断言して全く問題ない。この二種は「あつ森」に出ていても全く違和感はないと思うが、さんざん述べた通り、いないのである。

いくつか過去作をプレイしてる友人の話では、そもそも採取できる動物の中でヘビ・トカゲの爬虫類がいたことはなかったそうだ。その理由をいくつか考えたが、やっぱりよくわからない。当の友人はヘビがいたら怖いと言っていたが、ならタランチュラの始末はどうつけるのか。どう考えたってタランチュラの方が怖い。あんなに足が生えてて太くてモサモサなのだ。怖くないわけがない。いや、写真で見ると案外可愛い顔をしているのだが、それはヘビも一緒であろう。

過去作の住民にカメレオンがいるから、というのもある。なるほど確かに、一理あるように思える。住民に仲間がいるのに、一方でいいだけ捕まえて売っぱらったりしているのは気分が悪い気もする(ところで売っぱらった先はどうなるのだろうか。個人的には狸共は強い雑食性の動物なので陰でバクバク食っているのではないかと思っている。あの腹は相当食っている筈である)。

しかし、それも少し考えるとやっぱり少し変である。だって採取動物の中にはカメとスッポンがいるのである。同類というのなら、こいつらだって勘定に入れるべきであろう。あと、ついでに言うと、カメレオンだけでなく、ワニの住民もいるみたいである。

気持ちが悪いからか。僕はカナヘビやトカゲは可愛くて仕方がないと思う質だが、世の中は爬虫類に対して嫌悪感を示す人が結構いる。というか爬虫類や多足類はその代表である。ゴルゴーンの髪の毛が蛇でうじゃうじゃなのも、ゾロアスター教の怪物に蛇を象徴する物がいるのも、爬虫類が嫌悪感を示す動物だという古来からの伝統を如実に示す。でも、さっきも言った通り、岩をひっくり返せばムカデは出るのである。捕まえるのだったらそっちのほうが僕はキツい。大体、そんな文化的、歴史的なことをそこまで考えてるゲームとも思えない。住民にタコがいるが、タコは西洋では嫌われ者である。なのに何種類もいるし、なんと海外で人気らしい。いよいよわからなくなってきた。

タコが話題に出たので頭足類で関連に出すと、イカは釣れるが住民にイカはいないようである。住民としているタコは、釣れない。やはり採取できる種には、住民はいないのか。

「どうぶつの森」の大半の住民のモティーフは哺乳類と鳥類である。ここら辺は、曖昧さがない。哺乳類や鳥類は見てそれとわかるのが強みである。しかし、爬虫類はそこに曖昧さが介在する。爬虫類、両生類、この二つは少し掘り下げないと、一見区別がつかない。区別が付きにくいものは、鼻から関わらないか、曖昧なまま扱うか、その二択である。それが理由になるかどうかはわからないが、実際トカゲやヘビはいない。そしてカメはいて、住民にカメレオンとワニがいる。他の類はこんなことが起こっていないのに、爬虫類にだけ起こっている。これはどういうことなのか。話が振り出しに戻ってしまった。誰かちんぷんかんぷんな僕に変わって考えてくれないだろうか。

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