元ぼったくりバー店員の記録 第二章 その3 仲間
皆様、ご無沙汰しております。ユウです。
更新が遅れて申し訳ありません。”クロサギ”というドラマ化もされた詐欺師の漫画を読んでいたら更新がストップしてしまいました。
これがまた面白くて、詐欺師はどのように詐欺をするのか、またどのような金の流れがあるのかを教えてくれる、ある意味教科書のような漫画です。
これを読むようになったきっかけは、知り合いに私の体験談を聞かせた為です。
私がマッチングアプリで右スワイプをしていると、ある女性とマッチしました。
30歳の世田谷区住み、容姿はごくごく普通、年相応といった所でした。
しかし、話をしていくとなかなか気が合い、人間としての偏差値も低くなさそうでした。
なので私はこの女性を利用して、別荘にしたりATMにして最終的にはお風呂に沈めようとまで考えていました。
そして会う事になり、場所は渋谷になりました。
そうすると、お勧めのお店があるから行こうと言われました。名前を聞いても、場所を聞いても教えてくれません。
これはどこかで見た事のある、聞いた事のあるパターンだと思いました。とても聞き覚えがあったのです。
しかし、もしそういう事になったとしても、私なら切り抜けられると思い承諾しました。
そしてついていく事5分、着いたのはお洒落なバーとも、カフェとも言えるレストランでした。建物の外装も内装もしっかりしていましたが、私は気を抜きませんでした。
メニューの隅から隅まで、目を通しました。
※テーブルチャージ1,000円/人 や ※サービスTAX15%などの文言を死ぬ気で探しました。
見当たらなかったので、注文しました。
ちなみに料理はとても美味しかったです。
次のアポで、後日違う渋谷のカフェに行きました。コーヒー好きだな、と思いながら私は話を聞き彼女の好感度を上げていきます。
そして3回目は新宿でした。お金持ちで成功者のホームパーティーがあると言うので、私は行きました。
足を運んだのはいわゆるタワーマンションで、家主とその家族はとても良くしてくれました。
そのパーティー自体は何も不審な所はなく、満足する物でした。
終わった後、気になった私は彼女に家主の仕事を聞くと、はぐらかされました。ここで少し違和感を感じましたが、気にする事もなくその日は解散しました。
実質最後となる4回目も渋谷でした。家が世田谷なら近いですし、私も都合が良かったので何も不審に思いませんでした。
今思えばこれは全て仕組まれていたのです。
4回目でお茶をしていると、いつもと何か態度が違います。いつもは私の話を聞くときにこちらを向き真剣なのですが、この時はなぜかソワソワしていました。私が話をしても上の空、質問をしても空返事。
ねえ、ユウくん
————なんですか?
—————アムウェイって、知ってる?
気分は夜神月でした。これほど、はっきりと、頭の中に情景が浮かんできたのは初めてでした。謀られました。完全敗北した瞬間でした。
私がいいカモを見つけたと思っていたら、実は私がカモだったのです。
「一体いつからハメられていないと錯覚していた?」
「あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!『おれは奴をハメようと思っていたらいつのまにかハメられていた』」
もう頭の中は思考で溢れかえっていました。しかし、あえて一言で申せば、”虚無”でした。
私は戦う気力もなくなるくらい打ちひしがれました。しかし「人は戦う事をやめた時初めて敗北する」という言葉を思い出し、私の心がまだ滾っていたので戦う事にしました。
そして、ここはせめて、相手の手の内を見てから退散しようと思いました。
そうこうしている内に、アムウェイの本社とやらに連れて行かれました。延床で言えば恐らく20,000m2は越すであろう事務所ビルでした。
エレベーターに乗り上の階へ。そこにら営業トークをかけられているカモが恐ろしいほどにいました。
こうして案内され、席に着いた私はまず商品の話をされました。
アムウェイの商品は高いが、効果は間違い無いと言われました。実際に見せられ、そう思わせる程の効果です。
見たのは食器にラー油を垂らし、アムウェイ製の食器用洗剤を上からかけると言うもの。あれよあれよと言う間にラー油が落ちました。
他方、一般的な食器用洗剤はほぼ、落ちませんでした。
この光景だけを見れば効果があるように見えますが、私でしたら一般の方は薄めますし、ラー油の上の方でもそうしますね。
また、手洗い用の石鹸も効果はありました。以下同文。
しかし、このままだと営業トークに乗せられただけで癪に触るので、対処法を調べる為に一度お手洗いに行きました。Googleで「アムウェイ 勧誘」と調べるとなんと客に対しての攻略法を見つけました。
それは、「4回目のアポでビルに連れて行け」と言うものでした。なるほど、信用度を高めてからならビルへの誘いにも乗るし、断りづらいと。
更に3回目で権威付けをしていたので並の人間ならここで乗ってしまうでしょう。
正直、やられたと思いました。心の底から悔しくて悔しくて悔しかったです。完全敗北でした。
その後、多少の嫌がらせをしながらも負けた私はその場を去り、悔し涙を流しながら帰路につきました。
私の大尊敬する与沢翼はこう言っていました。
カモから搾取していると思っている、自分が賢いと思っている人間が1番カモだと。
まさにその通りだと思いました。これからは勝って兜の緒を締めるでは無いですが、油断大敵で生きていこうと決めた瞬間でした。
閑話休題。
後日、また仲間が出来ました。
ゾロと米田です。
ゾロは少しぼったくりバーを経験していたらしく、流れは既に把握しています。頼り甲斐のある男です。
米田は未経験で、伸び代があります。
女の子は5,6人くらいいます。やはり皆さん可愛くて、これなら逆に、上手く支払わせられると思いました。
なんだか某海賊漫画みたいになってきましたね。
次回から実際に仕事に入ります。
ちなみに、フィリピンには実際に海賊がいるみたいですよ。
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