大学生四年生の頃の「日常」

僕が大学生四年生のときにしていたこと。読んだ本を読み直す。一人ふらっと朝御飯を作ってみる。スーパーマーケットで買い物をする。あとは座禅かな。

一人梅田に繰り出して、高級服で身を包みおめかしをし、高いお店にご飯を食べに行っては''グルメ''気取りをするのが趣味だった、大学一年生に比べれば何たる質素な楽しみであろうか。

実際、経済的な問題もある。単純に稼ぐお金は減っていた。あの頃は仕事をせずに寝てばっかりいたね。

でも、それより派手にすることに飽きて日常の機微を素直に感じ取れるようになったのもあったかな。

「派手な友達付き合い、派手な服を着ること、高い外食。何でも最初の内は楽しいけれど、みんな飽きちゃうよ。」って誰かが言っていた。神話じゃないかと思っていたが、あの頃から妙な納得感を持って分かるようになった気がする。

派手なことをしているときその瞬間は心地よい。それは普段の自分を偽って最高の自分を感じることができるから。でも、派手なことを終えてしまえば普段の自分になり、空しさを感じてしまう。だから、また派手なことをする。麻薬やお酒やタバコと同じく派手なことには依存性がある。ドーパミンとかいうやつが関係しているのだろうか。

さてさて、それよりあの頃の話の方をしたかった。何故、こんな地味な生活に楽しみを見いだせるのか。それはやはり、地味で何の変化もないからだろう。もっと言えば、変化がないからこそ自分で変化を見つけていかなくてはいけない。昨日とはちょっと違う朝食を作ろう、とか。昨日とはちょっと違う本の読み方をしよう、とか。

一人、スーパーマーケットで買い物をして、なんやかんやで明日の食費を買ったつもりが5000円。これで5000円か。普段、買い物など母に任せていたし、これだけでも意外な発見だった。

派手な生活をして、ときに莫大な幸せを感じて、その後空しさを感じる。地味な生活をしてじわじわ幸せを感じる。

こんなことに思いを馳せながらどちらの生き方がよいのかは簡単には決められないけど、今は地味な方が好きになったかな。

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