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どんなデザイナーになりたい?を知るために。私には「量」が圧倒的に足りない | #アートとコピー (5)


考える
悩む
頑張る
挑戦する
進もうとする

そうやってもがいた先に、自分が何をみたいのか。わからなくなっている


就職したてのころは、とにかく
デザイナーになるんだ、独り立ちするんだ
そう思って、目の前のこと一つひとつにがむしゃらだった。
すべてが「デザイナーになる」ためにつながると信じていた。
目の前のことしか見えていなかったし、
なにも持ってない私は、目の前のことだけやっていても進んでいけた。

今はどうだろうか。
デザイナーとして成長したい。
でも具体的にはどういうこと?
セミナーを受けたり、本を読んだりしてみているけど
学び続けて、成長はしたいけど
その先に何を見たいのか。
有名になりたいのか
大きな規模の仕事をしたいのか
自分が満足いくものづくりができればいいのか。
やってみたいことはある。
でも、「やってみたい」がなんとなく四方八方に散らばっていて
向かっていく方向がはっきりしない。


「アートとコピー」の講義で
阿部広太郎さんがコピーライターになりたてのころのお話を伺った。

阿部さんはコピーライターへの挑戦を、覚悟を持って3年と期間を区切った。
コピーライターとして「見つけてもらう努力」をした。
圧倒的量と、見つかりやすくなるような戦略。
たった3年とは言えないような決して言えない濃密な時間だったはずだ。
阿部さんは勤め人なこともあり「3年」という約束と覚悟が必要だった面もあると思う。

フリーランスデザイナーの私の場合、
誰に何を約束する必要もない。自分で決めていい。
3年と区切ってチャレンジして失敗しても、
私はデザイナーを続けるだろう。

何から何まで阿部さんと私は違う。


それでも、阿部さんの過去のエピソードは痛いほど胸に刺さった。

覚悟と、圧倒的量。

量より質というが、その「質」の向こう側に隠れた圧倒的量がある。
努力の二文字で済ませたくないほどの量を阿部さんはこなしていた。
当時の3年どれほどの苦労だったか私にはわからない。
でも、今の阿部さんを見ているだけでもその「圧倒的量」は伝わる。
毎回の講義の資料を見てもそうだし、
課題すべてに添削をいれてもらったりもする。
そのうえアートとコピー以外にも講師を務められている。
本を執筆されてPRもしている。
著書とともに手書きのメッセージをいただいたりもした。
そして、会社での仕事もあるだろう。
ご本人から聞いたわけでもない私が、
少し想像しただけで震えるほどの活動量。
圧倒されるとはまさにこのことだ。

有名になるような人達は輝かしい才能があって
平凡な自分とは違う何かがあるんだと思っていた。
でも、表に見るキラキラした姿の向こうに
絶え間ない努力や苦労があるはず。
圧倒的な量に裏打ちされたものは絶対に強い。
「圧倒的量」は見えても見えなくても
きっと心を動かす力があるんだと思う。


目標がないのは悪いことではないし、そういう人はたくさんいる。
一つずつ目の前のことを一生懸命こなすしかない。
そうやって進んだとき、量をこなしたときに振り返ってはじめて、
自分が何をしてきたか、これからどうしたいか、わかるのかもしれない。
ヒントは自分がやってきたことにあるんじゃないだろうか。

そして、私には振り返れる「量」が圧倒的に少ない。
自信を持って今目の前の仕事をできる分はあっても、
未来を見据えるだけには足りない。

目標をもってフルスピードで進める人はすごい。
少ない的にたくさん弾を撃てる。
私はそうじゃない。
たくさんの的に一発ずつ撃てるか撃てないか。
的の前でうろうろおろおろして
どの的が撃ちやすいか、撃ちたいかわからない。
自信を持って狙えるように、まずは撃ちまくるしかないんだ。

考えなしに撃ちまくってもしょうがないけれど
あとで振り返ったときに意味があるならそれでもいい。
ごちゃごちゃ言うのはやめて、まずは撃て。

…といってもきっとまた立ち止まってしまうんだけど、
そのことすら「撃ったこと」になるように。

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