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6人目出産と病気が発覚したあの日②



集中治療室に搬送されてからは
スマホもテレビもないベッドの上で
ひたすら自分と向き合う時間だった。


頭の手術だから
恐怖心はあったけれど

冷静に受け止めている自分がいて
自分で自分を褒めてやりたい気持ちだった。


過去にはパニック障害だった時期もあったくらい
冷静に対処できない性格だったんだけど
5人の子どもを育てる中で

目の前で起きていること以外は忘れるようになっていた。


家にいる子どもたちのことも
心配は心配だったけれど

心配したところで
このコロナ禍に入院したわたしに
できることはなにもない。


今、わたしにできることは
しっかり治療に専念すること。
それのみ。

一日も早く元気になって
子どもたちを抱きしめたい。


落ち込んだりしたところで
何かが変わるわけでもない。


だったら今を真剣に生きる。


唯一
生まれたばかりの赤ちゃんには
会わせてもらうことができた。


赤ちゃんは、
本来なら生後5日ほどで退院しなくてはならないのだけれど

特別に長く入院させてもらえることになった。
わたしの励みになるようにという病院側の配慮だった。


小さな身体で一生懸命に泣く生命力の塊のような新生児に会うとわたしも落ち込んではいられない。


この子を抱っこして歩きたいから
しっかり治療して生きなくちゃ。

手術の日の朝。
隣のベッドだった人が亡くなった。


治療法がなかったらしい。

わたしは手術をすれは生きられる。


生死って紙一重だな………

ただその方の最期のおかげで
わたしは手術に向かう前に
覚悟を決めることができた。


それは

生きる覚悟

だったように思う。


続きはまた次回◎

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