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実朝出帆

「実朝出帆」は1973年(昭和48年)に西武劇場(現・パルコ劇場)で公演された、山崎正和氏作舞台劇。1993年(平成5年)にもシアターコクーンで上演され、実朝様800回忌にあたる2018年(平成30年)に、実朝公首塚の前で野外劇として公演された。

戯曲は新潮社から出版されていて、図書館にもあると思う。

「実朝という男は何者だったのか」

生前も死後も、ずっと問いかけられてきた彼が、熱に浮かされたように船を作ったのは何故か。陰謀渦巻く政治劇の渦中に、実朝は何を見て、どう思っていたのか。

時系列としては、和田合戦~宋船進水失敗まで。和田義盛や三浦義村も出てくるので、今後上演されたら是非見に行ってほしい。

この作品に出て来る義時が、結構いい奴でさ。甥である実朝様を気にかけていて、自主的な行動をしていない事を心配しているんだ。

そんな実朝様が生まれて初めて熱くなった「渡宋計画」を成功させてやりたいと尽力し、自らも「動け! 動け!」と船を引くシーンは熱かった。

大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の義時と実朝様との関係とはまた違った解釈の創作なので、ぜひ読んでみて欲しい。


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