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アルクの『翻訳スキルハンドブック』極めて有用である

先日なんとなくAmazonみてたら前から気になってた『翻訳スキルハンドブック~英日翻訳を中心に』がKindle Unlimitedに入ってたので、早速ダウンロードして読み始めたのである。

本当にアルクはいろんな本だしてるね。

ハンドブックと名乗るだけあって、薄くはないがコンパクトにまとまっている。内容は原文の読み方、リサーチの仕方から、英日翻訳のためのテクニック集、校正スキル、納品の際の注意事項まで多岐にわたっている。一通りのことはこの一冊でいけるわけである。字幕の翻訳にまで言及されているのは驚いた。

どういう性質の文章で、想定する読者はどんな層かという当たり前のことに始まり、英文を読むときの注意点(冠詞、複数形、大文字小文字などなど)、定訳の探し方、意訳(トランスクリエーションというらしい)、Googleやスタイルガイドの使い方などけっこう具体的に書かれているのがありがたい。

ちなみに翻訳について勉強するのは英文ライティングにも役に立つ。日本語と英語をいったりきたりするので、なんとなくかっこいい英文とはどんなものかわかるからだ。ただ英語を読むだけだと、英語のまま理解するだけなので(これじたいは間違ったことではないけど)、日本語での思考パターンとつながらないからだ。

また翻訳する人がどんなことに頭を使うかがわかると、翻訳を外注するときにも役に立つだろう。固有名詞に定訳があるときは事前に教えてあげるのが親切というものだ。まあプロの翻訳者はそんな気遣い不要なのだろうが。

そしてこれまた当たり前のことだけど、日本語の能力がめちゃ大事。具体的に言うと、コロケーションである。英語でも日本語でもコロケーションめちゃ大事である。この辺は日本語話者といえど辞書に頼ることになると思われるが、本書では日本語の表現力を豊かにするための日常生活の注意点まで記載されており、本当にかゆいところに手が届く一冊となっている。


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翻訳のテクニック的なものはこの本もけっこう詳しく書いてあって面白かった。


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